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性悪人誑しに男前わんこが溺れています

shouwaru hitotarashi ni

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表題作性悪人誑しに男前わんこが溺れています

千林凌爾,28歳,工場勤務生産企画課社員
野江奏太,25歳,千林と同じ生産企画課で同期

その他の収録作品

  • 描き下ろし「Best Partner」
  • あとがき

あらすじ

人誑しで、性悪で、見せたい自分だけを相手に見せることができるー絵に描いたような有能眼鏡の千林凌爾と、明るく人当たりがいい営業タイプの野江奏太。二人が生産企画課の同僚になる以前、野江は憧れの千林から「そうくん」と呼んでもいいかと提案されていた。手慣れたスキンシップに右往左往する野江だったが、このキーワードがのちに千林の悪癖と恋愛ルーツを解き明かすことに…?狐タイプxわんこタイプの愛欲リハビリ献身愛⁉︎

作品情報

作品名
性悪人誑しに男前わんこが溺れています
著者
今城けい 
イラスト
兼守美行 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
シリーズ
草食むイキモノ 肉喰うケモノ
発売日
ISBN
9784576161815
3.2

(21)

(2)

萌々

(9)

(5)

中立

(3)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
7
得点
64
評価数
21
平均
3.2 / 5
神率
9.5%

レビュー投稿数7

攻めの変わりっぷりが面白い!

受けはほほを染めて攻めを振り返り、攻めは背を向けてうっすら微笑む。そして帯の下ではそっと手を触れあわせて…という大変素敵なカバーですが、まさに内容そのままです!( ´艸`) 最初に見た時は、攻めの微笑みが意味深に見えたのですが、読み終わった後にもう一度見ると、すごく優しい表情に見えてくるのが不思議…。どちらにしろ性悪な攻めが自分の思惑とは逆に、誑かそうとした相手に溺れちゃうというのが大変ツボな作品でした。
「草食むイキモノ 肉喰うケモノ」のスピンオフで、そちらの主役二人もチラッと出てきます。受けの隣で食事する同僚に、攻めが牽制してたりして、こちらもニヤッとしました。

攻めの千林がですね、タイトルから「性悪人誑し」ともうバレバレですが、最初の方は性悪どころじゃない感じです。ちょっとだけ入る攻め視点でよく分かりますが、かなりゲスい…。野江が自分に好意を持っている事を分かっていて、優しくしてみたり冷たい態度を取ってみたりと本当に性悪なんですね。よし、今度はコイツで遊ぼうみたいな。「こいつ、マジか!」とかなり腹が立つのですが、病弱で家族の愛情に恵まれなかった過去がわかると、複雑な性格になっても仕方ないのかもと。更に、唯一愛情を注いでくれた祖母に対する想いや、そんな中支えになった初恋の「そうくん」の事が分かると、性悪なんだけどピュアな部分もあるのねと見方が変わってくるのです。

受けの野江は、そのまま男前わんこです。ちょっと自分の気持ちに鈍い所もありますが、基本的には聡くて思いやりがあります。攻めの謎めいた所に惹かれていくのですが、ひたすらワンコのようになつく所が可愛いのです。攻めに「そうくん」と読んでいい?と聞かれ、自分ではなく他の誰かを思い浮かべているとすぐ気付き、しかも攻めに直球で「そうくん」が他にいる事を尋ねるという真っ直ぐさがあるんですね。彼にも小学生の頃、いつも病院で見かけた初恋の相手が居て、まぁ、このへんは鈍い私でもオチはすぐ予想がつきますが…。

そんな感じで、とても男前で真っ直ぐな野江に軽くチョッカイを出すつもりだった千林が、ミイラ取り状態になるというのが見所です。そもそも本人が自覚する以前に、受けに抱きつく同僚に嫉妬して引き剥がしたりしていて、これはやられちゃってるでしょうと丸分かりなのですが。更に全面降伏した後の、受けをデロデロに甘やかす所がひたすら甘くて、ニマニマしちゃうんですね。受けが攻めを庇って右手を怪我するのですが、面倒を見るという名目でご飯を「あ~ん」で食べさえ、お風呂に入れという下りがひたすら甘い…!

最後の短編が丸々攻め視点ですが、受けにメロメロなのがよく分かります。受けを閉じ込め、鎖につないで一生飼い殺しにしたいと、独占欲の強さをのぞかせてます。しかし、受けの為にそれはしない、この世界に受けが居て、自分を愛してくれるなら何でも出来る…と最初のゲスぶりはどこに行ったという溺れっぷりです。そしてエッチでは、「ちゃんと覚えて。僕に愛されるやりかたを」とひたすら甘々です。もう、おなかいっぱいという感じです…。

攻めの好き嫌いが分かれそうな気もしますが、私は楽しく読めました。



5

男前です。

工場系リーマンラブ物。
「草食むイキモノ 肉喰うケモノ」のカバーイラストにいたクール眼鏡さんのお話、という事をすっかり忘れて、積み本箱から発掘。
このお話はこれで完結しているので「草食むイキモノ 肉喰うケモノ」を読んでいなくても全く問題ありません。
むしろ、途中で「草食む~」の牧野が実に意味ありげにでちょっと登場するので、この話にこれ以上の当て馬キャラは必要か???状態に陥ったりしたりしなかったり。
光の国の男前ワンコ受けがかわいかったです。

2

「性悪人誑し」に過度な期待は禁物

既刊「草食むイキモノ 肉喰うケモノ」に登場したクール眼鏡お兄さん・千林のスピンオフ作品です。主人公は千林と同期の野江(受)で、前作では謎に包まれていた千林の本性が色々と分かる物語になっています。

前作を読んでいなくても問題はありません。私は前作がかなり好きで今でも時々読み返すので、本作での千林のキャラクターは…意外な面もあれば想像したとおりの面もあるのですが、うーん…詳らかに知らないほうが良かったかなぁとちょっぴり思いました。

読み終えてみると、千林は確かに「性悪人誑し」の面はあるのですが根は結局イイ奴なので、本作では妙に情緒不安定なキャラクターになってしまったような気がします。「そうくん」にまつわるエピソードは若干のヤンデレ臭がするしね…。一方の野江は最後までわんこっぷりを貫いていて頼もしかったです。

千林の別荘で静かに想いを確かめ合うシーンがとても良かったです。映像で見てみたいと思いました。

2

スピンオフとしては…(-ω-;)ウーン

「草食む〜」が好きなのでスピンオフと知り楽しみにしてました。

が。。。
スピンオフとしての楽しさがなかったのが残念です。

前カプの関目さんや牧野くんがどう絡むのか?とか
草食むカップルが新カップルからどう見えるのか?とか
スピンだと違う視点で見られたり脇に登場するのが楽しみの一つですが
そういった部分が全くなく。。。
関目さんのせの字も出ず、牧野くん絡みはとってつけたように感じてしまい、
物語を楽しむより、残念だなという感情が先立ってしまいました。

なのでスピンというのを意識せず、単体で読めます。
草食む〜が未読でもOK。

さて、誑かしカップルについての感想ですが。。。
攻めの感情の変化についていけずモヤモヤ( ˘•ω•˘ ).。oஇ

前半、どちらかというと受けに対して悪い感情持ってないように見えたのですが、
攻め視点に切り替わったら、受けを少し疎ましく思い、イライラをぶつけてるのが明らかになり。
なのに友達になる流れに同意し、デートみたいな休日を過ごすって…???
攻めの心の移り変わりが分からぬまま 気づけば受け溺愛キャラになってて、違和感が残りました。

ストーリー展開としてはハマれませんでしたが、萌えシチュは堪能!
お付き合い前からキスしてる関係だったり、
受けが怪我した時にせっせとお世話してる攻めの姿だったり。
好きなシチュエーションが読めたのは嬉しかったです(﹡´◡`﹡ )



2

ワンコが人誑しなのでは?

電子書籍で読了。挿絵有り。

スピンオフ作品と知らずに読みましたが、問題なく楽しめました。本筋に影響を与えないのに、意味ありげな登場人物が現れるので「ああ、関連作があるのだなぁ」と思った程度です。

千林は性悪・腹黒かなぁ……人誑しっていう感じもあんまりしない。
木原音瀬さんや丸木文華さんのお話に出てくる腹黒をイメージして読むと拍子抜けします。私的には途中から「あ、この人、タキシード仮面だ」って思いましたもの。「ちょっと捻ているスパダリ」風味です。
人誑しって言ったら野江の方がとんでもない人誑しではないかと。あと5年くらい経ったら、この子は大化けして「残りの人生ずーっとモテ期」になるんじゃないかと思います。悪い心を持っていれば「魔性の男」になれる素質があるよ、この子は。魅力的だ。

お話にドラマはきちんとありますが、章ごとに視点が入れ替わりますので、想い想われているのは割と最初の方から一貫としています。ので、ハラハラ感はあまりありません。安心して読める一冊です。

2

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