イラスト入り
最初の数ページを読んだ時とその後でこんなに印象が変わる小説ってあるんだ…
読者を驚かせる作家さんですね。
あまりにストーリーのインパクトの強さに頭がガーンとしました。
よくこんな話が思い浮かぶな…と。
確実に人を選ぶ作品です。ダークサイドな話は引き込まれますね。
最近恋人◯ネタは目にする事が多いですが、沙野先生の手にかかると、他のどこにも無い物語になるからすごいなー。
しかも何だかんだで収拾がつくのがまた不思議で。
どんな最後になるか予想もつかず、ドキドキしながら読み進めました。
沙野先生はプロットを練られてからスタートというより、BL裏お題から構想を広げて小説を描かれるそうです。それでも物語として整合性があるからからすごいなー。
王道があまり好きでない人には、もってこいの作品でないでしょうか。
アナウンサーという職業から、某有名小説が一瞬ちらついたのですが、
心配無用でしたね。
読み進めるにつれ、タイトルの意味がわかってきてジーンときました。ネタバレ厳禁の作品なので、未読の人は気をつけて下さい。
某BL映画を観た後にこの小説を読み出しました。主人公恂の彼なりの愛する人の昇華の仕方の方向性が違いすぎて、何とも言えない気持ちになりました。
どちらもまっすぐな気持ちなんだけど…
傍からみると滑稽に見えて痛々しくても、当事者には真剣なんだな。
恂のあやうさは嫌いじゃないです。
物語もわかったような、わからないような、白昼夢を見たような…。
いつまでも咀嚼を続けないと本当の味がわからないような難しい感触でした。これがこの小説の醍醐味かも。過激な内容ながら、相変わらず気品のある文章に言葉のつなぎ方が柔らかく。
昔の某アニメの「いつまでも◯◯◯◯◯を想うのは病んだ人がすることです」という台詞を思い出しました。闇の中の一筋の光である津雲の存在が良かったです。
彼も闇の中を生きてきたけれど。
津雲との一歩は、恂が生きる上で健全なことなんだな。少し寂しい気もしましたが。
登場人物の一人一人の生き方があやうく、流されて行きがちなこの小説の人物の中で、ただ一人フィクサー(黒幕?)である柏林の生き様が強烈でした。
彼の手のひらで登場人物達は転がされていたのか??彼の真意は??
それでも彼なりに津雲に執着していたというところはグッときました。
常人にはわからない愛情だ。
柏林の物語をスピンオフで読みたいと思ってしまった。
読むのは怖い気がするけれど…。
この物語を暗示している表紙も素晴らしいですね!見入ってしまいます。
特殊性癖!?と思いきや、ギリギリで精神を保つ倉科の危うさにドキドキ。そこに踏み込んでくる津雲が健気に時にグイグイ押してくんだけど、拗れに拗れた倉科はなかなか…第三者も現れて本当にどうなるかと…。
津雲に惹かれたらいけないと頑なな倉科が、他の男に中出しされたのを見せつけて、津雲がボロボロ泣いちゃうとこ。そこまでしないといけないほど惚れとるやん!!津雲の想いが強くて良かったよ、本当に。
倉科が生きる力を取り戻したのが熱かった!
おまけの貴重ないちゃいちゃイラストとSSがほんっとに素晴らしくってホコホコしました。
…面白かった。
常に想像を超えた展開で楽しませてくれる作家さんですが、この作品も例に漏れず。
何がすごいって、常識を覆す世界観にも関わらず読者を置いてきぼりにしないこと、むしろ納得させて知らぬ間に酔わせちゃう所ですね。
はっきり言って設定はめちゃくちゃです。
人気アナウンサー倉科はプライベートでは秘密クラブで男を買い、真っ暗闇&昏睡寸前状態のセックスで身体をリセットしながらどうにか生きながらえている。
裏事情でクラブキャストをしている津雲は最初こそ気乗りしなかった倉科とのセックスに次第にハマっていき、やがて倉科の心に触れたいと執着をみせるようになるが…彼の心は死んだ恋人、泰樹に捕らわれたままだった。津雲が近づこうとするほどに倉科の心は揺らぎ不安定化していく。いよいよ自分を保てなくなった倉科はかつての恋人の弟、数視を通して泰樹に抱かれ、それを津雲に見せつけることで彼を遠ざけようとするが…
すごくないですか?ん?どういうこと?というポイントがありすぎませんか??
でもちゃんとストーリーとして機能しているんですよ。
倉科のぼろぼろメンタル
津雲の子供じみた執着
数視の常軌を逸した親友への救いの手
柏林の牛耳る裏組織
どれをとってもヤバい…キテる…と思わせる人たちなんですが、
だれか一人だけがヤバいわけじゃないので不思議とバランスが取れているんです。
ヤバさの中に浮彫りになる人間の業がすごい。
剥いて剥いて芯になったところに見えたその人の本当の姿は他人から見れば奇妙でエグみもあるのですが、一方でそれに心奪われ虜になる者もいる。
そういうコアな関係性を見るのに、この突飛な設定は必要不可欠でした。
そして物語を通しての人間の成長幅がすごいですね。
津雲くんは倉科さんとの出会いで新しい気持ちに気づき、どんどん強く逞しくなっていきます。
元キャラはドライな津雲くんが、倉科さんに対しては結構甘々な態度なんですよ。
倉科さんだからそうしたくなっちゃた!倉科さん以外にはこんな風にならない!というこんなの初めて感がにじみ出ていて年下執着愛を感じます。粗削りながらスパダリへの成長期を覗いている感じでした。
倉科さんは、最後の方まで大丈夫かな?死なないよね??と心配になるくらいメンタルに重症を負っていますが、津雲くんが壁を壊して前のめりに来てくれたおかげでやっと人間として再起動しました。過去に区切りをつけることができました。
まさしく浄化だなと…純粋に感動しました。
二人がやっとスタートできる、その瞬間までを見届けたんだなーという良い読後感。
小説なのに最後の二人の目の輝きが違う!と本当に思っちゃいました。
受目線進行が多いこともあり一見、倉科さんに対して津雲、数視、泰樹、柏林などなど登場人物が甘やかしすぎのような構図にも思えます。
が、やはりテレビでアナウンサーとして立派に仕事をこなす有能さ、業を背負いながら生きる憂いの数々、相手に対するセリフやしぐさからは彼がどれだけ魅力的な、ほっとけなくなるような、簡単に言うと普通じゃない人なのかが想像に難くないと思います。ま、本人は無自覚なんでしょうが。
あと、現代の太宰治設定のミュージシャンの話が個人的に面白かったです。
脇役までキテるなあ…
パンチと読み応えがありつつ、糖度とカタルシスまで兼ね備えた良作でした。
沙野先生祭り開催中です。
仕事が忙しすぎて致し方なく積んでいた黒帝を
今朝、ようやく読み終えて猛烈に感動、
沙野ワールドにもっと浸るため、
電子の方で新刊として出ていたこちらを読みました。
ところで!電子化遅くないですか?!
ジャンル的にも表紙の絵的にも家族の目的にも
紙の本では集め続けるには難しいBL本、
電子化をどんどん進めていただきたいところです。
出版社さーーん、聞こえてますかーーー?
話を戻します。
作家名だけで中身の確認もせずに購入したこちら。
年下ワンコ攻めでしたが、最の高。
最初は傍若無人なのにどんどん健気になってきゅんきゅんしました。
チャラいイケメンが甲斐甲斐しいとか…。ああ、かわいい…
沙野作品はハズレなしで今回もよかったという結論なのですが、
今回、声を大にして叫びたいのは笠井先生のお仕事です。
特に表紙!
登場人物の関係性を端的に表しているのですが、
読後しばらくじっくりうっとり眺めてみて、
あれ?ちょっと違和感?
顔の見えない男性とその膝に身を投げ出す男性、
そして彼に後ろから抱きつく男性。
違和感を感じたのは顔が見えない男性の服装なのですが、
中の描写とイメージが違うなぁと。
…いやいや!
私たちの偉大な笠井先生がそんな愚を犯すはずはありませんでした!
私が勘違いをしていただけで表紙には4人の男性がいたのです。
そして感動…。私にとって小説の挿絵はお話自体の魅力と直結しており、
文章上の描写と挿絵に乖離があると(体勢とか服装とか小物とか)
それだけで萎えてしまうという残念な性癖があるので、
フィットしてると満足感もひとしお。(個人的)
さらに!
こちらの作品では珍しく笠井先生の「あとがき」として
二人のアフターストーリー的ないちゃいちゃシーンが!
眼福過ぎるので、皆さまも是非お楽しみください。
萌え2と迷ったのですが、
上記のイラストと最後のほのぼのSSで超ほっこりしたので、神で。
沙野先生といえばダークさや切なさ、エロさで定評がある先生ですが、
ほっこりは珍しいのではないでしょうか?
ちなみにいまだ沙野エッセンスが足らないので
アカサギあたりを拝読しようと思います。
黒帝の前は囲い人だったから、
現代路線にシフトチェンジです。(個人的)
いつものパターンではあるのですが、
最初はしぶしぶ、むしろ好意的に見てなかったはずの受を
ひたすら愛おしく思い、甲斐甲斐しくなっちゃう攻が好きです((ノェ`*)っ))タシタシ
頑張り屋さんなところがいいと思うの。
はい、今回は表紙がまぶしい一冊ですね。
麗しいですね。
会員制クラブで男を漁り、ひどいことをされたいと願う受。
どんだけバイオレンスな話が待ってるのかと読み始めたわけであります。
自らしびれ薬を飲んで、まるで死姦プレイw
ハードなスタート。
ただ、読み進めるほどに
受が抱えてる心の闇、寂しさに触れること。
攻の心の変化と行動の変化と。
面白かったです。
最後はなんともほがらかに。
可愛いお話しでした。
思ってたのと違う。。。
死んだ兄の代わりに。。と奮闘した弟君にも幸あれ。