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記憶を喪った霊獣・蒼獅子×健気な妖怪先生の中華恋愛譚。
別作品ですっかり鴇六連先生のお話の虜になり、
まずはKindle Unlimitedで読める既刊を順に拝読しています。
こちらもアンリミで。
もう10年近く前に出版された御本なのですね。(2016年)
読んでいて全く「古い」という感じはせず、新鮮な気持ちで読み切りました。
夜明けの物語がお好きな方に、特におすすめのファンタジーです。
(以下ネタバレあります)
出てくるキャラクターの名前など、全てが中華風の読み方なので
慣れないとちょっと混乱するかな?;
独特の世界観もあり、決して「読みやすい」「スルスル読める!」とは
言えないのですが、一度読み始めると続きが気になって
ページをめくる手が止まらず、一気読みでした。
神レビューがないのは、なんでかな。。
自分にはとても刺さって涙も出た作品、先生への感謝の気持ちも込めて
レビューを残したいと思います。
妖魔退治に出た攻めが、受けを守って片腕を失い
喰われて亡くなるー
攻め視点での、そんな衝撃的なシーンから物語が始まります。
亡くなる直前、受けに想いを告げキスをするも
返事は聞けないまま 現し世を去ることに。
強い思いを残して魂だけが揺蕩っていたところ、
霊獣となって現し世へ戻る方法を提示された攻めは
迷わずその道を選びます。
しかし一度霊獣となれば二度と人間の姿に戻ることは叶わず、
また霊獣となった時点で記憶も失うこととなるー
そうして100年の苦痛に耐え、霊獣(蒼獅子)となった獅燎(シーリャオ)。
現世で12年、幼馴染を失った悲しみに耐えていた瑞芳(ルイファン)と
再会するも、獅燎に人間だった頃の記憶はなく、
また瑞芳も獅燎が幼馴染だった人物だとは気付かず…
と続く、人外中華ファンタジー。
これ、攻め受けどちらの立場にたっても
身を切られるような切なさがある…!( ; ; )
「俺が守る」と約束したのに命を落とした攻めの後悔、
100年という長い時をただただ一人の想い人のため、
肉体と精神の苦痛に耐えて人外となったその思い。
自分は絶対に瑞芳(ルイファン)のことを忘れたりしない!と
固く決意し信じてもいるのだけれど、それは叶わない。。
もう、書いていて思い出しながら泣けてきます。
(ちなみに、「なぜ霊獣になると記憶を失うのか?」という点も
しっかり納得・なるほど!と思う理由が提示されています。
先生の作品は、細かいところもちゃんと腹落ちできるよう
細部まで作り込まれているところが素晴らしい✨)
一方の受け・瑞芳(ルイファン)も、
自分が妖魔を見に行きたいなどと言ったばかりに
大切な人の命が失われることになってしまったショックは大きく。
二度と会えない想い人への想いに囚われ、深いトラウマに悩まされて…
思いもよらぬ形で再会し、記憶はないはずなのに
瑞芳(ルイファン)に対しては喉が鳴ったり、
本能的にその身を守ろうとする獅燎(シーリャオ)。
激しく萌えます。
だけどもちろん、人間の頃とは微妙に性格は違っている。
「妖魔が食えないなら、お前の美味そうな精をよこせ」と言って
怯える受けに対し、強引に迫り精を出させたりもするのです。
最初は「早く出ていってほしい」などと思っていた
瑞芳(ルイファン)だけれど、次第に獅燎(シーリャオ)の仕草や言葉、
態度に亡き幼馴染の面影を見るようになり…
と、執着心を剥き出しにする獅燎に徐々に徐々に惹かれ
心許していく描写がじっくりと描かれていて、とても良かった...グッときました。
シリアスな展開の中にも、攻めのことを「とうさま」と呼ぶ
ちび霊獣・桃乙(タオイー)くんがほのぼのアクセントを加えてくれていました◎
(※本当にの親子ではありません)
どうすれば記憶を取り戻すことができるのか、という方法もまた
そんな、えええ…!というもので、ハッピーエンドを信じつつも
最後までどう転ぶか分からないハラハラ・ドキドキ展開で引き付けられたー...
人外×人間、二人の寿命の差はどうなるの?
という疑問にも、ちゃんと回答が示されます。
時を超え、人間の姿形も、記憶をも失うという犠牲を払っても
会いたい人に再び出逢うために。
一途な攻めの思いにひたすら涙、胸打たれる素晴らしい
中華人外ファンタジーでした・:*+
ケモ耳、中華風、人外、鴇先生、と好き揃い。
絵師さんは初だったけど表紙のケモ耳男子に惹かれて。
冒頭、きっとこのふたりがカプなんだろうけどどう百年の恋に発展するのかと思っていたら、死んじゃった…!そして幻の霊獣になって降りてきた…!
霊獣にとって人間の精が力になるというおなじみの設定、再会してすぐヤラれちゃいますw
が徐々に蒼獅子とジュレンが重なるようになっていって…。
ルイファンの永年の夢も叶い、文句なしのハピエンです♡
人を喰らう妖魔とそれに怯える人々が暮らす中華風ファンタジー。
かなりの変化形ではあるものの幼馴染同士、かつ記憶喪失による再会ものです。
そしてどんな苦難に見舞われようとも、受けへの想いを貫き通した攻めの物語でもあります。
妖魔はあの世にいけずに彷徨ってしまった人間の成れの果てなんですね。
だから妖魔をあの世へ送ってやる方法をいつか見つけたいと願う受け。
そんな受けに「何があっても俺が守る。だからおまえは安心して妖魔を調べろ。」と言い続けてきた攻め。
お互いほのかな想いを秘めつつも、昔からそんな約束を交わしてきたもの同士です。
しかし、攻めは受けをかばって超巨大妖魔・窮奇に喰われて死んじゃうの!!
「おれだけにしとけ、これから先も。」と言う言葉と、初めて交わした唇の余韻を残して……
魂のみとなっても、何としても受けの元へ戻らなければ!と足掻く攻め。
その魂の強靭さを天女に見込まれ「100年に及ぶ試練に耐え霊獣となれ。」と言われます。
「霊獣に転生すると記憶を失うが、窮奇を討った暁には記憶を戻してやる」という条件で。
過酷すぎて通常は半日も耐えられない試練なんですよ。
それを100年間(地上時間だと10年)耐え抜いた攻め、どんだけよ……です。
そしてここから本編は、受け視点で進みます。
妖魔研究者となった受けの前へ現れた蒼獅子。
蒼獅子は記憶を無くしており、あの愛しい幼馴染であることがわからない。
受けもまさかのこの蒼獅子が攻めの転生後の姿だとは当然、わからない。
せっかく再会できたのに、つらぁ……なんです。
だけど生前の攻めを彷彿とさせる言動がチラチラ見え隠れします。
そして攻めの形見を肌身離さず大切にする受けに対して「そんな紐だけ残して消えたやつなど、忘れろ。俺にしとけ。」と言う。
そもそも霊獣になった時点で人間だった頃の記憶は全て失われたのに、それでも受けの元へやってきた。
何故なのかは書いてないけど、受けへの想いが魂に刻み込まれているとしかいえなくて。
とにかく受けへの強い強い想いが魂の核となっていて、たとえ記憶がなかったとしてもそれだけで突き動かされているといっても過言じゃないんですね。
そして受けもただ守られるだけの存在じゃないところが良かった。
蒼獅子が妖魔に成り下がってしまうかもしれないということを知り、自分を犠牲にしてでも蒼獅子を救おうとするんです。
壮大な中華ファンタジーをベースとしながら、お互いに対する想いの強さが感じられるお話で良かったです。
ただし……
キャラの名前が読めなくてイライラしました。
攻めは炬仁と書いて「ジュレン」
受けは瑞方と書いて「ルイファン」
メモ帳を用意しながら読んだけど、それでもストレスを感じて興が削がれてしまったところがとにかく残念。
あとがきによると、著者本人ですら途中で読み方忘れたとか‥‥ナイ。
都度カナを振って欲しかったです。
妖魔とは死後の魂が冥府への入り口泰山にだどりつくけず、死の苦痛に負けて堕ちてしまった人のなれの果て。
瑞芳(ルイファン)(受け)は妖魔は元が人であるということを知り、妖魔を助けるすべはないかと妖魔のことを研究していました。彼の傍にはいつも炬仁(ジュレン)という幼馴染がいて瑞芳を守ってくれていました。瑞芳が14歳の時に襲われた妖魔から瑞芳を救うため炬仁は命を落としてしまいます。
炬仁を亡くした失意の瑞芳は妖魔になった魂を泰山へ送る術をみつけるという二人の誓いを守るため、炬仁を想いながら妖魔の研究を続けています。
ある日の妖魔討伐で窮地に陥った瑞芳は霊獣の蒼獅子に助けられます。蒼獅子は瑞芳を助けるために大けがを負ってしまいます。看病する瑞芳にお腹が減ったという蒼獅子は霊獣にとって人間の血肉は霊薬だから、喰わない代わりに精をよこせと迫ります。
瑞芳は生まれ故郷を離れ、妖魔の研究をしながら私塾を開き、子供たちに勉強を教えながら畑仕事などをして生計をたてています。周りには妖魔先生と言われており、その噂は皇都にも妖魔たち果ては霊獣にまで知られています。そして、炬仁を喰らった妖魔・窮奇に餌を印を付けられておりずっと狙われています。
炬仁は、瑞芳を残したまま千年以上かけて転生することを拒み、妖魔になろうとするほど強靭な心を持った魂だったため、霊獣になるための試練を受けることを許されます。仙界で100年、人間界の10年の苦痛を耐え抜き蒼獅子になります。しかし、霊獣として生まれ落ちる時に記憶のすべてを失ってしまいます。
その為、蒼獅子・獅燎(シーリャオ)(攻め)に生まれ変わったときには瑞芳のことは覚えていません。ただただ妖魔への憎しみのみを覚えており、食べると成長を促すのもあり、苦痛を伴うのがわかっていても妖魔を退治し食べることをやめられません。記憶を取り戻すための条件は窮奇を泰山へ送ること。奇しくも二人が妖魔の魂を救おうとする誓いと同じです。
記憶を無くしていましたが、瑞芳が窮奇の餌として認識されているので囮にしようと近寄ります。
記憶を無くしている獅燎と獅燎が人型を取らないため炬仁だとは気づかない瑞芳。
お互い知らない者同士のはずなのに、惹かれあっていくのが魂レベルでつながっているからなのかなと思いました。人型になるのは背徳行為だからと変化しないので、俯瞰で見ているこちらには獅燎と炬仁が同一人物とわかるのですが、炬仁を想っている瑞芳が苦しむのが切ないです。
初めは泰山府君とか出てきていたので、晴明とか陰陽師関係の話だと思ったのですが、壮大な中華ファンタジーでした。
中華系の話は読んだことがなかったので、名前の読みになじみがなくて最後まで覚えられませんでした。頭の中で名前を呼ぶことができず、本が読みにくくなってしまいました。
また、お互い知らない人同志で想い人がいる状態で惹かれあう展開なので切なさの要素が多く、萌えは少なかったように思います。
獅燎が連れている仔蒼獅子の桃乙がかわいいです。本当の父親ではないのに獅燎を慕い、獅燎が危ない時は助けようとする姿は健気だし、なんだかんだ言って面倒見ている獅燎とは本当の親子のようでした。桃乙が成獣になったら本来の目的に旅立つので、あとほんの少しだろうけど、3人家族として仲良くたくさんの思い出を作ってほしいです。
ネタバレを気にされる方は、あらすじに目を通さずに読み始められたほうが良いかと思います。
というのもこのお話は、冒頭部が受けの幼馴染み視点(過去編)、本編か受け視点(現在編)、という書かれ方がされていまして。
そしてあらすじは本編(受け視点の現在編)の内容を基にしたもの。
なので本作のあらすじは、冒頭部(幼馴染み視点の過去編)の後の展開を思いっきり暴露してくれちゃっているんですよね……。
「あぁ、うん……あらすじに『十二年前の春に妖魔に殺されたかつての想い人が、蒼獅子になった姿が獅燎ではないかと思い始める。しかし獅燎には霊獣になる前の記憶がなくて…』って書いてあったもんね……」と。
どうなるんだろう?!みたいなわくわく感が目減りしてしまったのがもったいないなぁと思いました。
内容は、中華風ファンタジー。妖魔が跋扈する世界のお話です。
受けの幼馴染みは十二年前(冒頭部)で死んでしまうので、死ネタってことになるのかな。
亡き人を恋う受けが切なくてよかったです。
また、死んでしまう幼馴染みの方も大層かっこよくて。
守りきれなかったことへの無念、泣かせたことへの悔しさなどの負の感情がたまらなかった。
そして十二年後に出会った蒼獅子に受けは、幼馴染みを重ねるわけですが、獅子には転生前の記憶はない。
記憶喪失モノでもあります。
受けも攻めも二人ともずっと思いを貫いていて、そこがとてもよかった。
モフモフを読もうと思って選んだ一冊でしたが(モフモフももちろんありましたが)、幼馴染みの純愛を描いた作品でした。
