Ｂ級天国

１冊まるまる再婚家族モノ

タイトルに書いた一言に尽きます
表題作と同時収録作品は別の家族の話ですが、どちらも再婚によって家族になった人たちの軋轢や心情の話です。
普段家族として形はなしているけどそれぞれに思うところがあり、それがふとした拍子に鬱屈として顔を出す・・・と書くと暗い話のようですし、ちゃんと読むと少なくともそれほど明るい話ではないのですが、テクノサマタさんの絵柄と普段の家庭の様子のドタバタでそんなこともないように感じるサマタマジック
よく考えるほどこの家族はこれからもうまくやっていけるのかなぁと不安を覚えるけど、ムードメイカーと通いの天使がいるから大丈夫だろうと自分に言い聞かせてみたり
同時収録作品は再婚と同時に科学者の父が亡くなり、新しい家族を受け入れられずに父の書斎に閉じこもったらそこには父のパソコンの中に父が主人公の友達作りのために作ったかわいらしい女の子型の会話ソフト「イライザ」がいて・・・という少しふしぎなお話。
義母の連れ子が口下手だけどグイグイくる系のいい子で仲良くしたがるけど作中の状態では主人公はそういう好意を素直に受け取れる状況でもなく。こちらはその後を想像するとちょっとワクワクするやさしい短編でした。