イラスト入り
oboreta junai
2015年9月刊行の『エロとじ♥悦』掲載作品。イラストが1枚入っています(表紙絵はそれを構成したもの)。
「北斎かよ!」と心中で『キワモノ』と決めつけて読み始めたのですが、ちょっと待って。これ、全然違う!
むしろ、今年の某有名映画賞で作品賞を取った『シェ○プ・オブ・ウォー○ー』を思わせるようなラストに、今日一日、無意識のうちにこの作品のことを考えてしまっていました。完全に心を持って行かれた状態(早朝に目覚めちゃったんで朝読んだのですよ)。
いや、エロいっちゃエロいんですよ。かなり凄い事になってるんですけれども。
でも、心に残ったのはエロではなく『取り返しのつかない人生の哀しさ』。
ええと……
ネタバレなしで読んだ方が面白いと思うのですよ。
上記の紹介に書いてある以上の事を知ってしまうと、最後に来る「ああああああああああー!」という感情が目減りする様な気がします。
なので、書きません。
騙されたと思って読んでください(短いからお値段も安いし、時間だってそんなにかからないし)。
どうしてこういう結果を招いてしまったのか、文字に書かれていない事を考えてしまう作品です。
例えば「海原が暮らす海辺の町で、同性に想いを寄せることがどういう事なのか」とか「海原が27歳になる過程であったであろう様々な事」だとか。
そして何よりも、このラスト。
そうなの?……それとも海原、それはあなたが現実に耐えられず、違う世界に行ってしまったって事なの?
前述の映画がお好きだった方は必見です!
最後にひと言。
ここの所、何度も書いているような気がするのですけれど、
中原さん、すげぇ……(絶句)!