電子限定特典付き
一人の教師と、二人の生徒が奏でる "恋"と"欲"と"愛憎"の三重奏。
『イトウさん』で鮮烈なデビューを飾った冥花さんの新刊。電子書籍の方もちょびっと拝見はしていましたが、個人的に紙媒体が好きなのでコミックス化されると聞いて楽しみに待っていました。
内容をざっくりと。すみません、ネタバレしてます。
主人公は名門私立高校の音楽教師・貞木先生。
寡黙で表情をあまり顔に出さないこともあり、生徒たちからは疎まれがちな教師です。
そんな貞木先生は、「学園の王子様」と呼ばれ友達からも人気のある大河内くんに秘めた恋をしています。
そのことを「情報屋」の異名を持つショウに知られ、黙っている代わりにセックスするよう強要され…。
というお話。
ありきたりな設定だな、というのが読み始めたときの正直な感想。
教師として正しくありたいと願い続けてきた貞木先生。
そしてそんな貞木先生を疎ましく思い、興味本位で近づくショウ。
良家の子息であり、公私ともに常にトップに立つことを強要されてきた大河内くん。
良くある設定だからこそ、そこから描かれるストーリーだったり、それぞれの登場人物たちのバックボーンだったり、そういう細やかなところで萌えるか否か変わってくると思うのだけれど、さすが冥花さんというべきか、少しずつ見えてくる彼らの孤独やお互いを想う気持ちにぐっと惹きつけられました。
貞木先生がね、華がないんですよ。
性格もビジュアルもすんごく地味なんです。
でも、というべきか、だから、というべきか。そこから見えてくる貞木先生の誠実さや彼が追い求める理想の教師像が、なんとも良い。
ショウの嗜虐心をわざと煽ってるだろ!というくらいネガティブなのもとても良い。騙され、取り込まれたのは貞木先生じゃなくてショウの方じゃなかったのかな、と思うのです。
で、そのショウも。
人の弱みを探し回り、つけ込み、嬲る。
褐色の肌に口元にあるほくろ。常に開いているシャツの胸元。
「ブラック」をまさに体現しているような青年でありながら、ちょっとずつ見えてくる彼の過去やバックボーンがなんとも哀れで哀しかった。
そんな彼をまるっと受け止めてくれたのが貞木先生で。
はじめはレイプまがいの行為から始まる彼らですが、少しずつ寄り添っていく彼らの気持ちの変遷に激萌えしました。
そして、このお話は3Pもの。
ショウ×貞木先生、の関係に、大河内くんが混ざってくる。
何不自由なく生きてきた彼、のように見えて、実は孤独を抱えている彼が求めたのも、ショウと同じく貞木先生。
まだ高校生という年齢らしく、青く、若く、もどかしいまでの彼らのこじれ具合がすんごい良かった…。
見た目も性格も地味な貞木先生ですが、3人の想いが通じ合った後の濡れ場の時。
すんごい色っぽい。
二人の男に愛され、愛し、華が咲いた、っていう感じ。
事が終わった後でショウに「どっちが良かった?」と問われ、
「二人とも… 最高でしたよ…」
とこたえる気怠い色気をまとった先生が素敵でした。
最後に彼らが選択した結末は。
大衆受けを考えればこういう結末が一番なんだろうけど。
でもでも、冥花さんならではのブラックでノアールなバッドエンドでもよかったんじゃないのかなあ…。
というか、私はそういう結末が読みたかった。個人的な意見だけど。
けれど、冥花さんらしい病んだ感じは健在で、思いがけず純愛な彼ら。そして三人の気持ちの変遷も丁寧に描かれていて読みごたえがありました。
表紙もとっても良かった。
読み終えてから見直すと、その奥深さがよくわかります。
で、ショウの褐色の肌が生きてるな、と。
『イトウさん』がとっても良かっただけに、その後の作品に対する期待度も上がってしまう分読み手もシビアになりがちだと思いますが、この作品も文句なく神作品でした。
不良の情報屋と、優等生の学園の王子様、二人の間で翻弄される真面目な音楽教師の貞木。
三人の恋の行き着く先は…。
表紙イラストからしてお察しの通りの、薄幸系年上受けの三角関係学園ストーリー。
卒業後のおまけもちょっとあるよ!なコミックス。
先生を、正反対のタイプの生徒が奪い合う三角関係の学園物って、古典中の古典の王道設定なだけに、作者さんの個性が際立つといか、「冥花すゐ」っていうペンネームがすごくしっくりくるような、薄暗いお話だった。
結局、三人は、三人ともに、この関係から逃れられなかったけど、望んで、選んだ結末だから、幸せなんでしょうね。
タイトルから分かるように、学園を舞台にした三角関係のお話です。表紙とタイトルに惹かれ、試し読みもして、すごく好みだと思い購入しました。期待が大きかったせいか、その分ちょっと残念でした…。
まず「学園の王子様」とか「情報屋」と言う呼び方が今の時代には合わないと思いました。また、仕方がないとは思いますが、序盤の登場人物のセリフが説明的で違和感がありました。
せっかくの三角関係なので三人の登場人物の描写をバランス良くして欲しかったです。私の感想ですが、ショウの印象が強く残り、大河内と貞木はほぼ空気に感じてしまいました。
攻め二人と結ばれる終わり方は嫌いではないんですが、この作品の場合、ショウの印象が強かったせいか、貞木がショウにほだされて、ショウ×貞木で終わった方がしっくりきたような気がします…。
ですが、すごく綺麗な絵柄と迫力のある3Pシーンが見れて良かったです。なので中間の【萌】にさせて頂きました。
『三角オペラ』というタイトルから想像はしていましたが、
やはり三角関係のお話でした。
常に正しくあろうとする音楽教師・貞木をめぐる
男子高校生・山口と大河内。
タイプの全く違う2人が同じ人を好きになります。
自由奔放な山口と王子である大河内。
2人とも先生を好きになりましたが、
その理由は全く別のものだったと思います。
先生が本当はどちらを好きなのか分かりませんが、
単純に大河内は家を捨てられないんだろうなと思います。
もし山口がずっと先生を好きでいる事ができたらその時は……
そうなんじゃないかな……と思います。
ハッキリしない関係にモヤモヤする部分もありますが、
これが先生のあるがままの姿であり愛し方なんですよね。
だって、恋ってキレイなものじゃないから……
冥花すゐ先生の既刊作品は拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。
個人的、各項目5段階で
執着 4
仄暗い 3
エロ 3
複数プレイ 2
な感じだと思います。
大河内くん、山口くん×貞木先生の三角関係です。
真面目な音楽教師の貞木先生は、学園の王子様と呼ばれる大河内くんに片想いしていた。しかしそのことを学園内で情報屋をしている不良の山口くんにバレてしまい…。
真面目で儚げな貞木先生が、無理矢理されたり、山口くんの命令に従ったりする姿が少し不憫だけど背徳的でとてもエロいです。
貞木先生に対して、情報を掴み無理矢理身体を繋げる山口くん。だけど徐々に貞木先生への執着が愛着に変わっていくのにニヤニヤしました。個人的に、山口くんの一人称がボクなのが萌えます。
優等生な大河内くんが、山口くんと貞木先生の絡みを見せ付けられてから心が掻き乱されて、貞木先生への純粋な想いが徐々に歪んだ執着に変わっていくのがゾクゾクして堪らなかったです。
貞木先生が2人を受け入れるので、3P描写もありますが、大河内くんと山口くんがお互いを嫌っているからか、それぞれが貞木先生と絡んでいる描写の方が多いと思います。
だからそこ、3Pカプと言うより三角関係カプって感じが歪さがあって個人的に好きなので、是非とも読んでほしいです。