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表紙はシリアスっぽいですが、中身は結構ギャグっぽいテイストのラブストーリーでした。
医者をしているゲイの日野。ふられてばかりの日野ですが、そのぼやきを、いつもよき同僚があきれつつも聞いてくれる。
そんなとき、いつものゲイバーで、見たこともない超絶好みの男性がたそがれていた。。
その男性、渋谷はゲイではないのですが、傷心でやけ酒したところをお持ちか選って、酔った勢いで。。というよくある展開。
日野の方はすっかりメロメロですが、今までのように軽いつきあいではなく、どうしたら仲良くなれるかと、初めて乙女のようにあれこれ悩みます。
一方渋谷はノンケなので、なかなか2人の仲は進みませんが、控えめにアプローチしてくる日野にだんだん絆され。。
同僚がとてもいい味なので、この方でスピンオフをぜひ。
不破さんの作品は、初めて読ませていただきました。
とても良かったです。
幸せな気持ちにさせていただき、ありがとうございました。
笑いヒツジと泣きオオカミ…ヒツジが日野でオオカミが渋谷ですよね。
違う種族同士は一緒にいられないという例えなのでしょうか?
ただこの作品を読みながら思い浮かべたのは、『あらしのよるに』です。
オオカミとヒツジが種族の違い、狩るものと狩られるものという壁を超えて友情を育んでいくお話…。
今作も、ノンケでバツイチの渋谷とゲイの日野…交わらなさそうな2人が、ゆっくり気持ちを育てていく。
2人の気持ちが丁寧に描かれていたからこそ、感情移入して読むことができました。
恋人として付き合いだした2人ですが、日野のウザさ爆発しそうですよね。
それでも、渋谷なら受け止めてくれるのでしょう。
あと、渋谷の妹のSNSの書き込みにうるっときました。
そして、何もないことが幸せ…ただ愛しい人と一緒に居られることが幸せ…という日野の思いで終わるラストには感動しました。
愛を知らない男が、愛を失った男に、恋をした。
異議あり!
日野は愛を知らないんじゃなくて、愛を受け入れてもらえない男だと思います。
恋愛サイクルが短いのは日野が重すぎて振られてしまうからで、次に行くペースが早いのは自分の愛を受け入れてくれる相手にすぐにでも巡り会いたいからだよなあ。
途中で「こういうのが初恋?」って本人も言ってたものの、それまでも適当に遊んでたようには思えないんだよなあ。遊び人臭が一切しないし、遊びなら束縛しないと思うんだけど…。
最初の数ページの紹介で、「このひとの理想とする恋愛(尽くす系束縛タイプ)って男女間ではわりと普通にあるよなあ。ノンケなら叶えてくれそうだよね」と思いました。
ほんとに乙女思考でかわいいです、日野。
そこに優男っぽい見た目も相まって、絶対に元から受けだと思ってました(・_・;
まさかこれまではタチだったとは。
それにしても最初から最後まで、ほんっとうに可愛いんです、日野が。
完全に恋する乙女なんですよね。
日野と一緒に渋谷に恋をして、気持ちが近付いた気がすると嬉しくなって、手を握られたらどきどきして、自分の存在が相手の邪魔になると思って身を引いたときの張り裂けそうな想いとか、久々に恋の始まりから実るまでを疑似体験できました。
運命という言葉で片付けるのは好きではないのです。
亡くなった奥さんと同じ名前、人見知りのぼんちゃんが初見で懐く、奥さんの死因と無関係ではない職業。
いろんなキーワードが運命と結びつけたがるけど、最終的に渋谷の気持ちを動かしたのは日野の人柄で、運命的な出会いは単なるきっかけ。
そんな陳腐な言葉で片付けていいような覚悟や結びつきではないのですよ!
鼻息荒くなってしまいましたが、本当に良い作品でした。
萌2評価ですが、ほぼ神評価寄りの萌2ということで。
あらすじに書いてある通り、
「愛を知らない男が、愛を失った男に、恋をした」
その一文がこの作品を表しています。
ビッチなタチだったはずの日野先生が、本気で恋に堕ちた途端、恋するオトメンになっているところが可愛くもあり、ちょっと気持ち悪かったです(笑)。タイトルの解釈は色々あると思いますが、私は渋谷さんに恋するあまり攻めから受けへ宗旨変えまでした日野先生が『泣きおおかみ』の方が、しっくりくる印象を受けました。おおかみさんに捕まってしまった心優しいヒツジさんはちょっと不憫ですが、結果、笑顔を取り戻せたのだから、それで良かったのだと思います!
ノンケの弁護士渋谷さんは、よく言えば真面目ですがアラフィフの私から見たらちょろっ!いくらお酒に酔っていたとは言え、まさぐってたらついてるでしょー。しかも、その辺に顔を持ってきてるんだから、そこの凹凸の差は感じてください。
そして、襲い受けの医者日野さん。ゲイで産婦人科って、私的にはとっても安心して見てもらえる。って、そんなこと言ったら普通の産婦人科の先生に失礼ですが、産めないからその喜びを少しでも感じたいとかかなぁと思ったら、タイプの医者がいたからだって。ちょっと、こちらも頭がいいわりにチャラいです。
チョロい狼さんとチャラい羊さんのお話、全体的にはだんだん甘くなっていくのでニヤけてしまいつつも、所々で切ないシーンも。特にその後のお話で渋谷さんの妹さんがSNSで呟いている話にジーンと来ちゃいました。