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あのとき助けていただいた鶴です。
とは言いませんが、そういうお話でした。
唯一の肉親である父親の葬儀の日に押しかけてきた借金取り。
何も分からずに戸惑うハルに「僕はハルくんの友人です」と言う弁護士が現れたが…。
見覚えのない大人、だけど「ハルくんは天使のようだった」と何か知っている様子の瀬尾。
当然警戒しますよね。頼りたい状況だけど、胡散臭い。
瀬尾の回想シーンで読者には事情が分かるのですが、瀬尾は最後までハルに言わないんですよね。その事情を話せば「あのときの!」となりそうなのに話さない。と言うか瀬尾にとってはずっとやってきたスポーツを諦めなければいけない怪我で自暴自棄になっていたところをハルに救われたという良い思い出でも、ハルにとっては母親の死を思い出すだけの出来事だから話せない。
話せないままハルの力になろうとする瀬尾に何かを感じても、結局ハルは思い出せないのですが、話さないからこそハルの中に芽生えた瀬尾への信頼が本物に思えました。
一緒に暮らして、瀬尾との距離を縮めようとするハルと、離そうとする瀬尾。
大人のいろいろはあるだろうけれど、これはハルが可哀想で…。おじさんはいても連絡は取れないし、言ってみれば天涯孤独。だけど無邪気に瀬尾にお弁当を作ったり、傘を持って迎えに行ったり、本当にいじらしいです。ハルにとっては瀬尾だけが頼りなんですよね。
瀬尾は瀬尾でハルに対する自分の気持ちが「あの日自分を救ってくれたあの子を支えたい」というレベルを超えてしまっていることに気付いてしまったから、どうしても避けてしまう。そしてすれ違って、誤解が生まれて…。
「父親にでもなるつもりだったのか」という瀬尾のモノローグが切ないです。
ラストのシーンは泣けます。
つらかったとき、つらいときに手を差し伸べてくれたひと。そのひとと一緒に生きていきたいという願い。瀬尾の素直な言葉が胸に沁みました。ハルの子供らしい返事も可愛らしくて、良いラストでした。
ハルジオンの使い方も絶妙でした。わりと「ただタイトルに入れたい響きだったから」みたいな感じで花の名前を使っている作品も多い中、要所要所で出てくるハルジオンは、そのままハルの姿に重なって、より印象的でした。
良かったです。今まで評価した作品との相対的な評価で「萌2」ですが、神寄りの萌2でした。
いやはやもう……読んでる方が恥ずかしくなるような(褒め言葉)胸キュンな一冊。
孤独を救ってくれる人というのは、本当にキュンキュンしますv
自分が助けられた人を助けたいと、その気持ちが
恋愛未満からすくすくと恋に発展していく様子が、
もどかしくも微笑ましい。
BLだけど、少女漫画ちっく。
やっぱり瀬尾さんの同僚の永野さんが気になります!
永野さん主人公で、スピンオフをお願いしたい!
強いて言うなら、あの時代特有の
下唇突き出し顔が気になる……ので、「萌×2」で!
弁護士先生は自制心のカタマリ。
出会いの時、受けは3才。
陸上部だったのに怪我をして、その時お母さんのお見舞いに来ていたハルに慰められて。高校生でお父さんが亡くなり、天涯孤独になって借金も背負ったハルの力になりたい、と一緒に住むことにする。
可愛くて素直なハルに惹かれる瀬尾ですが…
何しろ淡くて、どこから恋愛になった?という感じ。ゆっくり、静かに、穏やかに進んでいったのですかね…
これはこれで良いのです。こういうBLもあっていい。
淡い恋情、性愛未満。
「ハルジオン デイズ」
背が伸びたんだ、とくっついてくるハル君にたまらずキスする瀬尾。
『続きは来年ね』って…自制心ありすぎでしょ!
丸ごと一冊ひとつのストーリー入りでした。
良いお話でした。
でしたけど・・・。
「いくちゅ?」って聞きたくなるほどの小さい頃の受け様に
励まされた事から、守ってあげたいと思うのは
まぁ解らなくもないですが~、一緒に住んだり
それが恋愛に変わるとか・・・・・・。
ちょっとばかり無理があるような気がしてしまって
途中からあまり入り込んで読めなくなってしまいました。
外側から「ふーん」「へぇ」「ほー」と読んでる感じ(^^;
良いお話ではあったんだけど、もえ~な感じはありませんでした。
なんて説明すればいいのか悩むんですけど、とにかくとてもいいお話なので好きな作品です。
内容は、弁護士の瀬尾さん×高校三年生のハルくんの、とてもピュアなお話です。昔病院で会ったことのある2人が、ハルくんの父親のお葬式の日に再会。ハルくんはたった一人の家族だった父親がなくなり、突然会社の負債や相続の事など、自分の知らない世界の話に不安な日々を過ごします。最愛の父親の死で辛く、寂しいはずなのに、それに負けないよう、まだ幼いのに一生懸命考え、前向きに頑張ろうとします。そんなハルくんを、昔病院で出会い、小さい頃のハルくんからたくさんの勇気をもらった事を感謝している瀬尾さんが、今度は自分が力になってあげたいと色々助けてくれます。
瀬尾さんにとって、ハルくんはハルジオンなんだなあと思いながら読みました。
小さくて可愛いい、でも見ていたら不思議と元気を貰っているかのような野草=ハルジオンと同じなんですよね。
再会当初はツンツンしているハルくんですが、時折見せる表情や言葉は、素直でとても無垢で、昔と変わっていない事に、瀬尾さんも嬉しいんですよね。でも、最初は、純粋な愛情だったのに、ハルくんと暮らして接する内に、瀬尾さんの中で真実の愛情のようなものに変わっていきます。その、瀬尾さんのハルくんを思う優しくて不器用な葛藤がせつなさを感じさせ心に響きました。職業が弁護士さんなので、色々な障害を理解してある分、難しく考えちゃうのも分かるんですけどね…まあ大事すぎて手が出しにくいのもあるかもしれないんですけど、気持ちが通じ合っても、キスどまりで一生懸命耐える瀬尾さんが可愛く好感が持てました。花言葉を調べたら、「追想の愛」と知って、ぴったりだなあと…。
先輩弁護士さんもキューピット役でいい味出してくれていて好きでした。
木下先生のお話はスローなんだけれど、全体に流れる透明感と独特な雰囲気がなんともいえない魅力を引き出していて、とてもストーリー性ある作品が多いので好きです。この作品も、懐かしい味わいのある絵柄と温まる心の交流が丁寧に描かれてい、懐かしさを感じさせる満足の一冊でした。
絵が技巧的というわけでも、ストーリーが特別秀れている訳でもなく、昔の作品なので、BLなエロ要素がゼロに近いのに不思議と心が引き寄せられるんですよね。
表情や間の取り方が絶妙なのと、繊細な線画がさらに感情を絶に表現しているので、しっとりと懐かしい優しい気持ちになれます。
濃厚なシーンがなくても…(濃厚シーンも大好きですけどね笑)そんなことが気にならない、とても魅力ある作品でした。
読後も心が温まります。ごく普通の日常的な生活の中で「ありそう」なお話を読みたい方にはオススメかなあと思います。