身分違いの民族BL、感動の完結

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表題作狼は花の馨り(3)

イルウェス,兵士
アルタ=オルツィイ,王子のつがい

同時収録作品白鹿は愛を囁く

トグト,王族,第二王子
スレン,トグトの元つがい候補

その他の収録作品

  • ある白鹿の憂鬱(描き下ろし)
  • あとがき(描き下ろし)

あらすじ

トグトと番になったアルタは、三年後、極北の地で記憶喪失のイルウェスと再会をする。
過去を失っても昔と変わらないイルウェスに、想いが募るアルタ。
しかし、いっそ番うことの叶わぬ運命なら、記憶が戻らない方が彼の幸せなのではと悩み――。
その他、スレン&トグト編も収録。身分違いの民族BL、感動の完結!

作品情報

作品名
狼は花の馨り(3)
著者
りゆま加奈 
媒体
漫画(コミック)
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリアコミックス
シリーズ
狼は恋に啼く
発売日
ISBN
9784866570280
3.9

(53)

(16)

萌々

(22)

(12)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
7
得点
206
評価数
53
平均
3.9 / 5
神率
30.2%

レビュー投稿数7

民族ファンタジーに引きこまれ、純真さに泣かされ…

大陸の草原辺りが舞台の民族BL、3巻で完結です。
イルウェスとアルタの物語と、トグトとスレンの因縁回収スピンオフが収録されています。

「狼は花の馨り」
駆け落ちに失敗した二人。イルウェスは極北の地へ送られ落石事故で記憶喪失に。アルタは王宮に連れ戻され、王子トグトの形式上の番(つがい)となり、ただ真っ直ぐに「イルが大好き」と気持ちを隠さなかった頃とは別人のように大人びてしまったのが切なくて…
アルタはトグトと共に極北へ視察にやってきて、記憶喪失のイルウェスと再会したところから3巻は始まります。

アルタはトグトの番であってもイルウェスを忘れられず、ただ好きだと心が叫ぶ。
イルウェスも記憶を失っているのに、誰かを大切に想う気持ちだけは残ったままで、本能的にそれがアルタだとわかり、二人は番に…
そこからの展開はご都合主義的ではあるけれど、あんなに想い合ってる二人の悲恋なんて見たくない!
何かに執着したことがなかったイルウェスがアルタを愛し、ただまっすぐにイルウェスを想い続けるアルタの純真さに胸を打たれ続けたシリーズなので、「一緒に花を育てて、一緒に眠って、ずっと一緒にいる」二人の願いが叶って良かったとしか思えません。

「白鹿は愛を嘯く(うそぶく)」
白鹿と番うことを”王族の義務”としか思ってないトグトと、トグトが大好きだったのに”義務”だとわかって傷ついたスレンの因縁回収スピンオフ。
トグトにあてつけるように、王宮の女たちを食い散らかすスレン。手に入らないものが欲しくてあがき続けてるのが切なかった…
もうトグトの人の気持ちがわからない頑なさといったら…民を統べる王族として人心も勉強しなさい!と説教してやりたくなるし、スレンへの劣情にいまひとつ物足りなさも感じるけど、トグトにしてはこれ以上はないって決意がスレンに伝わったから、まぁ良いかな。
二人がカラダを結ぶのは描き下ろし「ある白鹿の憂鬱」に描かれてます。

このシリーズ、アルタのひたむきさに何度泣かされたことか…
予定調和だろうと幸せな終り方で良かった。心がすさんだ時に読み返したい物語。
民族的な建物・衣装・装飾、りゆま先生の丁寧な画力によって、狼と白鹿が始祖なファンタジーの世界観に引きこまれました。

eBookJapanで購入、コミコミ&eBookJapan特典のペーパーも収録されてます。
トグトにじゃれる狼が羨ましいのに素直になれないスレン、スレンの意味あり気な視線に戸惑う狼たちがかわいい。
決済方法に選択肢があるebjで購入して、コミコミ特典がつくのは嬉しい。

5

大団円

こんなに胸を締めつけられるとは…。
一気に3巻まで読み終えて、今、放心状態です。

純真なアルタの真っ直ぐな想いも、孤独に生きてきたイルウェスが初めて感じた愛も、感情に無頓着で王族としての義務ばかりを考えてきたトグトも、こころに触れることができず拗れてしまったスレンの気持ちも、全部があるべき形になって、やっと一息つけました。

2巻終盤の落石事故でイルウェスが記憶喪失になってしまった展開は、少々残念でした。
記憶を失ってもなお愛おしいと思う気持ちが消えないというのもおいしい設定ではあるけれど、2人のそれまでが本当に純粋で綺麗な愛と思えるような描写で描かれてきていたので、そこを安易に「記憶喪失」に頼ってほしくなかったなあという気持ちが生じてしまいました。
だって本当にもったいなくないですか?
あんなにひとつずつ想いを積み上げるように絆を築いてきたのに、記憶喪失ルート。
それじゃどういう展開だったらよかったんだ!?と言われると、何のアイデアも出てきませんが…。

終わり良ければすべて良し。

冷め切ったトルドが1巻で変な態度を取っていた相手・スレンとのことも、前後編で出会いからしっかりと読むことができます。
お互いに真っ直ぐで、相手のしあわせを願い、ただずっと一緒にいられることだけを願ったイルウェスとアルタのような強い絆とは程遠いながら、王族としての役目というのはこれほどまでにひとの心を固くさせるほど重いものなのでしょうね。

いやはや、素晴らしい世界観でした。
ずっと手を出さずにいたジャンルでしたが、本当に読んで良かった。

0

もう一声欲しい

『狼は花の馨り』の3巻目にして完結編。表紙のアルタがめっちゃ大人びてて、1巻からの時の流れを感じる絵柄です。

ネタバレ含んでいます。苦手な方はご注意を。





2巻は、二人で逃げ出すけれど追っ手につかまり離れ離れになっていたイルウェスとアルタが再会したところまで。
その二人が再会した、という所から3巻はスタート。

トグトの番になったアルタ。
事故にあい、記憶を亡くしたイルウェス。
白鹿のアルタと、王族ではないイルウェスという身分差に加え、さらに窮地に追い込む事態が二人を襲う。

アルタはトグトにイルウェスを忘れるよう言われるけれど、それでもなお募る恋心。
そしてイルウェスのアルタとともに生きてきた記憶は戻るのか―。

というあたりを軸にストーリーは展開していきます。

まあ、こうなるよね。
という結末。
今までたくさんの障害を乗り越えてきた二人にしては、終わり方があっさりしすぎた、という感じ。

後半はトグトとスレンの話が収録されていますが、この1冊はイルウェス×アルタの話だけにして、トグトとスレンの話はまた別の巻で描いた方がよかったんじゃないのかなあ…。今までの盛り上がりから失速した感が否めなかった。

トグトとスレンの二人の話も設定はすごくツボ。
なんですが、あっさりまとめられているからか、こちらも勢いに欠ける。
2巻で感じたスレンのイメージと、3巻のスレンのイメージが大きくかけ離れていたのも意外でした。

トグトはスレンを愛していたけれどスレンに振られたのかな、と思っていたので、こういう話だったのか、という。スレンに振られたトグトが、仕方なくというかやさぐれて(と言ったら失礼か?)アルタを番に選んだと思っていたので、トグトへの萌えが一気にテンションダウンしてしまった…。
スレンもイケメンのナイスガイだと思っていたので、欲しいものが手に入らないからと言ってああいう暴挙にでる男性だったのか、とこちらも萎え萎え。

そもそも番以外の人とセックスしていいんだっけ…?
と思ってしまった。

彼らのバックボーンや、スレンの絶望は理解できるものの、もう少しじっくり描いた方が二人の気持ちに寄り添えた気がします。

設定はとてもツボなのですが、個人的にこのお話の萌えポイントはアルタの一途にイルウェスを想う恋心と、アルタを守ろうとするイルウェスの男気、だったので、その部分が今回は薄かったのが残念でした。
萌えなかったわけではないのですが、もう一声欲しかった、というのが率直な感想です。

6

少し拍子抜け

このシリーズ大好きなのですが、最後が少し物足りなかったです。
記憶喪失になった2巻のラストでは、切ない展開を予想していました。ああ、これ3巻絶対泣くわ〜と。ところが、イルウェスとアルタの話は3巻の半分ほどであっさりめでたしめでたし・・・。アルタ(オルツィイ)がイルウェスの暮らす極北の地へ訪れてからは、二人を引き裂く邪魔者もいなくて、イルウェスの記憶喪失もさほど障害とはなり得ませんでしたね。とはいえ、倹しくも幸せそうな二人のラストにはホッとしました。一冊丸ごとイルウェスとアルタの話だったらもう少し余韻に浸れたのになぁ、と残念に感じました。

後半部分は白鹿スレンとトグトの話。
トグトは結構好きなキャラだったので、番はなにもスレンじゃなくても・・・というのが率直な感想でした。
すみません、高貴で清廉な印象の白鹿とは思えない軽率なスレンがあまり好きになれず。トグトは身分のせいで、イマイチ恋愛感情というものをよく分かっていないようなので、スレンは少々冷たい言葉をかけられたくらいで自棄を起こさず気長に想いを伝えていって欲しかったです。

4

 

当初花の痣やアルタが幽閉されたことにも理由があると思っていたんですが
本当にただの痣とただの意地悪な村人でした
狼設定もあんまり生かされてないです
面白かったですけどね

気になるのは、トグト×スレンなの? スレン×トグトなの?
攻スレンのレ○プっぽいけど、個人的には襲い受けがいいなぁ

2

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