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神学校が舞台ということもあり、重厚な雰囲気の作品でした。『ミスター・シーナ』シリーズのスピンオフのようですが、そちらが未読でも問題なく読めました。ジョナサンの境遇は性的虐待を含む、痛々しいもの。サニーとの関係性は『バナ◯フィッシュ』や『残酷な◯が支配する』などを彷彿とさせます。ああいう雰囲気の作品を探している方には合うかと。
悪いのは常に大人であって、本来大人のなすがままになるしかない子供には何の罪もないし、魂も汚れてなどいないはず。本人にとっては、快楽をまったく感じないわけにもいかない自分や、抵抗し続けず最終的に堕ちる道を選択した自分の存在が、最も汚いものに思えてしまう。サニーには理解しえなかった感情だろうけれど、性的虐待の被害者の思考は一筋縄ではいかない非常に複雑なもの。他者がそれを矯正するのはこんなにも難しいものなのですね。ジョナサンの自分を否定する気持ちは、神学校という場所では余計に強くなったでしょう。
それでも彼は最後にサニーに救われる選択肢を得られた。悲しいラストでしたが、彼の魂は父親とサニーの真の愛によって、救済された。誰かが誰かを救済するには、相手に救済されるだけの気持ちの余裕がなければならない。ジョナサンは最後に確実にそれを得ていただろうと、私は思いました。
終わりが分かっているから辛いけど、終わりが分かっているからこそ終盤苦しくなりすぎずに読めたところもあり。信仰は人を救うし、人を苦しめることもある。
「人は誰でもいつか 過去を切り離して大人になる」とデービットが言う。完全に切り離すことは出来ない気がするけれど、少し遠くに置いて、また振り返って慈しむぐらいになれたら、きっとずっと楽になる。
「自分勝手で子供っぽくて」とジョナサンが言う。事実子供なのだから、もっと子供だって良かったのに、ジョナサンは自分に厳しかった。父親の手紙を読んで彼はもう分かっていたはずなのに、「僕を嫌いだと言ってくれ」という感情が強く残ってしまって「精霊日記」に繋がるのかと思うと、彼がその死の間際もはや救われかけていたことをナサニエルが本当の意味で知らないのはあまりにも辛い。
藤たまき先生の絵がまたこの作品にぴったりで。雪の中の青年の、細い手首足首が脳裏に残る。そして新緑、サニー…季節の描写が美しいことが悲しさを増す。
まさかの終わり方にショックが隠しきれません。。
あまりに辛すぎる。。
どんなに辛くて苦しいことがあっても、最後には救われてほしいと願っているけれど、これは。。
藤先生らしく絵柄もキャラクターの心情もガラスのように繊細で、儚げです。
もっと素直になれたら生きやすかっただろうに、それができないからこその苦しみが痛々しいです。
オール神評価を崩したくなくて、神評価にしますが、個人的には萌えとはまた別次元のお話だったので、ご留意くださいませ。
とっても辛い1冊でした(;_;)
もぅラストが辛くて私的にな
モヤモヤだったのですが
ジョナサンの心も救われた
形だったのでコレはコレで
よかったのかな?
シーナの番外編で、私はこちらから
読んでしまったので、シーナが
物凄く気になりました!笑
快楽に弱く、体の関係が続いてた
事で、好きな人にバレたくないという
ストーリーは多いですが、
コレは神学校が、関わっている為か
より重く感じますね(-。-;
そこに藤たまきさんの繊細な絵と、
どこか危なく、不安定なキャラ達の
ストーリーの構成などが合わさって
ハラハラドキドキします。
予測が着かないストーリー展開なので
シーナを読んでない私にとっては、
最後の最後は、マジか‼︎‼︎って感じでした。笑
藤たまきさんの繊細な絵と若者の不安定感、
同性愛に対する罪悪感などの表現が
ピッタリな1冊だったと思います。
私にとって、BL枠を超えた作品になりました。
この本はずっと置いてます。
ほんと、過去のこと全部言ってしまえばいいじゃないか
ジョナサン!!
ナサニエルなら受け止めてくれるよ・・
そんな苦しんでる姿見せる方がかわいそうだよ・・って
思うんですが、
やっぱり当事者にとっては辛いことですものね・・