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ぼくはただの家庭教師で、 君とは体だけの関係でしかない。
何度か表紙は見かけていたものの、これがバレエダンサーになる高校生×家庭教師の大学生とは。分かっていたらすぐ読んでいた…
他者から見ても才能と魅力ある七央に、誘われれば寝るし、助けてと言えば海外でも飛んで行っちゃう澤。
側から見ればそんな男止めとけ案件だけれど、やっぱり好きな人に盲目的な恋のお話は好きだし、憧れてしまいます。
彼女を取っ替え引っ替えしている(バレエを続ける上で振られる)七央は興味本位でカテキョの澤を抱き、関係が続いていきます。
澤は好きな人に抱かれることが嬉しくて、七央が他に彼女を作ろうが、自分を「好き」と言わないとしてもそこまで求めない。
髪が少し長い澤が男に見えないからなのか、七央が元々バイで抵抗ないのか分かりませんが、あっさり関係を持つのが不思議でした。エロは余りエロくない。
数年隔ててからの澤の雰囲気は男っぽさが増して、より性格が出ている気がして読みやすかったです。
他のジャンルで何冊も作品を出されている作者さんとのことで、お話を形作るキーワードの小出しや駆け引きの描写がドラマチックで印象に残るところが見事でした。
ただ線の勢いが個人的に気になり、正直もう少し落ち着いたタッチで描かれていたらもっと感動したなと思うシーンが幾つも有りました。
レビュータイトルはナナオのセリフから
これを高校生が言うんだぜ!?
モテ男のナナオに澤が翻弄されるお話かと思いきや澤も魔性。
どっちも最高のタイミングで爪痕を残して去るんだよね。
ストーリーは流石です。ジゼルになぞらえているからバレエなのね。最後の2人の選択も納得。
ストーリーだけなら万人向けでBL初心者さんにもお勧めしやすいと思いますが、絵柄を含めると一気に評価が下がります。
せっかくのバレエシーンは小さいコマで迫力がないし、ナナオの等身がバレエ男子にしては…。
ロンドンの風景も残念。
以下は完全に私の問題ですが、一番ダメだったのは最中にあの大きな瞳から涙が出ると澤が女子に見えちゃうんです。
そんな訳でビジュアルが気にならないならオススメです!
評価はストーリーは神評価
絵柄はしゅみじゃないなので萌にしました。
バレエダンサーの七央と、家庭教師から会社員になった澤の物語。
この作品は物凄く好きで、何度も読み返しています。沢山好きな所があるので、上手く感想を書けない。
titleのアステ(タ)リスク「*」の意味は「小さい星」(ラテン語経由の古代ギリシア語)
=七央にとっては星は澤のこと。「耀一」を輝く星と解釈している。
=澤にとって星は、どこに居ても光って見える七央のこと。
と、こんな風に相思相愛の二人なのだけど、澤が七央から逃げてしまって中々意思疎通できない。
二人の関わりは、七央が留学した英国へ澤が訪れて、風邪の看病をしたときに、女性コーチが澤に言った言葉が鍵で、粗筋の意図するところだと思った。
「あなたが、七央の【安心毛布】なのね」
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【安心毛布】:英: security blanket 「ライナスの毛布」移行対象、過渡対象
人が物などに執着している状態を指す。
幼児は何かに執着することで安心感を得ている。こうした対象は、乳幼児が「自分は万能ではない」という現実を受け入れていく過程を橋渡しし、母子未分化な状態から分化した状態への「移行」を促す。
成長するにつれ、幼児の時に執着していたものから離れていくが、大人になってからも執着することがある。
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帯には
「好きと言えない。ぼくはただの家庭教師で、君とは体だけの関係でしかない」
と書いてます。
「あなたが ナナオの安心毛布 なのね」とコーチから聞いた後、
父の入院の知らせを受けた澤は、書置き一枚置いて、英国の七央から逃げるように去って、帰国したあと、住所も電話番号も変えて消えてしまう。
でも、七央はその日、澤にきちんと告白するつもりだったのに、すれ違ってしまった。
鳥野しのさんの同性の恋愛をテーマにした作品は他に「オハナホロホロ」を読んだのだけど、ヤッパリすれ違いのタラレバの筋書きになっていました。多分、「アステリスク(小さな星)」も、同じ路線だと思う。
「オハナホロホロ」は、圭一に瓜二つの遺児ユウタを挟んだすれ違い。
「アステリスク」はバレエを軸にしたすれ違い。
澤が、「好きとは言えないの」訳は、
どんどん才能が評価されて高名になっていく七央の様子を見て、「ナナオに愛されていない」自分は身を引くべきだとと逃げた。これ以上傷つくのが辛かった。
再開後、「一緒に来て」と言われて、「もうどこにも行かない、覚悟を決めた」と言いながら、七央と同行することを澤が承諾しなかったのは、我儘でどこか子供っぽい七央の澤への「安心毛布」の依存を断ち切って、「安心毛布」の卒業を促して精神的な自立を誘導したかったのだろうと思う。
印象深い場面の言葉
七央「おれは何かが欠けたままなんだ」
「オレの小さな星、もう二度と見失わないように」・・と、ずっと一緒にいて欲しい七央が公演後に澤に告白した後、
澤は、七央に酷いことをしたと、逃げたことを謝って告げて、語ります。(この場面残念だけど、絵が雑。デッサン力弱くて落書きみたいで残念。)
「離れていても、想っている。もう逃げない」
「そばにいないおれなら要らない?」
・・澤は、どんな時でも、七央の背中を押して励ます存在なんだなー。暖かい。
芸の深みは、七央が精神的に成熟しないと、踊りの表現に出てこない。
澤は、七央の円熟を促したかったのだと思う。
澤は、ナナオをもっと光らせることが出来る人。・・と信じたい。
色々な愛しかたがあるんですね。
七央に一見振り回されているように見える澤が、七央の精神の「安心毛布」で、成長のカギになっていた物語、と私は解釈して、読み返しては感動しています。澤の虹色の瞳がとても優しくて綺麗。
七央と似た天才型ダンサーは、バレエ界の反逆者とか、世界一優雅な野獣と言われるセルゲイ・ポルーニン(Sergei Vladimirovich Polunin)が居るけれど、七央はそこまで行けてなさそう。ポルーニンの写真を見るとどこから見ても綺麗なポーズをとれる人。七央もそうなのだろうか??
買ったまま読まずに仕舞ってあった本の中の一冊で、やっと発掘して読んでみました;
とてもドラマチックで素敵なお話で、遅くなったけど読めてよかったと思っています。
自分勝手でお子様な七央と、そんな七央が大好きで、振り回されていると分かっていても尽くしてしまう曜一。
「好き」の一言で繋ぎ止められる関係なのに、それにも気付かない自己中な七央に腹が立ちつつも、才能あふれる自由なところに惹かれる気持ちも理解できたり……。
失って初めて気付く大切な恋──この典型のようなストーリーで、切ないけど素敵なハッピーエンドに胸がときめきました。
女性ホルモン出まくったと思う(笑)
曜一に捨てられて12年後に再会した七央が言った、「あなたがいなくても生きていけるけど、あなたがいないと何かが足りない」という言葉。
この言葉を聞いて、七央はすごく誠実でいい大人になったなと思いました。
一本ずつオールを持って、息を合わせて未来へと漕ぎ出す二人に胸アツ。
七央の公開告白もキュンとしたし、とても清々しい読後でした。
鳥野先生、もっとBL描いて欲しいなあ。
内容やら、感想やらは他の方と同じなので割愛させてください。
ただとても気になったのが、
この七央くんのモデルポルーニンだよね!?
ジゼルのアルフレド何年か前に映画館でやってたよ?
コンテンポラリーはホージアの曲のやつだよね!?
そんでもって問題児。
このお話が好き!と思われた皆さん。
是非Youtubeでポルーニンを検索して七央くんのコンテンポラリーと比較してみてください‼︎