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表題作逢いては染まり

津雲央治
派遣キャスト、23歳
倉科恂
人気アナウンサー、29歳

同時収録作品ほたる

津雲央治
勉強中・24or25歳
倉科恂
人気アナウンサー・30or31歳

あらすじ

人気アナウンサー・倉科恂のストレス発散方法は、
極秘会員制クラブで男を買い、セックスをすること。
優しい愛撫なんかいらない、ひどく抱いてほしい――。
過去のトラウマから、倉科は乱暴なセックスで精神の安定を保っていた。
その危うい秘密はクラブ内で長く守られていたが、
ある夜の相手・津雲が仕事帰りの倉科の前に現れる。
それから、6歳年下の粗野な男は、ベッドの上でもプライベートでも倉科を翻弄し…!

作品情報

作品名
逢いては染まり
著者
沙野風結子 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796410038
3.8

(53)

(17)

萌々

(19)

(12)

中立

(3)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
9
得点
200
評価数
53
平均
3.8 / 5
神率
32.1%

レビュー投稿数9

表紙がいい仕事をしてます!

沙野先生祭り開催中です。
仕事が忙しすぎて致し方なく積んでいた黒帝を
今朝、ようやく読み終えて猛烈に感動、
沙野ワールドにもっと浸るため、
電子の方で新刊として出ていたこちらを読みました。

ところで!電子化遅くないですか?!
ジャンル的にも表紙の絵的にも家族の目的にも
紙の本では集め続けるには難しいBL本、
電子化をどんどん進めていただきたいところです。
出版社さーーん、聞こえてますかーーー?

話を戻します。
作家名だけで中身の確認もせずに購入したこちら。
年下ワンコ攻めでしたが、最の高。
最初は傍若無人なのにどんどん健気になってきゅんきゅんしました。
チャラいイケメンが甲斐甲斐しいとか…。ああ、かわいい…

沙野作品はハズレなしで今回もよかったという結論なのですが、
今回、声を大にして叫びたいのは笠井先生のお仕事です。

特に表紙!
登場人物の関係性を端的に表しているのですが、
読後しばらくじっくりうっとり眺めてみて、
あれ?ちょっと違和感?

顔の見えない男性とその膝に身を投げ出す男性、
そして彼に後ろから抱きつく男性。
違和感を感じたのは顔が見えない男性の服装なのですが、
中の描写とイメージが違うなぁと。

…いやいや!
私たちの偉大な笠井先生がそんな愚を犯すはずはありませんでした!
私が勘違いをしていただけで表紙には4人の男性がいたのです。
そして感動…。私にとって小説の挿絵はお話自体の魅力と直結しており、
文章上の描写と挿絵に乖離があると(体勢とか服装とか小物とか)
それだけで萎えてしまうという残念な性癖があるので、
フィットしてると満足感もひとしお。(個人的)

さらに!
こちらの作品では珍しく笠井先生の「あとがき」として
二人のアフターストーリー的ないちゃいちゃシーンが!
眼福過ぎるので、皆さまも是非お楽しみください。

萌え2と迷ったのですが、
上記のイラストと最後のほのぼのSSで超ほっこりしたので、神で。
沙野先生といえばダークさや切なさ、エロさで定評がある先生ですが、
ほっこりは珍しいのではないでしょうか?

ちなみにいまだ沙野エッセンスが足らないので
アカサギあたりを拝読しようと思います。
黒帝の前は囲い人だったから、
現代路線にシフトチェンジです。(個人的)

10

可愛すぎてたまらない

沙野先生に笠井先生、なんて豪華なセットなの〰っ、迷いもなく即、購入。

年上美人受に、男前でガタイがよくて、バワーをもて余してる甘えたのやんちゃな若造って最高の組み合わせ…さらに受けが病んでるって、もぅ人物設定だけで悶えました(笑)

自分のせいで死んでしまった恋人に縛られ苦しむ倉科の上手に死ぬための治療は「自傷行為」
その治療方法は、クスリの効果で窮極のマグロ状態となり顔も知らない人間と真っ暗闇の中で死姦のようなセックスすること。

確かに不気味すぎて相手をする方は立つものも立たなくなるわなぁ…って津雲に同情しながらも、相手の素性がわかってからの闇の中での絡みでは、視覚以外の感覚をフル稼働して相手の小さな反応さえ逃さずに興奮する姿はなかなかエロくて…にやにやしました。

不覚にも対面し、会話し、さらに月明かりがほのかに差し込む和室で感覚が戻りつつある状態での絡みは、ちょっとずつ進展っていうのがエロを掻き立てられ悶絶…。

体だけでなく相手を少しずつ知ることで「心」も、モノ対モノから、相手の一部、そして相手自身と変化していく様がドキドキさせされました。

そして、津雲の変化がたまりません…きゅん〰っ
倉科を振り向かせようと躍起になっている姿はかわいいし、寒い中、鼻を赤くして待ち続ける姿はいじらしいし、相手を支えられるような精神的に大人になろうとする姿は胸を打つし、そして何より「ただいま」「おかえり」とか男前がやっちゃうところは反則でしょう、あんた歳いくつよ〰っ、かわいすぎる(悶絶)そりゃあ固く心を閉ざした倉科だって緩んじゃうよねぇ~うんうん。

一方、津雲の恋敵となる泰樹の身代わりをしている数視は、恋心があって恋人になったのかと思いきや、ただの大切な友人って…。友人にそこまでやるのは過剰では…?と失笑してしまいましたが、倉科が泰樹と決別し、津雲と再出発するためにはこの3人の葛藤は必要で、3Pはその為の儀式のようでした。

最愛の人を失って、人として生きていることを放棄していた倉科だからこそ、今度は津雲のぬくもりを目一杯の感じながら、明るい道を歩いて欲しいと思います。

加えて、柏林先生、いいなぁ~好きだわぁ。
如月さんへの「おしおき」どんなのなんだろう?この二人の関係、気になる〰っ、続編出ないかな~。

6

複雑で面白い

特殊性癖!?と思いきや、ギリギリで精神を保つ倉科の危うさにドキドキ。そこに踏み込んでくる津雲が健気に時にグイグイ押してくんだけど、拗れに拗れた倉科はなかなか…第三者も現れて本当にどうなるかと…。

津雲に惹かれたらいけないと頑なな倉科が、他の男に中出しされたのを見せつけて、津雲がボロボロ泣いちゃうとこ。そこまでしないといけないほど惚れとるやん!!津雲の想いが強くて良かったよ、本当に。

倉科が生きる力を取り戻したのが熱かった!

おまけの貴重ないちゃいちゃイラストとSSがほんっとに素晴らしくってホコホコしました。

2

他のどこにも無い物語…

最初の数ページを読んだ時とその後でこんなに印象が変わる小説ってあるんだ…
読者を驚かせる作家さんですね。

あまりにストーリーのインパクトの強さに頭がガーンとしました。
よくこんな話が思い浮かぶな…と。
確実に人を選ぶ作品です。ダークサイドな話は引き込まれますね。

最近恋人◯ネタは目にする事が多いですが、沙野先生の手にかかると、他のどこにも無い物語になるからすごいなー。
しかも何だかんだで収拾がつくのがまた不思議で。
どんな最後になるか予想もつかず、ドキドキしながら読み進めました。

沙野先生はプロットを練られてからスタートというより、BL裏お題から構想を広げて小説を描かれるそうです。それでも物語として整合性があるからからすごいなー。
王道があまり好きでない人には、もってこいの作品でないでしょうか。
 
アナウンサーという職業から、某有名小説が一瞬ちらついたのですが、
心配無用でしたね。
読み進めるにつれ、タイトルの意味がわかってきてジーンときました。ネタバレ厳禁の作品なので、未読の人は気をつけて下さい。

 某BL映画を観た後にこの小説を読み出しました。主人公恂の彼なりの愛する人の昇華の仕方の方向性が違いすぎて、何とも言えない気持ちになりました。
どちらもまっすぐな気持ちなんだけど…
傍からみると滑稽に見えて痛々しくても、当事者には真剣なんだな。
恂のあやうさは嫌いじゃないです。

物語もわかったような、わからないような、白昼夢を見たような…。
いつまでも咀嚼を続けないと本当の味がわからないような難しい感触でした。これがこの小説の醍醐味かも。過激な内容ながら、相変わらず気品のある文章に言葉のつなぎ方が柔らかく。

昔の某アニメの「いつまでも◯◯◯◯◯を想うのは病んだ人がすることです」という台詞を思い出しました。闇の中の一筋の光である津雲の存在が良かったです。
彼も闇の中を生きてきたけれど。
津雲との一歩は、恂が生きる上で健全なことなんだな。少し寂しい気もしましたが。

登場人物の一人一人の生き方があやうく、流されて行きがちなこの小説の人物の中で、ただ一人フィクサー(黒幕?)である柏林の生き様が強烈でした。
彼の手のひらで登場人物達は転がされていたのか??彼の真意は??
それでも彼なりに津雲に執着していたというところはグッときました。
常人にはわからない愛情だ。
柏林の物語をスピンオフで読みたいと思ってしまった。
読むのは怖い気がするけれど…。

この物語を暗示している表紙も素晴らしいですね!見入ってしまいます。

1

ストーリーも良いが、表紙が特に良い。

沙野さんに笠井さんのタッグという事であらすじも確認せずに購入。ネタバレ含んでいます。苦手な方はご注意を。






主人公はアナウンサーの恂。
アナウンサーとして人気上昇中の彼ですが、そんな恂には人には言えない秘密が。
それは自ら薬で意識をもうろうとさせて、身体も動かせない状態で、暗闇の中で買った男に乱暴に抱かれていること。

序盤は恂視点で話が進みますが、なぜ彼がそんなことをしているのかまったくわからない。

そしてもう一人の主人公は、恂が買う、極秘会員制のクラブで男娼として働く津雲。
恂がいつも指名していた男が退職し、その男の代わりにやってきたのが津雲ですが、薬のせいで話もせず動きもせず、そんな恂にtnkが反応せず「役立たずは帰れ」と言われる。それが彼らの出会い。

暗闇の中で聞こえた声に聞き覚えがあり、一旦は恂の元を去る津雲ですが、正体を確かめたくなり戻った彼が目にしたのは人気アナウンサーの倉科恂で…。

というお話。

会員制のクラブという秘密を順守すべきスタッフである津雲が、よりにもよって自分を買った男を確認しに戻る、というのがちょっと萎え萎えで、最後まで読み切れるかなあと危惧しながら読み始めました。

でも、彼のその行動的な性格が、このストーリーに大きくかかわっていました。

恂が、そういったアブノーマルなセックスをしている理由。
彼の孤独と懺悔心。
所々で出てくる「泰樹」という男性の名前。

そのあたりを軸に、恂の過去のトラウマや、そこに起因している現在の自暴自棄な態度が徐々に見えてきます。

「泰樹」という男性は、恂の過去の回想でしか出てこない。
なのに、彼がどれだけ恂を愛していたのか、そして優しい人だったのか。
恂もまた、彼を深く愛し、彼の存在が恂のすべてだったこと。
そういったものが読み取れる。

だからこそ、恂の悲しみや懺悔心が胸に迫る。

孤独で病んだ恂の心を開いたのは、アクティブで前向きな津雲。
津雲の行動力に、徐々に恂が飲み込まれていく様はちょっと爽快。

泰樹、そして数視。津雲。
恂と関わった男たち、みんなそれぞれタイプも異なり恂に向ける愛情の質も違う。けれど、恂を大切に思う気持ちは全員一緒で、彼らのおかげで恂が立ち直っていく様に激萌えしました。

数視がこれまたいい味出してます。
もしかして3Pもの…?と思いながら読んでいましたが、そういった流れにはならない。彼の恂に対する想いが恋愛感情ではなかったところがとても良かった。

そして、表紙とタイトルがこれまたなんとも素敵だな、と。

顔の見えない、喪服を着ている男性。
その男性にしがみつく恂。
そしてその恂を後ろから支える津雲。
彼らの服装や、表情(喪服の男性の表情が見えないところも含めて)、構図。この物語の内容を端的に表していました。
さすがだぜ、笠井先生…。

あとあと忘れちゃいけない柏林センセ。津雲が所属する会員制クラブのオーナー。
病んでるなあ…。でも、本人にその自覚はないんでしょう。それがまた怖かった。彼の存在が、沙野さんらしいブラックな雰囲気をより一層醸し出していたように思います。

本編通してシリアスな雰囲気満載ですが、最後の笠井さん描き下ろしの「おこたでラブラブまったり」のシーン(沙野さんリクエスト絵らしいです)と、沙野さん書き下ろしの「ほたる」がとっても可愛らしかった。

幸せを手に入れた彼らに、これから幸多き人生であることを願って。

4

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