セキュリティ・ブランケット(下)

security blanket

セキュリティ・ブランケット(下)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神50
  • 萌×219
  • 萌5
  • 中立5
  • しゅみじゃない3

106

レビュー数
14
得点
346
評価数
82
平均
4.3 / 5
神率
61%
著者
凪良ゆう 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
ミドリノエバ 
媒体
BL小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
セキュリティ・ブランケット
発売日
価格
¥650(税抜)  ¥702(税込)
ISBN
9784199009037

あらすじ

生まれたばかりの恋心より、鼎ちゃんが大切だ──。一度は高砂への想いを封印した宮。けれど突然現れた実の父親、
鼎との関係を隠していた国生、高校時代から高砂を好きだったらしい鼎──大事な人達が抱える想いに翻弄される宮は、
ついに自分の心と向き合おうと決心する。ところが急遽、高砂が仕事の再開のため渡仏すると知り…!? 傷つきやすい青年達が見つけた四つの真実の愛、完結!!

表題作セキュリティ・ブランケット(下)

高砂沙耶花、鼎の友人でカフェのオーナー
宮龍之介、叔父の鼎と暮らす高校生

同時収録作品セキュリティ・ブランケット(下)

十階国生、鼎にべたぼれの宮の友人
小林鼎、甥を育てる高名な陶芸家

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数14

大団円

『セキュリティ・ブランケット』の下巻。上巻が良いところで終わっていて、下巻の発売を今か今かと心待ちにしていました。

すみません、ネタバレ含んでいます。






高砂と龍之介。
鼎と国生、そして万座。
上巻ではこの5人の男たちの恋模様が描かれていましたが、下巻では万座さんは抜け、残りの4人の男たちのお話に。

鼎が高砂のことが好き。
それだけでもまだ若い龍之介を混乱させるに十分な情報だったわけですが、さらにそこに龍之介の父親という男性が登場します。

母と自分を捨てた男。
そう思っていた龍之介(と鼎)なわけですが、実は…。

誰よりも大切な人である鼎のために高砂への想いを封印しようとする龍之介。
高砂への秘めた想いを抱え、そして万座をも失った鼎。
そして龍之介を捨てたはずの父親の登場。

展開としてはシリアスに分類されるかと思うのですが、凪良さんのテンポの良い描写で描かれていて重すぎず、けれど彼らの気持ちを軽んじた展開にもなっていない。

高砂、龍之介、鼎、そして国生。
彼らが選ぶ「未来」はー。

お互いがお互いを想う。
全員が優しく、自分のことよりも愛する人たちのためにと心を砕く。その想いに落涙しました。

タイプの異なる男性が出てくるので、読み手の好みを網羅している作品かと思います。個人的には鼎が一番ツボに入るキャラなので、とにかく鼎に幸せになってほしくてたまらなかった。

37歳と18歳の恋。
高砂さんと鼎は大人組ですが、しかも二人ともしっかりしている男性たちですが、それでも恋をすると途端に可愛くなってしまう。恋に翻弄されるのは、年齢は関係ないんだなあと微笑ましくなってしまいました。

それと、ミドリノエバさんの描かれた挿絵も美しかった。イメージにぴったりでした。
特に表紙…!
和服姿の鼎の美しさに、ため息が出ました。

9

文芸作品として素晴らしかった

今まで読んだBL小説でここまで右往左往振り回されるのは初めてでした。スポットが一つに当たる作品ではないので、
どうかあらすじも読まずに飛び込んで貰った方が楽しめるのではないかと思いました。
一体誰が誰と結ばれるの?と。

ここからネタバレで。

不憫な宮くんにぐっと感情が動かされる上巻でした。
そんな宮くんが幸せになるのは心から喜ばしいのですが、個人的に宮くんと高砂さんの恋愛プロセスよりも高砂さんと鼎さんのプロセスの方が重厚で、長年想いあってすれ違う二人が通じ合えるその舞台が整ったとあっては・・・と思ってしまいました。
宮くん、鼎さんがそれぞれ良くも悪くも障害になってしまったところがこの作品でどちらに傾いても気持ち良くなれない部分でした。まぁそれがリアルなんじゃないだろうか!
相手の幸せを思って身を引く愛に共感出来たのですが、本作で高砂さんが他者を思って身を引けてしまうくらいの愛ではというニュアンスの対比に衝撃を感じました。なるほどな!
下巻では国生くんの真っ直ぐな健気さがわたしの中でピークでした。国生くんは脅迫と体から始まった鼎さんとの関係をこれからどう紡ぐ中々ドラマがありそうで期待大です!
思うところは色々ありましたが、複雑に絡まり合い、錯綜する4人+万座さんの物語は文芸作品として素晴らしい作品でした。

7

みんなそれぞれの世界を生きているからこそ

「みんなそれぞれ自分の気持ちがあって、同じ物事でも解釈が違う」
下巻前半に出てくる龍之介のモノローグです。

せつない恋のお話にこういう言葉を挟み込んでくるから、私は凪良さんを絶賛したくなってしまうのです。なんというか「正しく美しい人だなあ」。
両思いの龍之介と高砂がどうして上巻で結ばれないのかと言ったら、前述の境地に立たない想いはすぐに揺らいでしまうからなんだろうと思います。
自分だけの感情から、他者がいる社会に気づくこと。その上で自分の想いを遂げようと全力を尽くすこと。これこそが「君は一人じゃない」ってことですよねっ。その素晴らしさを描いて、満足の下巻でした。

結局、誰と誰が想いを遂げたのかは書かないでおきます(ご自分の目で確かめた方が面白いと思うので)。書いておきたいのは、龍之介と国生の『子ども組』が、このお話をくぐり抜けたことで『いい男になる階段を登った』ということ。
こういう『お話が終わった後でもその後に想いを馳せることの出来る話』は、読後感がサイコー、って思いました。

6

想いがほどけて結ばれて あふれる感情

宮、鼎、高砂、国生、万座の五人が、大切な人の幸せのために悩み苦しみながら行動する下巻。
絡まった想いが少しずつほどけ、また新たに結ばれていくのですが、そこには痛みや切なさ、喜び、戸惑い、ときめきなど、様々な感情があふれていて、とても胸にしみました。

一番印象的だったのが、温泉宿で鼎と高砂が自らの恋を振り返る場面。
二人を結びつけようとする若者たちの荒っぽい思いやりに、二人が苦笑しながら「高校生に戻れたらどうしたい?」と話すくだりが、本当に切なくて。
最後まで高砂に好きだと言えなかった鼎は、心の中で思うのです。
そのときは今度こそ高砂に想いを告げるだろう、でもそれは無理な話で夢なんだ、と。
そして長年の片恋を痛みとともに手放します。
一方高砂も、告白していたらどんな人生になっただろうと、興味とともに鼎への恋心を懐かしみます。
恋よりも友情を選んだ二人。今の鼎には宮への親心もありました。
大人になると守るものができて、一心に恋に飛び込むことはできなくなる。
それは少し悲しいけれど、穏やかに恋をほどく二人は本当に素敵だと思いました。

そしてなんといってもドキドキしたのは、鼎が戸惑いながらも国生に大きく傾くくだりです。
国生は鼎の幸せを一心に考えて、万座ともう一度結びつけようと奔走したり、鼎の体調を見抜いてフォローしたり。以前からは考えられない成長ぶり。
でもやっぱり、「鼎さんのことが全部知りたいんだ。」と、追いかけてくる青さがあって。
19も年下のまぶしい若者に気持ちをかけるのが怖い。でも、まだどうなるのか分からない…。
こんな風に揺れてこそ、恋じゃないでしょうか。
芯の強い鼎の心を揺らすには、万座は分別がありすぎたのかもしれません。
一度ほどけた鼎と国生の関係が、新しく恋という形に結ばれる予感がします。

何度も読み返すうちに、大人たちの言葉が若者たちの背中を押しているなあと思いました。
マリアーノの「僕ナラ、好キナ人ニ、幸セニナッテホシイ」がなければ、国生は温泉旅行を計画しなかった気がします。
万座の「相手のためプラス自分のため。このふたつのバランスを取れてやっと愛になるんだよ。」は、国生を悩ませ成長させただけでなく、国生から宮にも伝わって、高砂を追いかける宮を励ます言葉にもなり。
高砂の「きみはひとりじゃない。だから怖くない」は、宮を支えて、そして宮からジェシーに伝わって。
鼎の「お前はお前のことをがんばれ。」は、宮が殻を破って飛び出す勇気をくれて。
大人たちは人生の先輩ではあるけれど、突き動かされた若者二人に翻弄される様子が可愛らしかったです。
そして若者たちより大人たちに共感してしまう自分に気付いて、ちょっと苦笑いしました。

鼎をめぐる、国生、万座、万座の娘の関係は、ますますややこしくなりそうで、続きがとっても気になります。宮と高砂の遠距離恋愛も、やきもちを焼く高砂を見てみたい。
彼らの物語をもっともっと読んでみたいです。

6

愛が溢れる

気になるところで終わった上巻の続き。

鼎、龍、高砂、国生、万座の複雑な恋。それぞれ思うところはあっても、互いに想い合いすぎて、色んなところですれ違いが起きて、辛かったです。でも、5人の複雑な想いが交差して、ようやくひとつ、繋がった時にはほっと安心して感慨深いものがあります。群像劇なので、1つのカップルの話だけではないところが、良い。龍と鼎の家族愛が、1番切なくて、1番好きです。私は龍に注目して読んでいたので、彼の成長と、幸せを掴みに行く姿にきゅっとしました。


若干ネタバレですが、やっぱりどれだけ相思相愛だったとしても、タイミングがあって、それが運命なんだと思いました。あと、鼎には万座さんに甘やかされるのがお似合いだと思うんですよね。個人的な希望として、万座さんに頑張って欲しい…!

3

素敵な人々

夢中になって読みました……お陰で完徹です、若くもないのに……

凪良さんの作品は全部とは言えないまでも、機会があればまとめて買い読み耽る……を繰り返しています

BLというジャンルの中でコミカルもシリアスも幅広く書ける作家さんは稀有ではないでしょうか……

今回の作品、セキュリティ・ブランケットはとても心に沁みました

愛とか恋とか
言葉で一括りにしてしまえば楽だし分かりやすく感じると思えるのですが、でも、それぞれの登場人物の視点を通してその愛とか恋にしたって皆それぞれ違うのだと改めて思いました(金子みすゞは偉大)

主要な登場人物は4人、それにプラス1人(万座さん)といった5人の関係性は書ききるまでとても大変だったのではないかと思います
書き終えたら何かごっそり減ったような満たされたような、そんな心持ちになられたのではないでしょうか(妄想)

視点を変えながら、それぞれの思い、それぞれの葛藤、そしてそれぞれが持つ沢山の情……

そうなんですよねぇ、さっきからこの関係性に『恋愛』とかそういうのがピタリとこないんです

それだけではないだろう、なんか違うだろ、モヤっとしてて具体性に欠けるかもしれないど、でもひっくるめて恋愛ってなんか合わない

そう思ってしまうのです
かといってうまく言葉がでてこないのでwww
多分、私の語彙が少ないせいです

上下巻を通して、皆んな変わっていきます
その変わり方が本当に美しい
それぞれのやり方で
そしてそれをそれぞれが尊重している
とても素敵な印象を受けました

あとがきに『高砂×鼎ルートも可能性としてあった』と凪良さんが触れておられましたが

そうですね、欲を言えばそちらも読みたかったです
登場人物はどれも素敵ですが素敵だからこそ読んでみたいという欲が出ます

でも、結ばれなかったからこそのものが確かにあって
それだけにとてもかけがえのないものにお互い、なり得た2人だからこそ
そのルートは無くて良かったのだとも思っています

そうだな、高校時代の高砂と鼎、そちらはいつか機会があれば読んでみたいな……

きっととても切なくて美しくて愛しくて
だからこその今の2人なのだと応援したくなるんじゃないかな、なんて

最後まで自分の気持ちを伝えなかった高砂と鼎
沢山の帰路にたち、選択を繰り返して今の関係性になった2人がとても愛しかったです

いいじゃないか、好きかと言われれば好きだし
大切かと聞かれれば大切で

そんな人が少なくともいる
それだけで素晴らしい

それが恋人じゃ無くてもいいじゃない
そう思いました







2

素敵なヒューマンドラマ

上下巻ともにずっと積んでいたのを、この度ようやく読めました。
作者さんの思い入れが強いだけあって、ものすごくメッセージ性の強い作品。自分がこのキャラの立場ならどう考える?どう動く?何を選択するのが正解なんだろう、等色々と考えさせられました。
特に感情を縺れさせながらも、着実に成長して強くなっていく子供組に感動…BL小説としての「萌え」というより、ヒューマンドラマを読んだ満足感があります。

ただ一点、歯痒く感じた点を挙げるとすれば、高砂にあまり魅力を感じられなかったことでしょうか。他の3人と比べて心情の描写が浅く、作品を通して大きな成長や変化、決断も感じられず。ごく普通に大人として恋に悩んで、ごく普通にちゃんと考えて手を引いたらまさかの龍之介が会いに来てくれた、ラッキー、みたいな…
メンタル乱高下な他と比べて、安心感はあるものの読者としてはあまり感情移入ができませんでした。
(また、上巻の感想になりますが、ジェシーを窘める為とはいえ龍之介の生い立ちを他人にさくっと話してしまった場面。気分が悪くなりました。)

個人的には、鼎と万座の関係性…お互い愛情を持ちつつも相手より優先するものが明確にあり、切り捨てることができる、というのがとても好きでした。なので終盤の万座の鼎戦線復帰は、むしろ少し残念だったり。笑 国生に頑張ってほしいものです。

6

それぞれの決断

1ヶ月、発売を待ち望んでました!
四者四様(+α?)な恋愛模様、雨降って地固まるといった下巻です。

高砂は鼎が好き、鼎も高砂を好きだと知った(少々誤解有り)龍は高砂を諦めようとします。
同じく鼎を諦めようと頑張る国生と、鼎と高砂をくっつけようと画策したりするんですが、このあたりのもどかしさったら!!
高砂が不憫で…(;ω;)
でも、龍の気持ちも痛いほど分かるんですね。
不幸な幼少時代から一転、溢れんばかりの愛を貰い幸せにしてくれた鼎。
誰より何より鼎が大事だから、鼎に幸せになって貰うため、自分の気持ちを押し殺す龍の姿が痛々しかったです。

鼎の高砂への想い、龍への想いも何とも切ない。
そして鼎の選んだ道が、ホッとしたと同時に悲しくもあり…と、複雑な気持ちになりました。

誰の気持ちに寄り添うかで感想が変わるとは思いますが、客観的に見てハッピーエンドです。
私は最終的に高砂寄りになったので余計にそう思うのかもですが(笑)
何事もタイミングだよな…としみじみ。

完結しましたが、鼎とそのお相手(一応伏せておきます…)の関係は含みを持たせたまま。
数年後の彼らの様子をまた読みたいです。
上下巻通し、恋愛だけでなく家族愛が絡むため、愛が溢れた作品でした。

5

上下巻一気で!

上下巻一気に。
宮くん、ホント良い子で可愛い!
ジェシーとマリアーノもいい味出してる! 

一応絡まった糸は解れたかな~。
宮くんが成長して、愛を知ったのは良かった。
でも個人的には作者さんがあとがきに書かれていた鼎ちゃんと高砂がくっつくバージョンの方が好み。
鼎ちゃんの思い切ない。
タイミングって大事なんだな~と。
友情は一生だし、この2人の結びつきはそんじょそこらの恋愛関係では太刀打ちできないものだと思うけど。
宮くんには3人パパがいる感じでも良かったのにな~って。

宮くん、沢山の愛情受けてすくすく育って、いいオトコというか、まだ男の子感があるけど良かったね。

上巻についていたコミコミ特典SSのような、過去のちょっとした日常とかもっと読みたいです~。
W53cmでやったーな宮くん、可愛すぎ!
このあたりの時のエピソード、可愛くて大好き!

5

自分から踏み出せば

人生にある様々な分岐点で、どんな答えを選んだのか、そして、その結末は…、な下巻。
盛りだくさんだった登場人物たちの中で、主人公の宮と高砂の二人は、ようやく宮が一人で行動を起こしたことでめでたく結ばれて、これで宮の物語としては一応の決着となって、よかった、よかった。
その前に、高砂と鼎の関係にも決着。
人生には何度選択のチャンスがあっても、結局結ばれないめぐり合わせというものはどうしてもあり、行動を起こせなかった後悔も、それはそれとして前に進んでいくのだと。
鼎の物語としては、高砂との関係以外はまだどうなるかわからないけど、それはまた別のお話。

5

雀影

セルフツッコミ
こういう群像劇って、コミックだと、もっとぐちゃぐちゃのドロドロ(肉体関係も込みで)でも全然平気、むしろ好みだったりするのだけれど、本になった小説として読むと結構しんどかった。
絵と文章の差なのかな。

この作品が収納されている本棚

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