• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作鬼と天国(下)

天獄 学、高校の保健医、32歳
青鬼 篤郎、高校の国語教師、36歳

その他の収録作品

  • 超巨大感情VS… (描き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

拘束され、強要される行為がエスカレートしていくなか、
酷くされることに快感を覚え、幾度となく天獄と身体を重ねてしまう青鬼。
恋人でも友達でもない天獄とは相変わらず曖昧な関係。
ある日、デートという名の食事に誘われ、
セックスだけでは知る由もなかった一面を知ることにより
天獄に対する感情が緩やかに変化し始める。

そんな矢先、新人イケメン教師の波多野が赴任してきて、
距離が近づきつつあった二人の日常に波乱が巻き起こる――?


変態系ぶっこわれ保健医×くたびれ純情教師
歪者同士の恋愛荒療治

大人の色気を醸すタッチと緻密な心理描写の最強タッグ
阿賀直己原作、お吉川京子初コミックス上下刊、同時発売!!

作品情報

作品名
鬼と天国(下)
作画
お吉川京子 
原作
阿賀直己 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス Qpaコレクション
シリーズ
鬼と天国
発売日
ISBN
9784801964457
4.4

(505)

(353)

萌々

(87)

(35)

中立

(14)

趣味じゃない

(16)

レビュー数
30
得点
2232
評価数
505
平均
4.4 / 5
神率
69.9%

レビュー投稿数30

上巻で攻めに。下巻で受けに。それぞれ惚れた作品。

レビュータイトルどおり、上巻では一風変わった雰囲気を持つ天獄に。そしてこの下巻では、男らしさが溢れ出した青鬼に。
それぞれ持っていかれました!
青鬼せんせ、本っ当にカッコよくなってます!

下巻では、産休代理の新任イケメン教師・波多野が登場し、一波乱巻き起こります。
共通の趣味の話題に盛り上がる青鬼と波多野の様子に、天獄の心が揺れ始めますが、なにやら波多野は天獄のことを知っていて、何らかの思いを抱えているようで…?

恋愛に対して冷酷なスタンスを取ってきた天獄の過去が少しずつ明らかになります。
天獄の兄も登場し、しばしシリアスな展開に。

実は過去に囚われて生きていたのは天獄も同じで、人を愛することを恐れてブレーキをかけていたんですね。
それを解き放つ青鬼のまっすぐに目を見た告白。
優しく強い眼差しを向ける青鬼先生、すっごくすっごく素敵でした!

最初は地味で陰気くさくて無気力でショボくれたおじさんみたいな青鬼だったけど(ディスりがすごい!)、天獄に流されて流されてたどり着いたのが、こんなカッコいい本来の姿だったなんて…!

この2人は本当に出会うべくして出会ったんだと思います。

体から入った関係ですか、作品全体のエロ度はそこまで高くありません。(私のエロセンサーが狂っている可能性は大いにありますが)
インタビュー記事ではもっと変態くさい流れになるのかな?と思っていたけど、予想よりかはあっさり。

ですが、前半の「学校内での強引なプレイ」から、最後の「自宅ベッドでのあまあまセックス」に変化していく過程がよかったですね〜。
こちらまで心がとろんと蕩けました。
やっぱり幸せエッチが一番です♪

作画のお吉川先生。原作の阿賀先生。
両先生のタッグはこの先も見られるのでしょうか。
絵柄もお話も大変好みなため、またお2人の作品に出会える日を楽しみにしております。

19

最高かよ

最高かよですよ。

エロスっていうのは結局、心が伴ってこそズキュンなんだと。いわゆる、やおいのエロスはエロスじゃなくてただの性欲しか描いていないですよね。
でもね、やっぱり下巻のラストのカタルシスにたどり着くまでのこの過程の山と谷と、いろいろ。なんかちょうどよかった、掘り下げ具合が。
本書は攻めの変態性、執着性とかおじさん受けみたいな、BL界では消費されがちな使いやすい要素を、製作者さんたちの性癖と試行錯誤のお陰か、最高な仕上がりになってるんです。
こちとら久しぶりにBL買ってみようかななんてちるちるさんを開いて参考レビュー漁ってて、年末だしご褒美だしとか思ってパッと目に付いた本作を、上下巻セットで1370円で電子書籍で購入しましたよ。試し読みの時点でもう分かりました、これ絶対好きなやつって。わたしの性癖にグッとくるやつって。

恋愛に興味ないっていう言葉の裏に抱える悲しいトラウマは、実は多かれ少なかれ誰しも引っかかる部分があるような話。そのままの自分を見て欲しいと願いつつも、ありのままの自分なんて嫌い。めっちゃわかる。
でも、ずっとこんな自分を見ていてくれた、自分を見つけてくれた、そんな少女漫画みたいな出来事から始まったりもして、それもまた良かった。だってこの本はエロいBLだから。

ただ単に、性癖のカードを詰め合わせただけじゃなぜかズキュンとしないのが面倒なところで、そんなやおいじゃ満足できない人にはとてつもなくお勧めできるといういい仕上がりのエロスBLになっておりますのでぜひ気になったらお手にとってはいかがでしょうか。

あとポイント高かったのは、大人があんまり世間でいうところのいい大人として描かれていないことですね。普段はだらしなかったり過去の恋愛に傷ついていたり仕事が面倒だったり子供を子供扱いしようとしていたり、などなど。小さいところで読者の納得ポイントを突いてくるので、設定が突飛なところも萌えられるんでしょうねきっと。

17

下巻も圧巻

下巻では、攻・天獄の過去が描かれ、そこに青鬼も関わっていきます。
過去が描かれることによって、今まで宇宙人みたいだった天獄にも人間味が。
そして今までずっと受け身で天獄に振り回されてばかりだった青鬼が、少し強くなって天獄に噛み付いたり。
青鬼が強くなった理由は、やはり天獄への恋からでしょう。
そして天獄が人間臭くなったのも、やはり青鬼への恋から。
扉絵で赤い糸みたいな描写がありますが、この二人は本当に赤い糸の相手なんだと思います。
青鬼は天獄に出会っていなかったら、いつまでも母の教えに縛られ、がんじがらめだったでしょう。
強引に振り回し、でも理解してくれる天獄だからこそ、強くなれたのだと。
天獄だって、青鬼に出会っていなかったら、ずっと何にも執着せず、ただその場しのぎの楽しみだけを味わいながら年老いていったかもしれません。

二人はこれから、喧嘩しながら、相手を恋い慕いながら過ごしていくんだなと。
そう思うと、幸せな読後感ですね。
そして人間味が増したとはいえ天獄は天獄でしょうし(笑)、これからも青鬼を振り回しながら愛してほしい。
男同士という、世間的には難しい問題でも、天獄ならサラッと解決してくれそう。

久々に「読んで良かった!」と思える本でした。
電子で読んだけど、紙書籍欲しいなぁ…。

13

独占欲を覚えたら

やることやっておいてもまだ心が追いついてない関係性って
もどかしいんだけど楽しいですよね!!
でももう青鬼先生は気づいてしまった…。
天獄先生の前では自分を偽る必要のない心地よさ、
そのままの自分を認めてくれているようで
誰にも感じられなかった恋心がぐんぐんと芽生えてきたのに
相変わらず天獄先生は天獄先生のままなのが面白いww
好意を寄せてくれていそうで、温度差がある二人にじわじわします。
天獄先生が自覚していなかった過去のエピソードに対しての青鬼先生の一言、
あれはさすがにグッときますわー……。

そして当て馬の登場!
どっちに対してなんだ!?っていう導入部から
それぞれの気持ちが加速していく様子が素晴らしく
天獄先生の本心を見抜いた、
狡賢いようでとても一途な波多野先生がGJ過ぎ……。
これから幸せになれるよきっと君ならば!!

天獄先生の出したサインが切なくて
ただのイカレたドS男ではない素顔にときめき死!!
お兄さんのこともわだかまりが無くなって良かったし。
更に青鬼先生の騎乗位が拝めるなんてありがたき幸せ!!!
ああもう描き下ろしの青鬼先生の関西弁までもぉおおおお!!!!!
いじらしい天獄先生と包容力のある青鬼先生は
体の相性以外もバツグンですね!!
とにかく良かった…とても満足させていただきました。

11

初めて芽生えた執着心。それが恋だと気づくまで。

上巻では青鬼の内面を見抜き、飄々と快楽のみを楽しんでいた天獄。
下巻では、何を考えているのかわからなかった天獄の気持ちが明らかになってきます。

一緒に食事に出かけた時、犬が嫌いだと言う天獄。
子供の頃祖父母の家で飼っていた犬の鎖を外してあげたら、居なくなってしまったから。
帰りの車で「本当は犬が居なくなって傷ついたんだろ」と言う青鬼にキスして、「あなたを見てると鎖で繋いでおきたくなる」と抱きしめます。
徐々に自分の中の不思議な感情を自覚しつつも恋だとは気付かない天獄。

そんな時産休の先生の代わりにやって来た、若くて、アイドルのような教師・波多野悠真。青鬼と同じくVHS鑑賞が趣味な波多野はすぐ青鬼に懐きます。
一方それが面白くない天獄。しばらく治まっていた偏頭痛も再発。
また、以前相談に乗っていた生徒と仲良くしている天獄を見た青鬼は嫉妬し、床にへたり込んでしまいます。
つまり、波多野の登場によって2人の脆い関係のバランスが崩れ、お互い嫉妬し合うという状況になってしまった模様。
青鬼を保健室のベッドに押し倒し、「あなたは僕のものだ」と取り乱す天獄。
天獄に抱かれながら、いつの間にこんなに天獄を好きになっていたんだ?と恋心を自覚する青鬼。
『なぁ、天獄、俺はお前の何なんだ?』と悩み始める青鬼でしたが、屋上で天獄とキスしてる写真を波多野に撮られてしまい…。

せっかくキター!!!と思った当て馬・波多野、実は青鬼ではなく天獄狙いでした。
高校時代自分がゲイだと相談し救ってくれた相手である天獄。でも恋愛に興味がない彼には告白もせず、諦めて卒業したのだと。

結局ね、全てはブラコン過ぎる天獄がいろいろ拗らせたまま大人になってしまったのが原因なんです。
医者にさせようと育てられてきた天獄と、天獄の兄・豊。
自分より勉強が出来る弟にある日暴言を吐いてしまった兄。
自分はゲイだと自覚し、大学生になり、彼氏が出来た時から弟に寝取られるようになってしまいますが、あれも多分自分のせいかもしれないと気にし続ける豊さん。
でも自分はもうすぐ海外へ行き、好きな人と結婚する。
その前にもう一度学くんにあって話したかったと。
それを聞いた青鬼は天獄に対し「いい加減にしろこのブラコン」とブチ切れます。
「お前が恋愛を馬鹿にするのは自分が絶対手に入れられないものだからだろ」
「なにやっても一番好きな人の一番になれないから屁理屈言っていじけてるだけだ」と。

子供っぽさを散々拗らせてきた天獄でしたが、あるメッセージを残し自分は熱でダウンしてしまいます。
天獄はすんなり気持ちを伝えたり、甘えるのが多分下手。
残されていたメッセージは「青鬼先生、頭が痛い」
天獄は好きな人が誰かに取られたり、上手くいかないと偏頭痛が酷くなる体質。それを癒すには好きな人に抱きしめてもらうのが一番。
だから本当は「青鬼先生、抱きしめて」って書きたかったのに、それが出来ない所がすごく不器用なんだと思う。
最後は天獄の部屋を訪れた青鬼に乗せられ、「あなたが好きだからセックスがしたい」と認め、めでたくハピエン。
熱がある天獄のために、頑張って騎乗位に挑戦する青鬼が見られます。

なるほど、上・下巻に分けたのは、それぞれの物語を1冊ずつ掘り下げるためだったのかと最後まで読んでようやく気がつきました。

2冊そろってやっと2人が過去から解放される凝った造りになっているこの作品。
何度か読み返すうちにまた違った味わい方が出来るんじゃないかと今から楽しみです。
上は萌×2にしましたが、2冊読み終わっての感想は間違いなく神でした。

10

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP