SS付き電子限定版
倫敦巴里子さんの「三村と片桐」大好きなんですが、それを超えました。私の中でこの作品を勝手に代表作に認定しちゃったくらい、それくらい最高でした。(もちろん「三村と片桐」も相変わらず大好きです)
もう言うことない。とにかく「三村と片桐」好きな方は読んで!絶対に絶対にぜっっったいに満足します。もちろん読んでない方もみんな読んでほしい。この興奮どうしてくれよう。
御厨と日下は17歳の時に二人の仲を家に反対され、何もかも捨てて駆け落ちしたという熱い過去を持つカップル。
32歳となった今は、なんともゆる〜く同棲中、気づいたら1週間まともに会話もしていない二人。
そんなある日、日下から突然別れを切り出されます。たじろぐ御厨に「お前が約束をやぶったから、理由を突き止めて反省して土下座したら別れ話は撤回してやる」と突きつける日下。
二人の「約束」というのは、一切の隠し事をせずに全てを打ち明けるというものなんだけど、御厨はどうしても日下に打ち明けることができない秘密を抱えています。その秘密を抱えているせいで心因性EDになってしまい…。
家の問題というシリアスになりがちなテーマを重くなりすぎず、ED回復のためのプレイなどのエロギャグも入れながら絶妙なバランスで進むおかげで、笑いと涙がいい塩梅で混じってます。
攻めの御厨が昔も今もちっとも変わらずに日下を愛し続けていて、愛がダダ漏れの様子が私はとにかく好きです。最高です。そして日下の義父との約束を一心に守り続けていることがわかるラストの爆笑しながらのセックスシーンがじんわり来ます。
日下も別れを突きつけておきながらも、実は誰にも御厨を渡すつもりなんかなくて御厨の会社の女を蹴散らすところなんて、元美少年の凄みが壮絶に発揮されてて何ともゾクゾクします。ブラボー!
あとがきで今回のテーマは「元耽美」とありましたが、17歳の二人は全寮制学校の制服も麗しい美少年でそれが時折回想シーンで登場するんだけどこれが何ともいいのです。爪の先までお互い恋をしているというのが伝わって来る初々しい二人の様子が。
32歳のおっさんになりかけの日常BLと17歳の頃のお耽美BL、これが入り混じった構成となってるのでどちらの世界も楽しめて実においしい一冊でした。
電子限定の書き下ろしは日下家のお手伝いさん、アキさんの回顧録。
御厨がこっそり日下の義父と電話連絡を取り合っているシーン。日下の様子を聞いて喜ぶ義父だったのに、おばかな御厨は勢いに乗って二人の性生活の悩みまで暴露しちゃって聞いた旦那様がショックを受けた…という回想を久しぶりに会ったアキさんから聞かされて怒りに震える日下と青ざめる御厨というお話でした。
そしていつも思うんですけど、倫敦巴里子さんって本当に達筆ですよね。あとがきとかそういうところの字がお習字の先生か?!ってくらい美しい。
表紙が目に止まってあらすじを読んだら、まぁなんて惹かれる設定なんでしょう!
「元耽美」をテーマに、“全寮制のハイスクールで出逢い、ゲーテの素晴らしさについて語り合ううちに愛が芽生え、親の反対を押し切って雪降る夜に身一つで駆け落ちした美少年たち”の【15年後の日常】を描く。出来上がったものはオッサン2人のドタバタラブコメディ。
この、倫敦巴里子さんのセンスがもう最高!
あとがきでは結局耽美要素はどっかに行ってただのオッサンBLになったんじゃ…と仰っていますが、いえいえそんなことないです!
私、この作家様には「腹ペコ蜘蛛と長い階段」で出会っていますが、仰々しくなく耽美を描くのが上手いなぁと思います。
ドタバタラブコメディなんて先に書きましたが、もちろんただのラブコメでは終わりません。
がっつり読ませてくれます!
駆け落ちしたカップルだからこその精神的負債のようなもの、わだかまりが心の奥にずっと残ったままになっていて、それらに32歳になった2人が改めてじっくりと向き合っていく、というストーリー。
「別れよう」なんてセリフから始まりますが、別れるつもりなんてさらさらない2人の物語ですから安心して読み進めて大丈夫ですよ。
熟年カップルらしい、相手の過去も未来も人生丸ごと思いやるような深い愛情の物語にホロリとさせられます。
なんか上手く良さを文章で伝えきれないんですが、「こんなBL読みたかった!」って読み終わった後に抱きしめたくなるようなお話でした。
とても良かったです。
ところでCharaコミックスって電子版も白抜き修正はされないはずなんですけど、これは何故か白いです。紙もこうなのかしら?
エロエロBLの白抜きはもうしょうがないか〜って近頃は諦め気味で読んでるんですけど、こういうストーリー重視のががっつり白いとちょっと悲しい…
【電子】ひかりTVブック版:修正白抜き、カバー下○、裏表紙×、電子限定特典(4p)付き
コメディとシリアスのバランス感覚が絶妙と申しましょうか。シリアスで重くはなり過ぎず、コメディで笑いに走りすぎずと言った、絶妙なバランスが相変わらず素晴らしいと思います!
内容ですが、17才で大恋愛をして駆け落ちした御厨と日下。
15年が経ち、すっかり安定した感がある日々の中、日下から急に別れを切り出されー・・・というものです。
こちらの作品、「三村と片桐」がお好きな方なら気に入るんじゃないかと思います。かく言う私も大好きなのですが。
カップルが出来上がるまでじゃなく、既に出来上がっていて熟年夫婦みたいになっている二人が、長く付き合った故の危機を乗り越えて行くお話なんですね。年をとり、不安な気持ちから目を反らせていた問題にも向き合わなくてはならなくなりと言った感じで。
また、クールな日下の生い立ちによる臆病な部分や、そんな日下が好きすぎて頭がお花畑状態だと思っていた御厨の、ずっと秘密にしていた深い想い。切なかったり、思わずホロリとさせられます。
しかーし、ここに絶妙なタイミングでギャグも盛り込まれていて、シリアスにはなり過ぎない。個人的に、あまりに切ないお話は読んだ後に引きずってしまうので、こうゆう作風がホントにありがたいです。
萌え所なのですが、こなれた感のある二人の同居生活。とにかく御厨が日下の事が大好きで、惜しみなく「好き」と言う気持ちを伝えます。と言うか、伝えなくてもダダ漏れです。彼の単純かと思えば複雑、かと思うとやっぱりごくごくシンプルな思考には、日下もだいぶ救われてるんじゃないでしょうか。まぁ、根っこの部分が「日下、大好き」と、ごくごくシンプルなんでしょうが。
あと、エッチが結構濃厚。御厨が「秘密」を持ち続ける心理的負担からEDになったりはしますが、それでも1話1エッチです。長年付き合ってるカップル故の、いい意味での恥じらいの無さだったり積極性だったりにも萌えました。
まぁ、一番萌えたエッチは、実は日下の「おしおき」編ですが。いくらなんでも、その状態で寸止めは御厨がかわいそうだよ~。と、思いつつもついニマニマしてしまいました。
ラストがとても素敵で、日下がゲラゲラ笑っているんですが、それに思わずホロリと来ます。そのシーンに入っているモノローグが優しくて。
すごくいいお話でした。
長年付き合っているCPのお話なので『三村と片桐』に近いものがあります。
今作の方がシリアスなところがありますがギャグもあり、何より一冊丸ごと表題作だったので読み応えがありました。
先に詳しくレビューされてる方がいらっしゃいますので、思いつくままの感想で失礼します。
見た目が良いためモテるが鈍感でデリカシーが無いところがあるけど、思いやりがあり愛情深い御厨が良い男すぎです…!
日下義父の、日下への不器用な愛情と御厨の『隠し事』に涙ぐみそうになりました(;ω;)
そんな話があるかと思いきやバカバカしいやりとりがあったりと、その落差がまた良かったです。
すっごく好きだったシーンが、日下が御厨の会社で御厨を狙う女に「敵じゃねぇんだよ」というシーン。
自分らのHを見せつけてのその台詞…ゾクゾクしました!!
あとア●ル師匠にも吹いた…(笑)
今後も度々読み返すであろう、素敵な作品でした。
最初のシーンでは二人の美少年がどうなることやらと思いましたがさすが倫敦巴里子先生!笑笑
熟年夫婦感ある三村と片桐が好きな私にはぴったりの作品でした!
少しシリアスな場面もありましたが、基本はラブラブでお互いスキなんだなあと感じる所が多々あり、安心して読み進められました!
2人を陰ながら見守っている大家のよし美さん、私はとても好きです!相談にも乗ってくれるし、最後の最後、本当にええ人や…と思いました。
個人的に倫敦先生の作品の中でトップ3に入るほど好きな物語です。読後、あったかい飲み物を飲んだかのような気持ちになりました^ ^