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表題作薔薇の下の恋人

島崎和彦 30歳 会社の上司(主任)
戸叶恭平 24歳 サラリーマン

その他の収録作品

  • 蒼褪めた花片
  • あとがき

あらすじ

利用されてるだけなのに、この気持ち止められない。サラリーマンの戸叶は婚約間近な恋人がいながら、会社の上司・島崎とはずみで肉体関係を持ってしまう。抱かれていくうちに、次第に心惹かれていく戸叶だったが、自分を抱く島崎の瞳は冷たく、彼を物としか見ていなかった。恋人と別れようかと考える戸叶に島崎は「別れる必要はない、これは大人の関係だ」と告げる。傷つく戸叶。更に島崎の結婚話や、昔の恋人まで現われて…。

作品情報

作品名
薔薇の下の恋人
著者
鹿住槇 
イラスト
小笠原宇紀 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリアノベルズ
発売日
ISBN
9784861340031
2

(2)

(0)

萌々

(0)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
1
得点
3
評価数
2
平均
2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

女の人には少し痛いかも。

 サラリーマンの戸叶は、恋人がいながら職場の上司である島崎と肉体関係を持っていた。
 仕事もでき、優秀な島崎に惹かれている自分を自覚しながらも、行為の最中の島崎のどこか醒めたような瞳に、自分は島崎に想われていないのだということを思い知らされる日々。
 けれど、それでも身体を繋げることを止められない日々。
 一時期は別れようと思った大学時代からの彼女のことも、島崎から「いずれ結婚しないといけない日が来る。出世には必要だ」と言われてしまい、別れられずにずるずると付き合い続ける。

 けれど、時間が過ぎると共に、島崎の昔の恋人や島崎の結婚話まで出てきて、ますます戸叶は追い詰められていく。
 自分がどうしたらいいのか? 彼との関係を、彼女の関係をどうしたらいいのか迷う中で、彼女から「妊娠した」と告げられる。
 更に混迷を深める戸叶は……

 という話でした。
 相手の気持ちを勝手に決め付けて、ぐるぐる回って、最後にようやく本当の愛に辿り着いた話でした。

 こちらも鹿住先生の作品でした。
 まさか鹿住先生がこんなどろどろの作品を書くとは思っていなかったので、そういう意味ではかなりびっくりしました。
 さすがに不倫はないものの、彼女と彼氏の二股の主人公。しかも意図をせず。
 最後には「子供を堕ろしてくれ……」と彼女に別れを告げるときに女としては一番聞きたくない言葉を放ったり……。
 かなり胸の痛い話でした。
 まあ、結局は、「妊娠した」は彼女の作り話で、失われる命はまったくなかったのだけれど……。
 女の立場から読むと、結構痛い話だったなあ……という苦さがどうしても出てきますね。
 それと、仕事柄「生まれる」「生まれない」によく関わってくるので。

 まあ、きっと彼女は立ち直ってくれるので、二人が幸せになってくれればいいと思います。
 残念ながら、結婚式に元彼として呼ばれるぐらいの罰はあってもいいんじゃないかと思うほど、珍しく主人公に入れ込めない話でした。

 ただ、そこを除けばドロドロ系としてはとても面白く読めたと思ったので、減点はつけずにおきました。
 どうもありがとうございます。

3

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