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「疾風に恋をする」に続く、大正末の大阪を舞台にした作品。
今作は、カバーイラストも、大正モダン風のタイトルロゴや、友禅風に意匠化された鳥や花に囲まれた和装とスリーピースの洋装姿の主役二人、手には帽子っていうところも時代背景をよく表していて好印象。
中身の方は、この!この!! おっとりとした古めかしい関西弁が、もう、最の、高!!で、んまに萌転がるねん。
主人公の梓くん、天然系健気受けちゃんではあるのですが、後ろ向きにいじいじジメジメりせず、ちゃんと「してほしい」って主張したりして、ある意味実に男前。
エチシーンの「あかん」も「いやや」も、感じすぎちゃってどうにかなりそうな「あかん」で、そんな自分の姿に引かれて嫌われちゃったら「いやや」なんて、かわいすぎるでしょ。
登場キャラがみんな、根が善で前向きで、そこが久我作品らしくてよかったです。
伊東七つ生さんの表紙ってとても目を惹くものが多い印象…顔の良さかなぁ?配色?構図?兎にも角にも表紙に惹かれて即購入した覚えがある!タイトルも素敵だし、作家攻めのお話が好きだからってのも手に取った理由のひとつ✨
受けの編集者、梓くんがかわいいの、関西の言葉がすごーくトキメク✨本人ののんびりしている性格のせいか強くない関西弁が耳触りのいい言葉選びになってる気がして心地よい。花街の生まれってのもあるのかな。
喘ぎの「せんせの、コンジョワル…!」「堪忍して!」「出しとくれやす…」は攻めの間宮先生じゃなくてもグッとくるものがある///
間宮先生は最初こそ端的でぶっきらぼうな物言いなのに梓くんと接していくうちにちゃんと自分の気持ちを伝えてくれる所がとても好きだし、情事の後に甲斐甲斐しく梓くんの世話を焼いてくれる、それが気に入っている先生にさらに惚れてしまう…!一人称が「僕」なのも個人的にツボ!
健気な梓くんが懸命に慕ってくれてたらそりゃ無碍に出来ないよね〜
先生がどんどん心を開いてくれて2人の距離が縮まるのが本当に読んでいて梓くんと一緒に一喜一憂した。
本作は小説家×編集者の2人がくっつくまでとくっついてからが書かれていて物凄く美味しい!
梓くんの短髪で撫でたくなる様な、実際その描写も結構ある丸い頭と可愛くて素直なところが体現されてるビジュアル!間宮先生の、偏屈と言われているのが癖の強い髪で表しているかのようなイメージまんまの気難しい作家先生のビジュアル!彫り深いお顔が素敵で伊東七つ生さんの絵が物語の彩りを添えていて本当に大好きなお話になった!梓くんが畳に押し倒されている絵と最後の対面座位の絵は眼福過ぎて必見です✨
またまた久我さんワールドにハマった今作。
大正ロマン×関西弁を久我有加先生が書かれて面白くないわけもなく。
すっかり本の中の雰囲気に浸っていました。
受けさんの梓。
この人にやられない読者が居るなら出会ってみたいものです笑。
なんです、この可愛さは。
今作には芸妓さんも出てきますが、その子よりも人気の出る芸妓さんにもなれそうな
1度ハマったら抜け出せない質の悪い(褒め言葉)最強天然くん。
健気だけどもウジウジさもないなんて、好きな受け設定としてピッタリでした。
それに素直さと関西弁で煽られまくりの攻めさん、よく最後まで耐えましたね!!
攻めさんの間宮は、梓とは違った真っ直ぐな人で。
勘違いされやすい性格をしていますが、根は優しくて誠実なんですよね。
それを一発で見抜いた梓が本当に凄いだけで…笑。
同時収録作品含め、最後まで梓視点のみのお話になるので、
間宮がいつどこでどんな風に感じていたのかが分からなかったのが残念です。
2人の言葉の掛け合い、大正ロマン独特の世界観
最後まで楽しんで気持ちよく読める時代モノなので、
明るい内容の健気受けを欲した時などの
ビタミン摂取としてオススメです(。・ω・。)
世界観がリンクしてる『疾風に恋をする』がまた読みたくなっちゃいました…笑
こちら、大正時代を舞台としておりまして、前作の「疾風に恋をする」とも少しだけリンクした作品になります。
とは言え、完全に独立した作品ですので、こちらだけでも問題無く読めます。
そしてですね、前作もとっても甘かったのですが、今作では主役2人の性格上、更に糖度が高めになっております!!
いやもう、やっぱり久我先生の時代ものは最高!!と大変楽しく読ませていただきました。
内容です。
新米編集者・梓は、震災後の東京から大阪に避難中の人気小説家・間宮が憧れの存在。彼に自社で、何とか作品を執筆してもらえるよう、何度も通い詰めて真摯に頼みますがー・・・。
まずこちら、偏屈な小説家・間宮と、健気でやや天然気味な新米編集者・梓と言うカップリングです。
作品自体は2章に分かれておりまして、前半が小説家と編集者として出会った二人が、執筆依頼という梓の仕事を通して心を通わせ結ばれるまで。
後半が、付き合い始めた二人がやたらイチャついている激甘な日々を経て、ちょっとした誤解ですれ違いなんかも経験し、更に互いに惚れ直して超激甘になると言った所になります。
なんでしょうね・・・。ストーリーとしては失礼ながらありがちな展開なのですが、舞台設定だったり魅力的なキャラクターで肉付けする事で、とても吸引力のある作品に仕上がってると思うのですよ。
作品の全体を通して流れる雰囲気が、大正浪漫と言った感じで華やかな印象を受けるんですね。
また、偏屈ながら、一度懐に入れた相手に対しては驚く程甘い間宮に、健気で小動物のような可愛さを持つ梓。
ひたすら健気に間宮を想い続ける梓にキュンキュンさせられるなら、最初の無愛想ぶりはどこへやら、独占欲を剥き出しにして梓を溺愛する間宮にニヤニヤさせられる・・・。
何と言っても後半の二人のイチャつきぶりがですね、甘いもの好きな私にとっては、もうツボを直撃でして!!
くっつくまでのちょっぴり切ない部分を読み進めたからこそ、より甘く感じられると申しましょうか・・・。なんにせよ、甘々な恋人同士は最高!!と、むせび泣きつつ読ませていただきました。
あと、エロ多めです。
梓がやや天然と言う事で、エッチの時にやたら間宮を煽る台詞を言っちゃうんですね~。いや本人からしたら、自分の素直な気持ちを言ってるだけなんですけど。この一連の、間宮が理性を働かせて加減しようとする→無邪気な台詞で間宮を煽る梓→理性を飛ばして襲いかかる間宮、と言った流れが個人的に萌えまくりました。バカップル、最高・・・!!
と、個人的に大変好みの作品で楽しく読めました。
あと、作品にぴったりあったイラストも雰囲気があってとても素敵でした。
時代物の小説を久しぶりに読んで、いいなぁと思いました。
挿絵の雰囲気が物語とよく合っていて、適所に挿絵が出てくるので気持ちも盛り上がりました。
梓の話し言葉だけでなく、地の文の梓の心情が関西弁なのもいいです。
原稿の依頼に来た編集者の扇谷梓を、作家の間宮照市は不愛想に突っぱねるけど梓にはあまり効いていなくて、
ちぐはぐなやりとりになっているのが面白いです。
障子をそーっと細く開けてこっそり見てみたいです。
梓は元々間宮の作品の愛読者で、一所懸命なあまり間宮に気に入られているのにも気づかない天然ぶり(笑)。
もちろん、そういうところが良いところなんです。
間宮のやきもち爆発がわかりにくくて、もう好きになっている梓が拒絶されてしまうのが可哀想でした。
間宮は大人げないですね。梓の前では、ひとりの男なのでしょうけれど。
心が通じた後の梓の素直さは大胆な方向にいってました。間宮は煽られっぱなしです。
間宮の愛撫は丁寧で熱心なので梓への愛情が感じられました。
好きな人と相性がいいって素晴らしいなと思いました。
「恋の初風」で出張ってくる、東京の出版社の編集者・暮林の飄々とした感じが面白かったです。
暮林もまた原稿の依頼を間宮に断られ、編集者同士で話をしたいと梓に近づいてきます。
後に意外な展開が待っていましたが、暮林が二人の心のすれ違いを修復するので私は渋々許します。
この場面の挿絵がとても素敵で一番好きです。
間宮の生い立ちは随分と複雑でしたが、梓といるこれからはきっと楽しいと思います。
やきもち焼きな作家と素直で純粋な編集者の、面白くて甘々な話でした。
私も間宮先生のご本が読んでみたくなりました。