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表題作

あまの はじめ
スイミングスクールコーチ
沖田 志信
バツイチ、子持ち、スクール父兄

あらすじ

長いまつ毛、目元のクマ、細い首に細い肩……。いつもは目を見て話してくれるのに、見てくれないといろいろなところに目が行ってしまう。僕はあなたに思いを寄せてしまっている。その愛に溺れれば、溺れるほど渦は力を増し僕らを巻き込んでいく……。

渦(1) 25ページ
渦(2) 27ページ

作品情報

作品名
著者
水田ゆき 
媒体
漫画(コミック)
出版社
eternal
レーベル
Zuiver
電子発売日
3.5

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萌々

(1)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
7
評価数
2
平均
3.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

悲哀と悲壮感を漂わせる印象深い作品!

”性” と ”生” の深い因果性を描いた『性の劇薬』が話題の水田先生は電子発の作家さんです。
この『渦』からずっと水田作品を追いかけていたので、紙本デビューされたこと、本当に喜んでいます。

2話完結の電子単話です。


スイミングスクールのコーチ・あまのは、離婚してシングルファーザーとなった父兄・沖田のことが気になっている。
前は親し気に話してくれたのに、今は自分と目を合わせてもくれない。

ある時、息子が鼻血を出したことに慌てた沖田はプールに落ちてしまい、あまのが着替えを貸して、話を聞いてみると、、、

息子は沖田が作った弁当のことでいじめられたようで、沖田も精神的に参ってしまっている。
沖田は細くて頼りなげで、体育会系で育ってきたあまのは沖田を抱きしめずにはいられない。
「あなたを抱きたい」というあまのを沖田も拒めなくて…

平日の決まった昼間の時間に二人は逢瀬を重ねる。
沖田は妻に出て行かれ、息子を育てることに疲弊していたから、頼れるあまのの腕が心地良かったんだろうなぁ。

表紙からも悲壮感が漂ってますが、頬がこけた中年男の悲哀と孤独が、絵からひしひしと伝わってきます。

そんな二人の逢瀬を元妻に目撃されてしまって…


昼ドラかレディコミのような修羅場です!
元妻は母親よりも恋人でいたかった、その身勝手さから息子を愛さなかった。
自分から出て行ったくせに、沖田にヨリを戻して欲しいと詰め寄る、女の汚い部分を凝縮したような典型です。

この修羅場を収めたのが息子の素直でいて、真理を突いた痛い言葉なんですが、たった2話の短いページの中に、中年男の悲哀、愛さずにはいられない衝動、女の身勝手さ、そして子供の健気さが凝縮されています。

悲壮感漂う絵柄と合わせて深く印象に残っている作品でした。
『性の劇薬』で水田作品に触れた方には、ぜひ紙本化されていない電子単話作品も読んでいただきたいです。

3

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