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上下巻と聞いていた当作、どんなお話だろうと楽しみにしていたら、なんとなんと、来月を待て!という状態で上巻は終わってしまいました(泣)上下巻だから、うん、そうなるよな とは思いつつ、先生、あんまりですーと、つい愚痴りたくなりました。きっと私みたいに思っている人は何人もいるに違いない。
書下ろし320Pほど。
色っぽいお話は少なく、ただただ感情が入り乱れていて、私には終着点が全く読めませんでした。そして主要キャラが全部で何人いるんだ?というぐらいいて、皆、作内で自己主張するキャラだから大変。どのキャラも魅力的なので、どこに視点を絞ろうか、すごく困ります。
王道のお話ではないです、多分、正解もない気がします。頼むから早く来月になってくれー。
登場人物は以下のような方々。
宮龍之介:高校3年生。日本人とスペイン人のハーフ。表紙の右側。父親は元からおらず、母親は死別。
古林鼎:陶芸家。龍の叔父。37歳。龍を引き取る。
高砂沙耶花(♂):カフェ店主。表紙の左側。
万座:40代、娘のいるシングルファーザー(死別)。鼎のパトロン。
十階国生:龍の同級生。
この5人は割と最初の方から出てくるのですが、途中からまだ増えます。
******* 以下は内容に更に触れる感想
龍が幼少期に幸せ薄い状態だったのに、更に手ひどい目にあっていて、今、龍が気になって気になってしょうがない。先生、お願いですから早く彼を幸せにしてあげてください(泣)早く温かいブランケットでくるんであげたい(泣)1か月も待つのが超ツライです。これは上下巻そろってから読んだ方がよかったかもという気が少しします。読む前に少し気合入れてお読みいただくことを推奨します。
作家買い。
ネタバレ含んでいます。ご注意を。
主要な登場人物は5人。
高校生の龍之介。
龍之介の母親の弟で、姉(龍之介のお母さん)亡きあと龍之介を引き取り育てている新進気鋭の陶芸家の鼎。
鼎の友人・高砂。
龍之介の幼馴染で親友の国生。
鼎のスポンサーであり、愛人でもある万座。
視点はほぼ龍之介で進むこともあって彼が主人公なのかと思いきや、この5人の関係が複雑で、だれが主人公、と言い切れない濃ゆいお話。全員が全員、それぞれキャラがたっている。
龍之介は物心ついた時からスペイン人という父親の顔を知らず、水商売をして自分を育ててくれた母も子どもの頃に事故死する。もともとネグレクト気味だった母親ではあったものの、それでも母を亡くし天涯孤独になった龍之介の子ども時代が過酷すぎる。
そんな龍之介を引き取り育ててくれた鼎との出会いによって龍之介の人生は一変するのだけれど、それでもなお、彼の子ども時代の記憶が彼の性格を決定づけている。そして、その彼の性格がこのストーリーの大きなキモになっているのは、さすが凪良さんといった展開でした。
龍之介はめっちゃいい子なのだけれど、出てくる登場人物たちもまた、みんないい人なんだな…。
綺麗なビジュアルに相反するような、豪胆の性格の鼎。
その鼎に恋する国生も、そして万座さんも、いい男なんです。
そして、鼎の良き友人である高砂さんも。
なので、彼らの秘めた恋心がなんとも切ない。
序盤は鼎を国生と万座さんのどちらが手に入れるのか、という話なのかと思いつつ読んでいたのだけれど、え、そうくる?という鼎の切ない恋心に萌えがぎゅんと滾り、そして落涙した。
登場人物が多い今作品において、誰に感情移入するか、誰に共感できるか、で読み方が変わるように思います。
お互い、みんな大事な人で、形は違えど愛情に満ちた関係の彼ら。
そんな関係の彼らの恋のゆくえはいかに。
できれば、だれもが泣くことなく、丸く収まってほしいのだけれど。
登場人物が多く、伏線がそこかしこに撒かれた複雑なストーリーであるのにもかかわらず、伏線を回収しつつ話が絡まることなく進んでいく展開はさすが凪良さんといったところか。
終盤に「爆弾」が落とされたところで上巻は終わり。
これから彼らがどういう未来を描いていくのか、非常に楽しみです。
早く下巻が読みたいです。
4人交互視点という事で、どんな感じなのか…と発売を楽しみにしてました。
以下、あらすじ無視な感想たれ流しで失礼します。
登場人物は、各々視点がある龍・鼎・高砂・国生の4人+α。
この龍の健気さ・いじらしさ・控えめさ…龍の生き方丸ごと愛おしくて仕方なかったです。
幼い時の様子に涙しそうになりました。
悲惨な経験をした後鼎の深い愛情を貰って今の龍がある訳なんですが、鼎と高砂の気持ちが痛いほど分かります。
高砂の「僕はひとりじゃない。だから怖くない」というおまじないのような言葉を貰い、鼎の元に戻って龍が言った言葉に涙腺崩壊しました。
この高砂がまた良い男すぎて、この罪作りな男めー!となるんですよね…(^^;;
それぞれの想いが絡み合って、それを知った龍が居なくなったところで次巻へ。
頼むから龍を幸せにしてやってくれ…と願いながら、来月を待とうと思います。
凪良先生初の四角関係!正確には4.5角関係くらいかもしれませんが。一昔前のトレンディドラマを見ているようでした(笑)。
基本的にドロドロした恋愛ものは苦手なのですが、最後まで抵抗なく読めたのは、四人の心情や関係性が複雑に絡み合っていて、まるで恋愛を軸としたミステリーを読んでるような感覚がしたからかもしれません。
個人的には、高砂×鼎の組み合わせが一番好きなのですが、余った高校生コンビでくっつくとは思えないので、下巻で私の期待は裏切られることになるんでしょうね(泣)。怖いもの見たさで下巻を待ちます。
途中頃に「凪良さん版『真夏の夜の夢?』」と思うほど、思慕の念が交錯して先が見えない展開です。あ、シェイクスピアみたいにあっけらかんとはしていませんが。お話のトーンはしっとりしています。
主人公の龍之介君は、父が不明、幼い頃に仕事に出たまま母が事故死ししたことを知らず、10日間も一人で母の帰りを待っていて食べるものがなくなったためにゴミ箱をあさっているところを保護されたという強烈な過去を持っています。その後、陶芸家の叔父、鼎に引き取られ大いなる愛情を注がれて素直な良い子に育つのですが、過去の経験のせいで無条件に甘えられない=本当の意味で人の愛情を信じられない人になってしまっています。この辺はとっても凪良節。
この龍之介と鼎、鼎の親友の高砂(世界的なジュエリーサロンの御曹司ながら、妾腹だったが故に父の死後正妻の息子たちの嫌がらせを受け、職を辞して鼎や龍之介の住む田舎でカフェを開業中。スマートなゲイ)、龍之介の幼馴染で鼎に惚れている国生の四人が、それぞれ好きになった人への想いと、それとは別の家族愛や友情の間で右往左往する様が、章によって次々と変わる視点で描かれます。
読み終わって思ったのは「愛にも色々あってだからややこしい」ということ。
好きな人に真っ直ぐに向かって行けるものだけではない。
登場人物は日常にゴロゴロいる人たちではないのですが、描いてる世界はとても現実的で、身につまされるものだと思います。