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目を閉じても光は見えるよ

me wo tojitemo hikari wa mieruyo

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表題作目を閉じても光は見えるよ

猪原 仁,35歳,人気AV男優,ゲイビタチ男優
天羽光,ゲイビネコ男優

同時収録作品水曜の朝、午前3時30分

カンちゃん(莞二),光生の兄の舎弟
光生,DV兄にひどいことをされていた弟

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • カバー下 おまけ「セルフつっこみやぶへびまんが」
  • カバー下 あとがき+「チェリーボンボンのなかまたち」

あらすじ

あぁ、なんてまぶしいんだろ…

体の隅々まで俺たちは
その形や味を知り尽くしていたが、
体以外はなんにも
知らないのだったーーー…

人気AV男優の仁はある日、ゲイビ出演の話を持ちかけられた。
そこで出会ったネコ男優の光と体の相性がよかったため、ふたりはバディを組み、頻繁に共演することになる。
仁と光のバディは人気を集め、順調に売れていたが、実際は仕事上の体の関係だけでお互いのプライベートのことは全く知らなかった。
しかしある時、ふたりは同じマンションに住んでいることが判明し…。

フィクションの中から生まれる、ノンフィクションの愛を描いた感動作。

光の過去を描いた、丸木戸マキデビュー作「水曜の朝、午前3時30分」も収録!

バツイチ子持ちのAV男優xある過去をもつゲイビネコ男優

作品情報

作品名
目を閉じても光は見えるよ
著者
丸木戸マキ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ホーム社
レーベル
アイズコミックス.Bloom
発売日
電子発売日
ISBN
9784834262988
4.3

(390)

(227)

萌々

(98)

(47)

中立

(9)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
29
得点
1677
評価数
390
平均
4.3 / 5
神率
58.2%

レビュー投稿数29

人間ドラマ

読み応えがありました。

ゲイビ男優どうしのお話で体の隅々は知り尽くしているけど、お互いのプライベートは一切知らないといったいわゆる「体先行のお付き合い→やがて心も」のパターンの一つかなと思って読み始めたのですが、こんなに重くてこんなに深いお話になるとは予想もしていなかったです。

攻めのグレかけている息子に語りかける言葉から、受けが普通ではない過去を背負っているのだろうなと予想はしていましたが、予想を超えていました。
その受けの過去の核心部分が描かれているのが、同時収録作の「水曜の朝、午前3時30分」なのですがこれが2015年の商業誌デビュー作品だというのには驚きました。
こんな題材を選ぶなんて、しかもデビュー作に…丸木戸さんってすごいなぁって思いました。
「アケミちゃん」も女を犯して逮捕された攻めという非常に共感しづらいキャラをあえて描くところがすごいなと思ってましたけど、デビュー作でこれならその後の作品の完成度なども充分納得です。

今回の収録に際し手直ししたとありましたが描きたかったことは変わっていないのでしょうから、丸木戸さんってただのお花畑ハッピー♪な漫画を描きたいわけじゃないんだなとつくづく思い知りました。まぁそれはインディゴの気分とかアケミちゃんとかで重々判っていたはずなのですが、このデビュー作で改めて思い知らされたのと同時にガンと頭を殴られたような衝撃を受けました。

ゲイビ監督が語る「叩けば埃が出るような人間、この業界は特にいっぱいいるけど、塵とか埃だって光をあてたら案外キラキラしてきれいじゃない?」というセリフがこの作品の全てを表していると思います。
ハッピーエンドではありますが、受けが犯した罪や闇を知っているからこそ光が尊く感じられるといった描き方が好きです。

「世界で一番大好きだった人」が笑っている姿を見て、ここで生きてる…といって受けが泣くシーン、私も一緒に泣いてしまいました。あとは、「ねー、かんちゃん」と一人で呼びかけて涙溢れさせるシーンも泣いてしまった。
受けが誰と着地するのか途中わからなくなりかけたのですが、誰とくっついてもいいなぁと思ったところも私は好きでした。攻めもいいし、攻めの息子も年齢差はあるけど将来的になんか良さそうだし、そして過去の恋人でもいいなぁと思いました。過去の恋人の幸せを見届ける手助けをしてくれた攻めに寄り添い、タイトルの意味につながるラストが本当に良かったです。

深くて重いと書きましたが暗くて息がつまるような重さが始終漂っている訳ではありませんのでご安心を。なかなか商魂たくましいゲイビ監督なども登場するし、力の抜けたシーンもあって絶妙な塩梅だと思います。

30

衝撃的なデビュー作と、味わい深さが沁みてくる表題作。

デビュー作「水曜の朝、午前3時30分」でガツンと殴られたような衝撃を受け、表題作は読めば読むほど味わい深くなっていく…
どちらも同じ男のことを描いているのに、感じ方がまったく違うストーリーです。
表題作はゲイビネコ男優となった現在、デビュー作は彼の重たい過去のことが描かれています。

●「目を閉じても光は見えるよ」
AV俳優からゲイビタチ男優になった仁と、ネコ男優の光は、バディとして共演し続け、カラダの隅々まで知り尽くしているのに、光は周囲の人間と距離を置いているから、仁は光のことを何も知らない。
この光の頑なさは、デビュー作に描かれた過去に原因があります。

そして光が深刻なストーカー被害に遭って、仁もゲイビ会社のメンバーも心配してくれていることに気付いた光は心を開き、仁とはプライベートでも親しくするようになる。

仁は愛情がよくわからなくて、騙されて子供を作られた時はパイプカットをしてしまうくらいぶっ壊れてる男。
光は心を過去に置いてきたままで、今を生きてる感じがしない男。
そんな二人が素の部分を見せながら、”恋”ではなく”人と人”として距離を縮めていく。

でもうまくいきかけたところで、光の過去が暴かれ、周囲に迷惑がかからないよう光は引退することに…
そこで仁は光を取り戻すために、あえて光の過去に対峙させる。
光こと光生の辛い過去の中で、唯一の”光”だった、王子様のカンちゃん。恋しくて会いたくて仕方がないのに、会うことが許されなかった人…
カンちゃんを見つけた瞬間の光の表情が切なすぎて心臓が痛いです。

過去は過去のままで、現在にはつながらなかったけど、誰かの”1番”になってみたかった光の願いは、仁によって叶えられる。

仁と光はカラダの相性が良くて、ゲイビ撮影中の光は演技じゃなくイきまくっていて視覚的にめちゃくちゃエロいです。
でも、”1番”になった後のセックスは、カラダだけじゃなくて心まで満たされていく、眩しい”光”そのもの…
デビュー作を読んでから、このシーンを読み返すと、あの光生が”光”の中にいることがさらに嬉しくなります!


●「水曜の朝、午前3時30分」
光の本名は光生。兄からひどい虐待を受けていた。
そんな光生をどん底の中から、罪を犯してまで救ってくれたのがカンちゃん。
虐げられていた光生は子供みたいに優しさに弱くて、純粋で、今まで不幸だった分、王子様と手をつないだまま歩いていけたらいいのに、そう願わずにはいられない切ない話です。
その後の二人がどうなるのかは、表題作で知ってしまっているから余計に切ない…
重さと切なさをしばらく引きずってしまいます。

もしこのデビュー作が初読みだったら、この作家さんがこの後どんな話を描くのか期待しまくっていたと思います。
丸木戸先生の既刊コミックスはすべて読んでいるから、その期待を裏切られないことを私は知っていますが、できることならこのデビュー作で衝撃を受けたまま、その後の作品達を順番通りに追いかけたかった。

デビュー作の衝撃と、表題作の味わい深さと、感じ方はまったく違うけど、両方ともが両方を引き立て合っている一冊です。

17

タイトルも沁みます!!!

余韻が残りまくりで何から言って良いやら…。
あとがきで丸木戸さんがおっしゃっていましたがメロドラマ上等ですよ!
ゲイビ出演した相棒の重い過去が本当に重い……。
身内でクズがいると巻き込まれて可哀想過ぎますね…。
ちょっとどこか壊れていそうだけど
健気で気配りの出来る光がとても愛おしいのです!!

タチ専の仁も、常識人かと思いきや
人を愛する感覚がちょっと違っていて
まぁそういうタイプだからこそAV男優出来ていたんでしょうけど
(語弊があったらすみません。商売に貴賤はありません)
その仁が、光に情を持ち始めて
仕事の相棒の域を超えて光の心を解放させてあげたのが
めちゃくちゃじーんと来ました!!
あー泣けました…。

仁の元妻も大概な人で、息子・斗真くんが最初気の毒でしたが
これからはお父さんといい関係でいられそうで良かった。
というか恋敵ってしんどいな!ww
“何かのはずみで3Pとかありそう…”(カバー裏)…!?
よ…読みたいです……!!
不道徳……そうですか…でもばっちこいですすみません…。

プロデューサー・マリ子さんの商売魂が逞しすぎる!!!ww
でもちゃんとしっかりチームの皆に愛情を感じますし
非常に飲み仲間になりたいです…
そして、あれで腐女子じゃないなんて意外!
番外編、仁には申し訳ないけど私も切望www
隆二もセバスチャンもアリです大アリ!!!ww
でもホント、バディ制は滾るわー…。
マリ子さんわかってるわー…。
もしリアルであったら円盤買ってしまいそうです!
イベントにも参加してみたい!!

デビュー作の読み切り作品から
このように深みのある1冊にしてしまえるなんて素晴らしいなぁ…。
お話は重いですが
ところどころで丸木戸さんのギャグセンスがまた光っていますし
しかもえっちで人情ものでって盛りだくさん万歳!!!

13

日◯ピンク映画BL版!

ポルノグラファー、インディゴの気分、アケミちゃん。そして本作品。

とにかく、先生が書いた作品の共通した雰囲気が大、大、大好物なんです。

何かタバコの白い煙のようなものが立ち込めてるような、もやがかかったような雰囲気をストーリーとイラストのタッチが醸し出してるんですよねー。

なんでしょね、お話は全く違うのに(インディゴはポルノグラファーのスピンオフだけど)共通して、平成の物語なんだけどテイストが昭和初期のような…。
えーと、団地妻シリーズとか撮った◯活ピンク映画のBL版のようなお色気が漂ってるというか。
どのお話も隠秘でラストも明るいけど晴れ時々曇りくらいの明るさ。
とにかくこれ以上駄文を重ねても仕方ないわ。

あとは先生が描く物語は男同士でなくては成り立たないある意味正統派BL。
男同士の葛藤が大なり小なり入ってる。当たり前だけど、最近は「えーとノンケ同士だけど、そんなにツッタカターの勢いでくっついちゃってるねー」な作品も多いので。
本作もかんちゃんの事は男同士の葛藤が描かれてて刹那かった。

でも1つ疑問なのは
「水曜の朝、午前3時30分」
はこの順番の掲載でいいのかなぁ。
私的には間に挟んで読後感をもっと良くしてほしいような、でも書き下ろしの釣りシーンがあるから救われてるような…。

ただ、「ポルノグラファー」からの「インディゴの気分」への順序が神ってる!と思ったので先生が考えた順序だからコレがベストなのかな?
それとも独立した作品だから後につけたのかな?

でも、いや〜BLよんだなぁ、という気にさせてくれた一冊でした。

12

たまたま手に取ったらすごく良かった

何の前情報もなく、某電子配信サイトで試し読みして気になって買った感想です。
ポルノグラファーの作者さんとは知らずに買いました。
以前読んだことがあるそちらは私にはそれほど刺さらなかったのだけど、こっちはものすっっごくよかったです。

変なとこリアルだし綺麗ごとばかりではないし、
登場人物全員が善人な部分ばかりではなく人間としてどうしようもない部分も持ってるんだけど、すごく惹き込まれて一気に読みました。
どこか歪な人間同士が紆余曲折を経て割れ鍋綴じ蓋になるまでの話。

重い話でも最終的に報われてそれぞれが幸せになる
っていうのが好きな人にはかなりおすすめです。
ARUKUさんや凪良ゆうさんのストーリーが好きな人には刺さりそうだと思いました。

10

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