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表題作紅狐の初恋草子

紅葉(朱理)、偶然で千明に召喚されてしまった妖狐、28
花染千明、呪術師一族生まれの翻訳家、32

その他の収録作品

  • 北の大地で愛芽吹く
  • あとがき

あらすじ

呪術師だった亡き大叔父の屋敷に住むことになった千明。
その家にあった指輪を身に着けたことから、美しい妖狐と契約することになり……?

作品情報

作品名
紅狐の初恋草子
著者
鳥谷しず 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403524448
4

(86)

(35)

萌々

(33)

(7)

中立

(6)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
9
得点
334
評価数
86
平均
4 / 5
神率
40.7%

レビュー投稿数9

それはマズイと思うのであります 笑

ふふふ と笑いながら読みましたけどね。

まぁお稲荷さんはきっと目の上辺りに乗っかってたのかしらね?
すごい絵面!これ体勢がキモですよね?
位置関係を想像して楽しみました。
オイニーが気になりましたが、風呂上がりで大丈夫だった(良かった?)んでしょう。

それはさておき、紅葉色の狐って表現がとてもいいなぁと思いました。赤いきつねではちょっとまぁムニャムニャ…笑

ねぼすけうさぎにはイラっとしましたけど、最初から分かってるより結果的には気持ちは高まって良かったのでしょう。

猫は可愛かったし、ハプニング大賞もののエピソードありで楽しかったです。
笠井先生の絵がとても良い効果をもたらしています。


0

ネコ好きさんにオススメしたい

途中までは、許されない恋に胸を焦がす千明(受け)の切なさにギュギュ〜ン!と胸よじらせてました。

が、しかし。
うっかり尻餅ついてしまった千明の孔に、まさかの……。

攻めの紅葉の本来の姿は妖狐なんですね。
だから、この時は狐の姿に戻ってたのかなぁ?
それなら、まぁ人間よりも尖ってるし、あれがうっかりということもあり得る(ありえないが)かもしれない……
でもそんな描写どこにもないし……
と、思ってたら挿絵も人間のままで。

もう笑ってしまってダメ。
切なさ吹っ飛んだ。

そして、お尻に異物を挿入して抜けなくなって搬送される人たちの言い訳「尻餅ついたら、そこにはレモンがあって‥‥」を思い出してしまいました。

それと飼っている仔猫がめちゃくちゃかわいい。
にゃ、にゃ、にゃ!!連発しまくりで、しまいには人間の言葉を話すようになるんだけど、そこもめちゃくちゃかわいい。

切なさにキュンキュン、猫で癒され、エロで吹き出す。
そんな一冊でした。



3

仔猫がかわいい


呪術師一族の末裔で翻訳家の花染千明(受け)は希代の大呪術師だった大叔父の遺した家を譲り受け引っ越しをしたその日、担当編集から譲りうけた仔猫(猫宮と命名)が玩具にしていた指輪を戯れにはめてみると突然赤狐・朱理(攻め)が現れます。
この指輪を大叔父が作った使い魔召喚の呪具だと察し、朱理の外見にとても好感を持った千明はうっかり契約してしまうのですが、直後に朱理はすでに主が決まっている式神だったということがわかるのです。
あわてて指輪を外そうとするのですが、ぴったりはまった指輪はびくともしません。


千明は呪術師の家系ですが、見鬼の力をもつのみで呪力を持っていません。
翻訳業界一のクールビューティーといわれる美貌の持ち主ですが、ゲイな上恋愛運がとことん悪く、好きになる人は異性愛者かすでにパートナーがいる人ばかりですっかり諦めてしまっています。
ずっと実家住まいでしたが、兄嫁が妊娠したことを契機に実家を出、一人暮らしを始めます。寂しさを紛らわすため猫を飼おうと決めていたのですが、偶然担当編集者から頼まれて猫宮を譲りうけるのです。
かわいい仔猫に綺麗な赤狐を手に入れて、喜んだのもつかの間、式神泥棒だとわかり非常に焦ることになります。


朱理改め紅葉は生まれたときから契約する主が決まっていた妖狐でした。
主にしか召喚されないはずなのに、呪具を作った術者の力が大きかったからか呼び出されてしまい、契約してしまいます。
主以外と契約したとわかれば、間違いであっても神より罰を受け幽鬼にされてしまいます。
生まれたときからずっと主に召喚される時を心待ちにしていた紅葉は千明に激怒し解除方法を早く見つけるようにと迫ります。

契約解除はうまくいくのでしょうか?本当の主とは?
契約相手が違うということで紅葉ははじめから激怒しており、二人の仲はあまり芳しくありません。申し訳ない気持ちでいっぱいで早く契約解除の方法を見つけようと頑張る千明に好感が持てます。
千明は解除方法を見つける手伝いといって家事を一手に引き受けてくれる紅葉にどんどん惹かれていくのです。
今まではパートナーがいると知らずに好きになった相手はすぐに諦めてきたのに、今回ははじめから主がいるとわかっていたのに惹かれる気持ちにブレーキをかけられず苦しみます。想いを返してもらっても返してもらえなくても地獄が待ってる恋に苦しむ千明が切ないです。
それは紅葉も同じだったようで・・・
最終的に幽鬼になっても構わないとまで言って求愛する紅葉の決意にも、それだけはしたくないと思う千明とのすれ違いもどちらの気持ちもわかるだけにとても辛いです。

結局、なんとも人騒がせな神の眷属のおかげで二人はかなーり苦しむ羽目になったし、本家の当主は蒼白になったし、母親も本当に心配したことだと思います。
神とういものは本当に気まぐれで厄介なものだと思ってしまいました。
二人が誰憚ることなく恋仲になれた時は、本当ならもっと早くに二人が出会えたはずなのにとかこの2人の苦しんだのはなんだったのかとか色々思いましたが、二人は過去よりも未来を見ることに決めたようなので、今までの分沢山幸せになってほしいと思いました。

千明は孤独に怯えていましたが、今回のことで母親の愛の深さを感じることができたのではないかと思います。最後まで千明を守ろうとする行動は心打たれました。

そして、なんといっても仔猫の猫宮がとても存在感があります。賢くて可愛くて、二人の子供のようで、無邪気に遊んだり勉強したりする姿はこの話の癒しでした。特に花に乗って飛ぶところは完全メルヘンでした。

2

え?あれが入っちゃうんですか?

可愛い!
BLって可愛いお話が多い訳なんですけれども、その中でもこれは可愛い!
主要等常人物(正確には人間じゃない方が多いのですけれども)がみんな可愛い!

「妖狐を召喚した呪具の指輪がそういう事であるなら、結果はきっとこうだよね」と最初から充分想像出来る話運びなんですね、このお話。だから、誤解・思い込みの所為で何度も繰り返される気持ちのすれ違いは、お話の進行に必要なことではないんだと思うのです。
偏に、千明と紅葉と猫宮の可愛らしさを示す為なんじゃないのかな、と。

鳥谷さんのお話らしく、千明の『好きになった人とは決して結ばれない』という切ない思い(思い込み?)を挟みつつ、物語自体はお見事なコメディです。ゲラゲラ笑うのではなく、クスッと笑うタイプの。
私なんか実人生において千明の様に『悪気があった訳じゃないのにとんでもないことをやってしまって尻拭いに追われる』ことがままあるものですから、もう、感情移入しちゃってね、苦笑いも多少ありました。
ただ、一番幸せな気持ちで笑ったのは、ラスト種明かしの部分です。
本当はこの大騒動って起きる必要がないものだったって解るんですよ、話さえ通じていれば。
でも、あの時は『話の通じようがなかった』のよね。
不条理かつメチャメチャ可愛らしいこのシーンをお読みいただいて、クスッと笑っていただきたい。ホワッと幸せになれます。

あともうひとつ。
あまりのぶっ飛び方に笑ったのは、濡れ場でございました。
私、BL小説を結構読んできたと思うのです。
このジャンルでは、あそこに色々なものが入れられたり、入っちゃったりするんですが……
えー!?
これが入っちゃうお話は読んだことない。
衝撃的でした。
そして、かなり笑わせていただきました。

2

猫宮にメロメロ

ファンタジー物です。
うーん、どうも萌えきれず。
なんだか全体に説明調な文章に感じました。

ほとんどすれ違ってます。
千明が初恋を実感するまで、恋を自覚して主のいる紅葉を切なく思う様子。
ファンタジー物ですからある程度の説明は必要ですが、それだけではないような気がしました。

紅葉も千明に一目で引かれ主ではなかったこと、それでも引かれて仕方がないことに葛藤してたんですね。どんどん態度が軟化していきますが、千明には契約を解く為の世話焼きだと思われてます。

なんとなくそうなのではないかなと思ってた通り、実は千明が!
相思相愛で最後にやっと結ばれます。
今回も美形の攻めと翻訳界のクールビューティーの美しい受け。二人とも童貞。美味しい設定です。
なのに何故かそこまで萌えられなかった。

紅葉に性癖を覚えさせちゃいましたね!ここは鳥谷さんらしさですかね。

子猫の猫宮にとっても癒されます。最初からただの子猫ではなかったのでは?というくらい賢い子猫でした。言葉や妖術まで覚えて!紅葉が自分がいなくなっても千明が寂しくないようにって優しいですね。

契約の主ではないと思ってもお互いに引かれて仕方がないのはやっぱり本当の契約者だったからなんですね。千明の契約の印は生まれてから契約したからないのかな?

紅葉が猫宮を意外なほど世話しますね。千明がいなくても二人で猫宮の修学旅行に行くとか。

途中まではくっつくよね?大丈夫だよね?もし主じゃなくても方法はあるよね?とハラハラしましたが大団円で良かったです。

1

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