電子限定おまけマンガ付
3冊まとめ買いして、一気に読みました。17生徒、は有岡君側からの展開でしたが、本巻はタイトル通り三島先生側からになっています。
でも!三島先生の、ずっと抱えてきた痛くて辛い想いが、有岡くんの様子を表現することで、こんなにも強く鋭く、容赦なく読者である自分に伝わってくるとは!!嗚咽を漏らして泣きました。
津田さんの言葉や態度が、三島先生を何度も深く傷つけてきたことに気づいた有岡君の気持ちを思うと泣けて…。三島先生自身のモノローグや描写からももちろんわかるんですが、先生を真剣に思う有岡君を通すと、何倍にもその辛さが表現されていると思います。
前巻では、17歳であることの真っ直ぐさが、大事にしたいはずの三島先生をズタズタにしてしまいました。しかし、ここでは真っ直ぐであるがゆえに、嫌われていても何とか先生の助けになりたいたい、寄り添いたいという行動に出ます。それが少しずつ先生の心を変えていきつつあるのかな。
先生の好みじゃないブラック缶コーヒーも、「前方不注意で事故とか」と言い訳しながらの見守りも、ホントに可愛らしくて微笑ましくて。前巻での、自分のどうしょうもない恋心をダイレクトにぶつけてしまったのも、同じ有岡君なのですよね。木下けい子先生が描きたいと表記なさっていた「特別感」なんだなあと思いました。
これまでに読んできた木下けい子先生の作品は、オシャレでスマートな大人、でもどこか不器用でコミカルだったり、という印象でしたが、本作は違って、こちらも大好きです。この作品も何回も読むだろうなあ。木下けい子先生、ありがとうございました。
木下先生作品は、さく〜っと自然に流れるように読める上、ツボを押さえているからいろんな感情が刺激され満足感があるのが好きなんですが。
中でも、そんなに表情が変わらないように見えて、めっちゃ感情が伝わってくる、特に目の描かれ方が私は好きでして。
本作ではまさにそれを感じました、
有岡が反省してへこみつつでも三島先生のことが気になる…前巻とは全然違う表情なのが手に取るようにわかって。
それが、三島先生にやさしくされたり、少し心を開いてもらうと、抑えながらもぐっとうれしい表情になる。17歳の幼さもありつつ。
こういうところが木下先生作品の好きなところです。
あと、三島は有岡に自分を重ねて見る。気持ちが痛いほどわかる。
でも、有岡はあきらめていない、そこが若さだし、三島と違うところ。
三島はそこに惹かれてもいる。
その2人の重なりと違いの見せ方も、シンプルでやかりやすいのにしみてくるのが木下先生の上手さだな〜と思います。
有岡が三島とのデートの妄想がかわいかった。
ダッフルコートを着た三島とのデートを想像して「めっちゃいい」と口にしちゃうのが萌えでした。
表紙も良いですね。
男子高校生の涙…エモい。
2巻は三島目線メインで展開します。
高校生からの友人津田に片思いし続けている切なさ、伝えられもせず、諦められもしない自分の気持ちのみっともなさ、が三島を苦しめています。
有岡の自分への気持ちがやっぱり高校時代の自分に重なり、ちょっとずつちょっとずつ有岡を放ってはおけなくなって来てるんじゃないでしょうか…次の3巻で完結なので期待しかないです。
有岡良いですね〜。
1巻でやっちまった後悔を胸に、チャラ男が健気になってくるのが良かったです。
望みはないと言われても、諦めず、自分が忘れさせると言ってしまえる強かさも17歳の青さが出てて堪らんです。
無邪気と生意気と繊細さの混合体のような存在…尊いですね。
17生徒→17教師→17初恋
「僕は君を決して好きになったりしないんだから」って残酷だなぁと思うけど、これはBL漫画だからきっと三島は有岡を好きになるんだろって目線で読むと冷めてしまうという酷い自分…BL慣れも問題がある。
「おじいちゃんになっても一人で星を見るよ」を聞いた有岡の表情が好きです。言いたいことはあるけどまだ言う権利はない。
小塚くんの立ち位置がいい。最近全面的に理解してくれる令和の友達が多いもんだから。
電子限定おまけ漫画を見たりすると、何で有岡は三島が好きなのかな〜って思うけど、好きなもんは仕方ない。
有岡、理転するってよ。
まさかの受験まで2ヶ月の段階で!?
私文クラスだったら、修得教科的に受験自体アウトなこともあるけど!?と思ったら、どうやら国立文系クラスだったようですね。
そんなこんなで続く2人の不毛な片思い。
三島の片思い相手・津田に彼女ができたことから、さらに2人の関係に変化が。
自分が長年こっそりと抱き続けてきた気持ちと、有岡がぶつけてくる気持ちが重なり過ぎて、自分が吐いた有岡を拒絶する言葉に、自分の気持ちも受け入れてもらえない不毛さに改めて気付いて傷つく三島に何とも言えません。
拒絶しながらも、誰にも言えなかった自分の思いを理解してくれる有岡に縋っていくような行動にも、何とも言えません。
大人がずるいんじゃなくて、三島がずるい。
こんなことをされたら、期待するじゃないか…。
それにしても「永遠に実らない恋の同志」という言葉が、きついなー!
自分の恋は実らないという諦めと同時に、有岡へのはっきりした拒絶。
それを受けてもなお、三島のために行動し続ける有岡が切ない。
理転もそうだけど、諦めなければ何とかなる!という、この子の万能感がすごい。
しかもそれをやり遂げられそうなところにも、つい期待してしまいます。
次で完結…。
三島のガチガチな頭と心がどう変化するのか、それともしないのか。
勢いでやってしまったことは良くないこととは言え、基本的に有岡がいい子なだけに、しあわせになってほしいけど、どうなるのだ!?