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他の方が、詳しくネタバレしているので感想だけ。
ゾクゾクしながら、楽しく読めました。
タイトルが、「本能」・・・
仄暗い、主人公達の黒い闇の部分だけを抜き切って書かれているので、背徳感が半端なかった。
重めだけど、痛くて辛くなるような所までは行ってなかったので、続きを考えたら、ハッピーエンドも想像できたかな。
最後の、ドランク✕ドランクは〜大爆笑した!
なにこの、おバカな2人は(笑)これ系は、大好物だわ。
初の作家さんでしたが、面白かったです。
次回作も、楽しみにしています。
短話7編。
プリミティブ(素朴、幼稚)な感情って裏表紙にも記載があるように
動物的な素朴さ幼稚さ?痛々しいけど繊細さもあり
どのお話もほの暗くてあと引く。面白かったです。
絵も好みなので世界観に惹きこまれました。
『すごいネコの匂いするね』ってグサッときました。
イタイ、病んでる、変態、囲って逃げ場なくしてく系でぞわぞわ。
最後の1編はちょっと雰囲気が変わって、
おバカで可愛くて、うぅってなってた気分も回復!
好きが重くて不器用で皆、可愛い(よく言えば)
『ドランク×ドランク』みたいな実はバカップルだろ!
みたいのはもちろん、不良の先輩に取り込まれちゃう『堕ちる穴』、
イケてないと思ってるのは自分だけな『ネスト』も良い…
人は選ぶかもしれませんが、病んでるのも癖があるのも好きにはグッとくる、
「本能」ってタイトルがぴったりな作品集でした。
病んでるものが多い、短編集。
同級生へのいたずらを見逃す代わりに体を要求する教師の話、明るい人気者を振り向かせたいために隠れて陰湿ないじめを行い、フォローする高校生の話など、犯罪までは行かなくとも社会的に考えてひどい行為が描かれており、よい気持ちがしませんでした。
幼なじみが社長と社員となり、隠れたSM関係にあるものは、まだよかったです。誰に迷惑をかけるでもなく本人たちがお互いを必要としているわけですし。こちらは巻末に出会い編があります。
あとは、気になったコンビニ店員を徹底的にいじめるヤンキーの話。
最後は、酔った勢いで致してしまうけど全く記憶がない二人の話。スマホに行為の動画が残っているのですが、酔った勢いのはずなのに録画するとか、起きたらそれすら忘れるというのがちょっとアンリアリスティック。
でもかわいいお話なので、この単行本の中では楽しめる方のお話です。
一つひとつの作品がかなり短いので、いくつかもうちょっと長く読みたいなぁと思ったものもあったのですが、あらすじにある通り衝動的だったり若さが目立ったりするような作品ばかりでとても読み応えがありました。テーマこそ共通しているものの、ストーリー展開は作品によってまったく異なるので、飽きることなく読み進められると思います。個人的にすごく萌える!というものから、まったくハマらないというものまで振れ幅が大きかったので萌評価にしましたが、お気に入りの作品は本当にオススメです。好きな作品をピックアップしてレビューします。
◆堕ちる穴
ピアスがたくさん開いている先輩と知り合ったぼっちの受けは、友達になってもらうことと引き換えに自分もピアスを開けられます。痛がる後輩を見て興奮する先輩と、痛いのは嫌だと言いつつも初めて友達になってくれた相手を拒めない受けが痛ましくもあり可愛らしくもあり。受けの善良なクラスメイトが何度か止めようとして失敗するのも、救いようのない感じが増して良かったです。
◆ネスト
オタク同士2人だけでつるんでいたつもりのシュウですが、片割れのざっきーが合コンに誘われたことに愕然とします。彼にも友達はいないと思っていたら、本当に孤独なのは自分だけだった。でも、実際にはいざ他の人と話す機会があると、シュウは自覚がないのですが意外と相手に面白いと思ってもらえることが多く、本来は友達のできやすい性格なんです。それに気付いていたざっきーは、今までずっとシュウが孤独になるよう仕向けていたんですね。こういったダークな執着を見せてくれる攻めは大好きです。
◆ドランク×ドランク
飲んで起きたら隣に苦手な奴がいて2人とも裸で記憶がないことに焦る受けですが、ばっちり行為を録画されていて、それを攻めと一緒に観る羽目になりショックを受けます。しかし、動画に映った自分を可愛いと言われちょっと相手を意識してしまいます。そんな折にもう一度2人で飲むことになり、煽られた受けは飲み勝負に乗って再び冒頭と同じ有り様に。また撮っていたらしい動画を見返すと、情事中に攻めに好きと言われ、自分も好きだと返している受けが。お酒を飲んで緩んでいる時にだけ素直になる受けがとっても可愛かったです。
全体的にものすごくタイプのお話でした。
登場人物の名前が明記されていないお話もあり、ミステリアスな感じが演出されていて良かったです。
中でも気に入ったものをいくつか、レビューします。
「本能」
とりあえず暗かったです。(褒めてる)しかも、とても好みの暗さでした。
子供嫌いな教師が、ある日いけ好かない生徒の弱みを握り体の関係を持ち始める、といった内容。
受けの須田くんはツンツンツンデレで、泣き顔も行為中の顔もとにかくかわいかったです。くちびるがぷるぷるなところも推せますね。とても背徳的で素敵でした。
あと攻めの顔が、どことなく某歌のおにいさん漫画()の主人公っぽくて個人的にド性癖でした・・・。
「彼は知らない」
大人しい陰キャラくんがクラスの人気者に恋するお話。好きなのに、じゃなくて好き「だから」、普通のことじゃダメなんでしょうね。他人から見れば嫌がらせでも、彼なりのアプローチなんでしょう。
受けくんが困っているのを見て、陰キャラくんの「嫌ってるとも限らないよ」という台詞でああ、そういうことか〜と気づきました。これくらいじゃ気づかない受けくん、おバカでちょろかわいいですね(笑)後味悪く終わりました。
「堕ちる穴」
ピアス穴と意味が掛かっていて、オシャレなタイトルです。不良な先輩×コミュ障後輩。友だちができなくて、教室で馴染めないところ階段でぼっち同士仲良くしようぜ、と声を掛けられます。危険な香りはしますが、色気のある先輩で惹かれてしまうのも分かります。しかもセンタータンも開けてるんですよ、反則すぎ・・・。耳にピアスを開けるシーンは見ているだけで痛くて、大変素敵でした。
ただ、後輩のクラスメイトが思いを寄せていそうだったのが少し切なかったですね。いい人すぎて損するタイプ。
もしこちらとくっついていたら、確実にまた違うエンドだったと思います。
「ドランク×ドランク」
ギャグのセンスもあるとは・・・。酔った勢いでヤってしまい、しかもそれを動画に撮っていた、という何ともアホかわいいお話(笑)攻めの「俺別になにもなかったと思うけどなぁ〜」と言うところのとぼけ顔がツボです。あんな目の描き方もされるんですね。しかも2回目は、お互い大告白大会(?)が開催されていてものすごく笑ってしまいました。幸せになってほしい2人です。
と、ここまでダラダラ書き連ねてきましたが短編集としてとても楽しんで読むことができました。絵柄も綺麗でお話もしっかりされているので今後も期待しています。