イラスト入り
今回は地元名士の子息の小学生と
専用住宅で1人暮らし中の高校生のお話です。
受様のストーカー事件が解決するまでと
受様の妊娠・出産を経て家族になるまでに
2人の結婚式と幕間的SSを収録。
生物には男女、雄雌がありますが
そのうちのヒトにのみ第二の性と
呼ばれる分類があります。
それは
アルファ、ベータ、オメガの分類で
オメガ性は男性であっても
雌性の生殖機能を持ち出産も可能です。
オメガは二次性徴の際に
発情期を迎えると性フェロモンを分泌、
アルファとベータの発情期は
オメガのフェロモンに誘発される形で
のみ第二の性が表面化する為
古来より第二の性は
二次性徴の際にようやく分類できる
とされていましたが
近代においては血液検査により
出生時に判別が可能となります。
受様の両親はともにアルファ家系で
オメガの受様は生まれた時から恥とされ
両親は「オメガ特区」へと引っ越します。
6年後に生まれた弟はアルファで
両親に溺愛されて育ちますが
受様は高校生になると
「オメガ専用住宅」へと移され
1人で暮らすようになります。
受様の弟はそんな両親に反発もあって
大好きな兄の居住によく遊びにきていて
受様が専用住宅に移って以来
ストーカーされていることを
とても心配していました。
切手のない茶封筒入りの手紙が
週に1,2度ポストに投函されるだけで
目立った接触はないために
警察に相談しても巡回強化くらいしか
出来ないでいたのですが
とうとう受様が帰宅した時に
見慣れた茶封筒を手にした
不審な男と遭遇してしまいます!!
受様は声すら上げられずにいましたが
弟とのその友人がやってきたために
男はすぐに逃げ出してしまいます。
弟と共にやってきたその友人こそ
今回の攻様になります♪
受様のストーカー被害を聞いた攻様は
弟と一緒に受様のボディガードを
かって出ていたのです。
受様は小学生に守られるほど
軟ではないと断りますが
1人でいるのは危険と押し切られます。
その上、攻様は受様に
「俺と付き合わない?」と迫ってきて!?
受様を狙う男の正体は!?
そして攻様に迫られた受様の運命は!?
本作は栗城先生の初オメガバースで
あらすじとカバーイラストから
お得意の年の差&年下攻モノだよねと
ワクワクして手に取りました♪
攻様の最初の交際申込は
お付き合いしたら他人じゃないから的な
犯人への牽制的な発言でしたが
受様の弟と受様のボディガードをする内に
受様がオメガである故に
1人で生きる決意をしている事を知り
受様を支える存在になりたいと
思うようになります。
ストーカー事件を軸にしながら
受様と攻様の家族の思いも絡まって
事件が解決するまで
犯人と目される人物へのミスリードや
伏線が上手く活かされていました♪
それでもやはり攻様は小学生で
大切な受様を守り切るには力足らず。
でも攻様はちゃんとそれを自覚して
受様を護れる男になるべく
「高校生卒業まで待ってください」と
受様にお願いしするのですよ。
栗城先生の年下攻キャラのかっこ良さが
溢れててもうMYツボ押しまくりです (^O^)/
続くお話で攻様が卒業を迎え
めでたく身体込みの恋人同士になり
順調にお付き合いを進めていくのですが
受様の発情期にまんまと(笑)
引きづけられてHしてしまった事から
受様が妊娠してしまって
スッタモンダの騒動に発展しますが
ハピエンはお約束なので
めでたくウェデングベルを鳴らすまで
2人の恋をワクワクしながら
楽しませて頂きました。
オメガバースフェアとの事で
カバー下にオマケSS付きです。
年下攻様ならではの
可愛らしいエピソードですので
こちらも読み逃しなく!!
今回は本作同様ショタな年下攻で
栗城偲さんの既刊『きみがすきなんだ』を
おススメしてみます。
こちらの攻様も男前ですよ♪
関連作「アルファの恋人」を先に既読。
初オメガバース作品なのだそう。
表紙絵から受けるイメージ通りの内容。
オメガバースのルールは、運命の番 に年齢差の制限条件が無いので、
αが小学生で、弟の同級生 x Ωが高校生、
6才の年齢差でも、出会ってビビッと来てしまうこともありなのか・・
ランドセル背負った少年が、高校二年生に、「運命」を感じてしまう。
でも「運命の番」とは作中で言い切っていない。
どうしても年齢差が気になって、ハピエンなのに萌切れなかったけれど、
「アルファの恋人」の為にある「きみはぼくのつがい」だ、と解釈したら
二冊セットで「萌2」評価かな。
怯えるオメガを包容するアルファの愛。
スピンオフ作品の「アルファの恋人」から読んだのですが、そちらがとても良くて。
そこに出てくる攻め・都の兄である遥(Ω・今作の受)のストーリーが気になったため、スピン元のこちらも購入し読んでみました。
出会った時は小学生 × 高校生。6歳差の年下攻め様、嗣英の頑張りを応援したくなっちゃう作品。
胸にぐっと刺さるような感動はスピンオフの方が大きく、そちらの方が好みではあったかな。
ストーカーから遥を守ろうと、連日高校の校門前まで迎えにくる攻め様(&受けの弟)の姿を想像して、萌えました。
自分が高校を卒業するまで、セッッなしキスだけで、よく頑張ったよ…!と褒めてあげたくなる、「待て」のできる攻め様です。
全体的に二人の間に大きな危機が訪れることはないんですが、妊娠が分かってしまった時の遥の行動は、オメガバースあるあるだけど「いや、話し合おうよ…」とちらっと思ったり。
受けの遥の性格、決して嫌いではないんですが、もう少し精神的に強く、反骨精神のある受け様の方が個人的には好みだったかも、、
とはいえ、結婚式で初めてうなじを噛む「番の儀式」なんてちょっとえちな感じがしてドキドキしたし、一途なショタ攻め様にとっても萌えて、きゅんとするお話でした◎
頑張る年下攻め、一途な年下攻めはやっぱり応援したくなるよね!好き!と再認識です( ̄∀ ̄)
栗城さん初となるオメガバースもの。どんなお話かなと思って発売を楽しみに待っていました。
主人公はDKでΩの遥。
遥の住む市では、Ωが保護され差別を受けないように手厚い保障がある。そのためΩだけが住むことができるアパートがありそこに一人暮らしをしているのだけれど、最近ストーカー被害に遭っていて…。
というお話。
Ωだけが住むアパートがあるからとはいえ、なぜ、高校生が一人暮らし?
と思いつつ読み始めたのですが、彼のαの両親が、Ωである遥の存在を疎んでいるから。
という、栗城作品らしいと言っていいのか、薄幸受けさんのお話でした。
両親から愛されることなく、発情期もまだきていない。
そんな遥は、早く自立して、一人で生きていこうと決心している。
両親との関係は希薄な彼ですが、他の関係は恵まれている。
Ωが差別されずに生活できる場所に住んでいること。
信頼のおける友人もいて。
そして、両親とは異なり自分を一心に慕ってくれる弟もいる。
弟・都はストーカー被害に遭っている兄を心配して、自分の友達でもある嗣英とともにボディガード役を買って出るのだが、この嗣英に一目ぼれされてしまい―。
遥と嗣英が出会ったのは、嗣英がまだ小学生の時。
なのに、良家の子息でありαでもある嗣英のスパダリ感が半端ないです。ストーカーから守るために奮闘する。ランドセルを背負ったショタ攻めがお好きな方にはたまらない攻めさんではなかろうか。
おそらく、この作品の大きな魅力の一つが、この「ショタ攻め」さんかと思われます。
個人的にショタ攻めにはあまり萌えを感じないのですが、でも、初めて出会った時から、ブレることなく一途に遥だけを愛し続ける嗣英という青年がめっちゃカッコいい。
ひたすら遥を愛するわんこであり、彼を守る番犬でもあり。わんこ攻めの鑑です。
けれどこの作品はそれだけに非ず。
遥がストーカーに狙われるという伏線が上手に生きていて、二人が出会うことになるきっかけや、その後彼らが恋人同士になった後の関係までが、無理なく展開していく。
また、遥の友人である東くんと松永くん(のちに彼らは夫婦となりますが)や、嗣英のお兄ちゃんであり遥の高校の友人でもある佐古くんの存在もよかった。
が、あえて物申すと、もう一声ほしかったな、という気も。
佐古くんから弟・嗣英との関係についてくぎを刺されるシーンがります。
まだ子ども(小学生だしね)の嗣英の暴走を抑えるのは年長者である遥の役目ではないのか。
αの嗣英と、Ωの遥との間に何か間違いがあったらどうする。
といったもの。
佐古くんの意見に同調し、また良家の子息である嗣英とこれ以上かかわらない方が良いと思いつつ、でも、嗣英との関係が何ら変わらず。そこはもうちょい葛藤してほしかったな、と。
そして、遥が嗣英の子を妊娠してしまった時。その時の遥の対応が、なんか、昼ドラを見てるよう、というのか、安易で陳腐な展開だったなと。個人的な好みですが、遥がもう少し男気があったらな、と思ったりしました。
両親から愛されることなく、またストーカーに襲われるといった展開はありますが、全体としては甘く優しい雰囲気で、スパダリに愛される薄幸受け、がお好きな方にはお勧めな作品かと思います。伏線を上手に回収しつつストーリー展開も面白く、さすが栗城さんといった作品でした。
コウキ。さんの可愛らしい挿絵が、優しいストーリーにあっていてよかったです。
特に嗣英のランドセルを背負った、イケメンショタ攻めに、悶絶しました。
あ、そうそう。
カバー下に小話が描かれています。
時系列としては嗣英が一方的に遥に恋心を抱いていた小学生時代のお話。
カバー下にこんなお楽しみが隠されているとは…。心憎い読者サービスに、ちょっとテンションが上がりました。
電子書籍で読了。挿絵、あとがきあり。ただし、marilynさんが前のレビューで教えてくださっている『カバー下ss』は収録されていません。
栗城さんらしい、可愛らしいオメガバース。
可愛らしいと同時に「正しい」と思いました。
適切な言い方かどうか判りませんが「政治的に正しい」って言うか……読んでいて私の中の女性的な部分が傷つきません。
私の中に『学校図書館に置くべきBL』というジャンルがあるんですけれども、まさしくそれに推薦したいような一冊です。
『ショタ攻め』や『弟萌え』『シスターフッド(おにゃのこではないんだけれども)』『ちみっこ』等々がお好きな方は、好きなお話だと思います。
ショタは凛々しいし(何故、凛々しいショタは成長するにつれてヘタレ感を漂わせるようになるのであろうか?二次性徴の謎ですな)、弟は『姉ショタ(姉ではないんだけれども)』風味だし、友達は実に親身になってくれるし、ちみっこは可愛らしい。
大きな感情の起伏が起きる物語がお好きな姐さま方には、ちょっと物足りないかもしれません(どっちかっていうと私もそっちなんだけれども)。
でも、酷暑で夏バテの私には、風邪をひいた時の擦り林檎のごとく、心に滋養が染みわたりました。