……僕は大人の女性を愛せません。 僕の好きな人は、大人でも女性でもないんです。

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表題作ラブセメタリー

同時収録作品あのおじさんのこと

同時収録作品僕のライフ

あらすじ

甥に対する密かな欲望を抱え、妄想に囚われ苦しむ百貨店のエリート外商・久瀬圭祐。欲望がいつか暴走するのではと恐怖し、治療を求めて精神科クリニックを訪れるのだが――。
小学校教師の森下伸春は遠い昔、幼い少女に繰り返し恋をした。そんな自分の嗜好を知りつつも、ある一線を越え欲望を解き放ち、そしてその果てに待っていたものは……。
本能に弄ばれる二人の男と、その周囲の人たちの心の葛藤をリアルに描いた、異色の連作小説。

BL界の巨匠・木原音瀬が挑んだ衝撃作。
著者初の文芸単行本!

作品情報

作品名
ラブセメタリー
著者
木原音瀬 
媒体
小説
出版社
集英社
発売日
ISBN
9784087711189
4.5

(89)

(72)

萌々

(6)

(3)

中立

(3)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
15
得点
396
評価数
89
平均
4.5 / 5
神率
80.9%

レビュー投稿数15

読むのも躊躇する

神評価ですが
読むのにも躊躇する小児愛性がテーマです。
何故
このテーマを木原音瀬先生は選んだのか
答えのでないテーマだからでしょうか?
精神科に
何か犯罪をおこしてしまいそうだから
治療をしてくれと
男がやってくる
何か理由があるのか
恋愛はできないという
それは
できないですよね
できたら犯罪者になるのだから
ある一定の時期の子供しか愛せない
小児愛性者
この作品はリンクしている
作品で
この男のかつての思い人の
甥っ子が出てくる話では
この男
もう
犯罪を犯しているでわないかと
私は思いました。
甥っ子が昔を思い出す事があり
その時に
自分にしていた叔父の行為が
ただのスキンシップではなく
そのような意味を持っての事だと
気付くのです
一緒にお風呂に入っていた時に
叔父のあの部分が変化していた
大人はお風呂に入るとそうなると説明していたし
キスもよくしていたみたいだ
これは
この甥っ子が気付いた時点で
犯罪ですよね
(気付いていなかったとしても犯罪)
この事で
彼はずっとその行為を
きれいな記憶だと思っていた事が
イヤな記憶に書き換えられたのだから
この先
彼は
叔父とまともに会えないのではないか
いや
叔父の方がこれから
逃げまるくのだろう
変態だと指刺されるのがこわいから 
この叔父は
人をキズつけ(精神科にいた看護師)
その後を
知りたいと思ってしまいます。


0

夢中で読んでしまった

胸糞悪い話なのだけど、引き込まれてしまい
読むのが止まらず最後まで読み切ってしまった。
4人の視点の話で紡がれます。
ペドファイル(小児性愛者)のお話。
主に2人の該当者について描かれるのですが、表向きは常識人で社会的にも認められている人物なのです、性対象が10歳未満の子ども。
現実にもそんな人は居てるのだろうなとすごく胸騒ぎしながら読みました。

【ラブセメタリー】
飯田クリニックに勤める看護師 町屋 智視点のお話。
患者としてやってきた百貨店の外商員 久瀬 圭祐が道端で酔って倒れているのを助けた事から親密になっていくお話。
2人はそれから意気投合。ゲイの町屋は洗練された久瀬に心惹かれていく。
って、ここまではBLっぽいですよ、ちょっとときめきます。
でも、そんなラブストーリーなわけ無いんですよ。だって、最初にクリニックに来た理由が[性欲が強すぎて犯罪者になってしまいそうだから去勢したい。10歳前後の男児しか性の対象と見られない]って事だったから。
実際に行動をおこしたわけではないから、その処置は相応では無いと判断されて睡眠薬の処方だけされたのよ。町屋は、カーテン越しの隣のスペースでこのカウンセリングを聞いていたから久瀬は町屋が自分の秘密を知ってるとは知らない状況。
さて、どうなるか。
地獄が待ってます、ええ、木原作品ですもの。

【あのおじさんのこと】
久瀬 圭祐の甥っ子、出版社の契約社員 篠原 伊吹視点。ラブセメタリーで話題に出た[伸さん]こと森下 伸春についてのお話。河川敷で小屋を建ててホームレスをしていた友人の祖父の弟に興味を持った伊吹がルポを書こうと取材をしていくうちに、我が身に起こった過去の記憶が呼び覚まされて嫌悪感を抱く。

【僕のライフ】
[伸さん]こと森下 伸春視点で、半生の振り返り。性の目覚めから、ペドファイルと自覚し衝動が抑えられなくなるまで。
本気で自分勝手で胸糞悪くなりますが、何故そういう行動に至ったのか本人視点で語られたのは良かったです。
海外で貧しい国で子ども売春が行われている事実は、なんとなく知ってる事だけど、見て見ぬふりしている部分。
こちらに関しては以前に梁石日 著書[闇の子供たち]を読んで衝撃を受けた。とても生々しい描写で読んでいて救いがなく辛くなった。忘れられない作品。この作品と併せて忘れられない衝撃になった。

【エピローグ】
久瀬 圭祐と篠原 伊吹の母 幸恵の従兄弟である 大貫宏一視点。圭祐と幸恵の母、恵子のお葬式でのエピソード。宏一にとっては叔母の葬儀。おばあちゃんっ子だった伊吹はお通夜には来てたのに仕事があると葬式には出なかったそう。
これって圭祐と会いたくなかったからじゃないの?
表向き若々しく人生勝ち組な男に見えている圭祐を羨む宏一のコミカルな感情で終わるのだけど、宏一の息子と仲良さげにコンビニから帰ってきた圭祐がほっぺにキスしてるところでコイツー!!!!ってなった。

ペドファイルの伸春と圭祐の許せないところは、子どもとはいえ相手に人格がある事を無視しているところ。自分の性的指向が倫理的に許されなくて辛いじゃねーわ!10歳前後までしか対象じゃないってもうモノとしか捉えてない。
自分がされて嫌な事は人にもしたらダメだ。
オメーも性対象じゃない相手にレイプされる地獄に落ちろ!と。私的には今VRの技術が進んでるから拘束してマシンでバーチャルレイプするとかどうだろう、目には目を歯には歯をでさ。相手の気持ち分からせてやりたいって思ってしまう。


このお話なのですが、
いろんなところがリンクしていて痺れる。
ここから超ネタバレなので読みたくない人は回れ右





・町屋と友人の大輝はかつて2丁目のゲイバーで[伸さん]と顔見知りだった。
・大輝の部屋にあった友人からの海外土産の子どもが表紙のポルノ雑誌は[伸さん]の運命が狂い出すキッカケのひとつ。
・伊吹が[伸さん]の過去の取材で町屋の友人の大輝に会ってた。
・伊吹の母と弟の久瀬 圭祐は、[伸さん]が小学校教師時代に同じ小学校に在籍していた。

木原先生の作品ってやっぱりスゴイ!

1

確かにあると思える

木原音瀬さん、、、これを一般で出したのは凄いと思う。
まぁ BLの括りではないし、どちらかと言うと社会派小説的な側面もあるんじゃないのかな。BLでは無いけれど、木原さんらしい後味で(最後の書き下ろしね)圭祐と昔は好きだったいとことの話が素晴らしい創り。

祖母の葬儀でのシーンですが、いとこからその息子へ興味が移ったと思われるところで終わっています。

連載分の物語は、それぞれの問題?を抱えた主人公が出てきますが、やはり伸さんが一番嫌悪感を感じます。でも、実際問題、ニュース報道でどこぞの教頭が捕まったとかアジアの貧困地域の少女買春の話を聞いたりする限り、存在するし治療できるもんなのかどうか…
BLでファンタジーとして楽しんでる分にはイイけど、実際のところは男女間でも同じようにある問題やそれ以上に色々あるのだろうなと思う。
なのでやはりDKものや少年ものは苦手だ。

大人同士の恋愛なら性別関係ないし、お互いがわかっているなら恋愛小説の一つなんですけどね。さすが木原音瀬!って唸りました。

0

愛も欲望も埋葬せよ

BL界を震撼させる巨匠・木原音瀬先生作品で。
非BLとはいえ、小児性愛を題材にした問題作で。
その上、
昔「ペット・セメタリー」という怖いホラー映画があって、セメタリー繋がりでもう読む前から「怖いバイアス」がかかってる。
何が書かれてるの?
何が始まるの?
死臭漂う墓地。幼児に抱くよこしまな欲望を埋葬する荒れ野…

本作は、繋がりのある3編の短編とエピローグで構成されている。

「ラブセメタリー」
表題作。
日常生活で欲望を抑えている幼児性愛者・久瀬。
その久瀬と、精神科クリニック看護師でゲイの町屋のいびつな交流。
町屋は久瀬に惹かれる、だが久瀬は絶対的に小児にしか惹かれない。
だからの、絶対的な断絶。

「あのおじさんのこと」
あのおじさん、とは「久瀬」の事。
だが、始まりは久瀬とは無関係よ。その辺の小説的メソッドが巧み。
はじまりは、ホームレスになって死んだ男。
友人の親類がホームレスとして死んで、ふとした事でそのひと・伸さんの過去を探って行く編集者の伊吹。
その過程で、伊吹は優しかった叔父さん・久瀬に疑惑を抱いていく…

「僕のライフ」
ホームレスとして死んでいった男・森下伸春の一代記が本人の追想で語られる。
元々は小学校の教師。そんな安定していたはずの森下は何度も服役もして河原で暮らす事になって行く。
今ではもう開き直っていて、男女問わずお菓子で釣った子どもを河原の家に連れ込み、パンツに手を入れ、上に覆い被さり、また捕まり、また出てきて、そしてまた。
そして最期の時を迎える森下の姿。

「エピローグ」
久瀬の母親の葬式にて。
視点は、久瀬のいとこの宏一。
喪主は、久瀬。
宏一は自分と同い年なのに独身で高給取りで、生活感のまるで無いスッキリとした美形の久瀬が羨ましい。
いいなあ、いいなあ。かっこよくて金があって、女がいくらでも寄ってくる。いいよなあ…
だが読者の私たちは知っている。


「愛は全て素晴らしい」というワンラブ思想、その中でも小児性愛(他にも死体性愛や近親姦も)は別、これらは絶対にタブー、なのだと思う。
しかし、そう生まれた人たちは一体どう生きればいいんだろう。
重い。
そしてこうも考える。
彼らは、いつでも、どこにでもいる。
私が。
私の家族が。
彼らと会わなかったこと。
それは幸運だったという事。
重い。

2

BLもLGBTもてんで甘っちょろい

ここまで衝撃を受けた小説は人生でそうありません。読み終わってから数ヶ月はきっとタイトルを耳にしただけで涙が出てしまいそうなほど、深く刻み付けられ問い詰められた心地です。
お話の展開が甘くないだとかではなく、生身の当事者の一人としてお前はどうだと詰問されているようでした。

映画「エレファントマン」を観た時、自分がこの作品を観たいと思った理由が、作中の見世物小屋の観客と同じような怖いもの見たさだったのだと思い知らされました。観客達の考えなしの野次馬、罵声。その容姿で生まれどう考えどう生きるのか興味本位で見たかった私は、行動はせずとも間違いなく観客側の同類で、それを思い知らされて、自分はどうあるべきか2ヶ月は思い悩みました。

この「ラブセメタリー」はペドフィリアをテーマに大好きな木原さんがどう扱うのかとゾクゾクしながら読みはじめました。
「気持ち悪い」と思う事は自由です。ていうかお前は気持ち悪いと言える立場なのか?と感情の派生さえ考えさせられました。
このペドフィリア当人は好きでそうなった訳ではない。ただ自分が嫌な気持ちだからと、間違っている事だと判断してすぐ考えることをやめてしまうのは短略的過ぎる。問題は解決されません。
LGBTが認知されてきても、マイノリティの中でも極地である性癖が理解されることは到底ないでしょう。その理解されない苦しみと欲望が木原さんの筆力で読む者をこれでもかと抉ります。
“あぁ、堕ちるっていうのは、自由になることなのかもしれない。”という台詞。彼らは犯罪だと知っていて、望んでいない性癖で常に苦しみ雁字搦めになっている。ゲイの男の子ですら羨ましい対象になるほど。

この本では犯罪を犯すかもしれない、また起きている状況で人は微笑ましく生活し、相手と話し尊敬する。良い面だけを見る側、見せる側。何も考えないことのおぞましさがジワジワと漂っています。
嫌悪感を持ちながら、理解できずとも目を向けること、その一面だけで人を判断しないこと、逆に恵まれている面だけを見てその人を判断しないこと。それを服の表と裏で表現された文章は上手いなと思いました。
これはペドフィリアに限らず肌の色や身分、国の差別でも言えることです。

当事者のその周囲の苦悩を現実問題で考えたことがあるか?これはファンタジーじゃない。「スポットライト」「バッドエデュケーション」「フォロワーズ」お金払って見たよね?
今まで自分が取りこぼしてきたもの、受け止めなかったもの、真面目に考えなかったことを本で殴られているようでした。

次に読む甘い作品を準備してからどうぞ。

追記:2日経って少し冷静になってみると、性的な興奮がなくとも愛に結びつくことが、久瀬と伸さんにはなかったのだろうかと思います。心の底まで理解されずとも(例えばゲイの男の子が、女の子の親友がいるとか)この人と長く付き合いたいとか。もしかしたら町屋はそんな関係になったのかもしれなかったのか。範囲外が全て嫌悪の対象(汚いものをしまってという言い方から)だとしたら子供の頃のトラウマがありそうだし、伸さんの手にかかった子供が同じように性癖を持つとしたら、業は深過ぎます。そしてそれを矯正させようとするなら、何も理解していないことになるのでしょうか。

4

ひみた

LGBTも〜との書き込みが安易で楽観的過ぎました。このレビューを書いてから、セクシャルマイノリティの方のドキュメンタリーを見たり映画を見たりして、苦しみを全く理解していないことに気付きました。不快になられた方がいらっしゃいましたら、誠に申し訳ありません。

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