電子限定描き下ろし漫画付き
ドラマCDを聴取したので久しぶりに再読しましたが、両方とも味わうことで、より好きになりました。
エロエロ、となっていますが、エロよりもそれぞれの登場人物が抱える心の奥の問題、好きな人への気持ち、処世術、など、読ませどころたくさんの作品です。
読み手次第だと思いますが、私は若宮鞍馬を主人公だと感じて読みました。
鞍馬はずっとまじめでシリアスで悩みながら、日々をまじめに努力して過ごしていますが、ところどころコミカルな(本人にとっては冗談じゃない、と思うところですが)状況が入ってくるところ、そのギャップがおもしろいと思いました。
お相手の桐島賢人とは、演劇部というつながりがありますが、演劇、ではなく、生地、がつながりになっているという設定もおもしろいと思いました。
キャラクター、背景、シチュエーション、どれをとっても、まんがあるある、BLまんがあるある、がひとつもないのことに、あとから気づかされます。
メインの2人以外のキャラクターたちもかなり個性豊か、強烈で、1冊のページ数の中にこれだけの人物描写やドラマを入れ込んだことがすごいと思いました。
また、今作では、とんでもない事件を起こし、その言動が相当に胸糞悪い男が、スピンオフでは、彼の抱えていた内面の問題含めて浄化され、恋人に愛されるようになるという広がりも素晴らしいと思います。今作でしっかりかっちりした設定があったからこその広がりなのだろうと思います。
大学時代のエピソードも大人になってからのエピソードも、不穏、シュールなものが多いのですが、怖くなり、不快になるちょっと手前で、くすっと和ませてくれる匙加減もすごいと思いました。
随分前に読んだのですが、ドラマCDを最近買ったので読み返してみました。
うーん、好きじゃなかったな。
ウジウジしてる男が好きじゃないんだわ。
誰でもいいから抱いて欲しい、でも出来たら桐島がいいと深層心理で思ってるみたいでズリネタはいつも桐島な主人公の鞍馬。
なのにさ、いざ抱いてくれる機会がやってきたら全力で拒否。なんかレイプされたみたいな被害者みたいな態度取ってさ、お前何なん?って思ってしまった。
その後も、あの時俺とセッしてしまったからあいつは男のオレの身体に執着してるんだって後悔してるけど、どれだけ魅力的な肉体してると自惚れてんだよ!いい加減にしろよとメチャ嫌い。男同士のセッにハマったんじゃなくて惚れてるからだってなんでわかんないかな?
と、受けの鞍馬が嫌いなのですが、攻めの桐島もちょっと!お前〜‼︎ってなる。
一見クールで強面だけど、猪突猛進タイプ。綺麗に服をたたんで砂浜に置いて水中アナニーしてる鞍馬を見つけて、自殺するのかと勘違いして泳げないのに海に飛び込んで溺れてみたり、女の子あてがわれてむしゃくしゃして抱こうとして拒否されて顔を爪で引っ掻かれたり、危険人物江本たけるから守る為という名目で遠くからずっとストーカーしてたり…。なんか好きになれない。
一回やっちゃってからもっと好きになったら怖いからと自分から距離取って離れたのに結局忘れられず3年後再会して酒飲ませて酔わせて逆レイプですか…。もう一回して忘れようって忘れられるかっての。オレの味が忘れられねーんだろ?って自惚れんな!マヂでちゃんと話しよーぜ?勝手な思い込みで暴走すんな。
最後は丸く収まってめでたしめでたしですが、うーん、好きじゃない。
この作品では悪党でしかない江本たけると桐島の姉(兄)の蝶子さんのスピンオフカップルが好き。だから、この作品は嫌いだけどこの2人のお話がなければスピンオフは生まれなかったからこの作品が当時評判になった事を感謝するしかない。
シーモアで購入
完全なる白抜き修正。
かつて読んでいましたが、レビューはしていなかった作品。いやぁ懐かしい。那木先生、ついこの間デビューしたような気持ちだったのに。と言っても7年前…7年前はまだこんな「強姦」だの「レイプ」だの盛り盛り出てくる作品が世に出せたんですねぇ。お尻から血まで出ちゃってるんで、いまならNG出そうな雰囲気があります。モブからのそれらではなく、主役たる攻めからのそれなので。
デビューから一貫して作画にもストーリーにもキャラクターにも那木先生の作品らしさがあるので、好きな方は躊躇わず買いましょう。ありがとう竹書房の日!
キリシマ布店の跡取りである桐島と演劇部で衣装を作っている鞍馬が恋人になるまでのお話です。
演劇部で乱交パーティがあったり、桐島が女性に乱暴しようとする描写があったり、桐島と鞍馬の初夜がレイプとしか思えなかったり、鞍馬が江本先輩に拉致られたり、鞍馬が父親にセクシャリティをカミングアウトして家を出ていったりとどこで地雷を踏むか分からない作品なので、色んなレビューを参考にしたほうが良いと思います。
鞍馬が桐島への想いを拗らせているせいで、ストーリーがややこしくなっている印象です。
桐島も桐島で肝心なことを言わないから鞍馬が余計に誤解してしまうので、すれ違って可愛いというレベルを通り越して、何で伝えないの?と苛々してきます。
最後の最後でボート小屋で初夜をやり直すんだと思ったら、告白する前にやり始めちゃうので、最後もすれ違うのか!と突っ込まずにはいられませんでした。
DMMは白抜き修正でした。
関連作品(ロストバージンの新作)が発売されたので、物語のスタートでもあるこちらを再読。
これは、、神です!
それぞれが想いを拗らせた、失敗だらけの学生時代から始まって、仕事場で(偶然ではなく)再会し、誤解を解いていく。過去の現在に絡む登場人物が二人(攻くんと受ちゃん)だけでなく、3人なのが話に深みを増していて凄く良いです。
それぞれが自分のなかに燻った想いを持っていて、学生時代はそれが暴力的なカタチで表出していたけれど、大人になり、それぞれが自省し、わかり合っていく・・・痛い場面もありますが、救いがあって好きです。鞍馬くんのお父さんの話も含めて、素晴らしいストーリー展開だと思います。
エロもエロくていい。無理やりな描写があるので、地雷な方はお気をつけください。
