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うお〜、キましたよ、好みのしっとり系萌え尽くし!
出版翻訳代理店「バビロン・エージェンシー」で繰り広げられるラブストーリー。舞台は大学卒業後二年間NYで働き、帰国してきた主人公・仲江音弥の新しいアルバイト先なのですが、個人的に憧れの業界というのもあって、お仕事内容そのものにも存分に楽しませていただきました。
音弥の仕事は、敏腕エージェントで専務でもある英(はなぶさ)駿介のアシスタント。全身黒づくめで眼鏡を掛けた、ちょっととっつきにくそうな雰囲気の英ではあったけれど、実際は新人の音弥にも初日から丁寧に仕事内容を説明してくれるような、面倒見の良い上司でした。
トラウマ持ちの臆病な受けがツンな攻めに少しずつ心を開いていって、恋心を抱いてしまうパターンは大好きです。(さらに両片思いだとなおよし!)
このお話は淡々と進むようでいて、中盤からクライマックスにかけての盛り上げ方が怒涛の勢いなんですよね。人物の背負う過去がそれぞれ明らかになり、バラバラのピースがピタリと嵌る。住む世界が全く異なる二人を本という媒体が繋げてくれるのです。いい本こそたくさんの人に読んでもらいたい、と英が自負しているエージェントの役割にいたく共感しました。
ネタバレなしでぜひ読んでいただきたいお話なんですけどね…。
なのにさー、死ぬほど残念だったのがさー、表紙がさー、思いっきりネタバレやん!!
そうじゃなかったら意表を突かれまくって神だったんだけどな~(涙
ちなみに『堕天使の背骨』はバビロンの取引先である常葉出版・代表取締役、今給黎晶(いまきいれ あきら)のピンオフ作品です。本編とスピンオフのリンクの仕方も、終盤にかけてぎゅーっと収斂していくスピード感に興奮しました。
一見穏やかで静かだけど内に秘められたドラマが暴かれていくようなお話、めっちゃ好きです~。
ひたきさんによる、あとがきがわりのミニマンガがとっても可愛い♡
出版界の、本好きの2人の話を読んでいる自分がとても心地良い感じでした。
お仕事ものはやっぱり面白かったです。劇的なシーンはないのですが、あとからジワジワ心に沁みてくるような繊細なお話でした。むしろ最後のHシーンとか無くてよかったんじゃ・・・と思うくらいでした。そんなこと言っちゃだめですね。
出版翻訳代理店のエージェント英 峻介と、過去に小説家だった仲江音弥をとりまくしがらみとトラウマ克服のお話です(おおざっぱか)。
お仕事描写が、さすが!というくらい書きこまれてます。この主役2人の出会いから打ち解けるまでも無理なく描かれていて、とても自然です。
この2人ならプラトニックでも全然ありかも・・・むしろそっちのほうが萌えるかも、と、よくない(?)考えを起こしてしまうのです。
なぜか鳩村さんの本を読んでると、「あ、Hなくてもよかったのに(もしくは朝チュンでも)・・・」と思ってしまうことが多々あって、自分でも不思議です。でも恋愛に発展していく段階にはすごく萌えているのです。そこまでのストーリーの練り込みに比べて、濡れ場の挿入がお約束的だからなのかも。あ、でも充分おもしろいんです。意外とエロいエロ描写もとても好きです。
そして実生活ではどんくさい攻め(よくものを落とす)、というのはスゴクいいですね!最後のページのひたきさんの漫画にほっこりしました。
リンク作「堕天使の背骨」も合わせて読んでほしい1冊です(こちらはエロエロ)。
萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
出版翻訳代理店の上司・峻介×出版翻訳代理店でバイトする元小説家・音弥。
ある過去の事件から書くことを辞めてしまった元小説家の音弥。
人との関わり合いにも臆病になっていた彼が、バイト先の上司である峻介と関わりながら、もう一度前向きな人生を取り戻していくしっとりとした優しいお話です。
ドラマチックな華々しさはありませんが、人間誰もが過去をしょいながら社会の中で生きていくものなのだという堅実さが溢れた作品でした。
地味だけど優しくて誠実。
そんなお話が好きな方にはぴったりだと思います。
前半は少し単調かな?とも思ったのですが、音弥の過去、二人の恋愛、トラウマ、出版翻訳代理店という特殊な仕事、これらが一つに収束されていく終盤に向けて面白くなってきます。
また海外の翻訳物の出版の業界を分かりやすく絡めてあり、へ~!とちょっと勉強になりました。特殊なお仕事描写ながらきちんと取材なさっているのが分かるリアルさがお仕事BL好きには嬉しいところ。
訳ありの過去をお互いに打ち明けちあい、そうした事情を踏まえた上で向き合う二人の姿勢がとても素敵です。
人が人生で躓いた時、誰かの手が必要な時もある。
手を差し伸べるのは峻介ですが、彼もまたそうやって助けを受けた経験がある。その構図がいいなぁ。
でもやっぱり内容と表紙のイメージにギャップが…もったいないぞ。
鳩村衣杏先生の2005年発表作。
表紙絵が思いっきり入れ墨なので極道モノかと思いきや、全く違うのです。表紙の印象と中身は全然違います。
舞台は、出版翻訳代理店。
そして主人公は、かつて「現役高校生作家」として脚光を浴びその後「現役大学生作家」に。前途洋々だった「真淵匠」こと仲江音弥です。
真淵匠の4作目。1人の熱狂的ファンが、作品世界に引きずられて自殺未遂をする事件が起こり、それ以降小説が書けなくなって…
そんな音弥と、目利きの仲介エージェント・英峻介の恋物語、なのですが。
本好き、小説好き、あるいは活字中毒者が共感できるツボがちりばめられている。
派手な事件が起きなくても何気ない日々を描く文章がどれだけ心を揺さぶるのか、自分だけの大切な物語になるのか、そんな「本を読むこと」の素晴らしさ、またそんな本たちを世に出す仕事への敬意、もちろんシビアなビジネスの部分。
鳩村先生お得意の「お仕事BL」としても読み応えあり。
音弥は心の傷持ちで、生きることに臆病になっていますが、仕事を得ること、また文学の力でだんだん前向きに変化していきます。そしてそこには勿論、いつも信頼してくれて見守ってくれている峻介の存在も大きく、それは恋心に移っていくわけですが。
そこは峻介もまた人には言えない、それでも乗り越えてきた過去があるわけで。
そんな2人が近づいて、遂に初キスの流れは萌え!
そして、音弥が「真淵匠」であったことに気付き、ビジネスに絡めようとする出版社との攻防。
(このくだりはスピンオフ作品『堕天使の背骨』で読めますので是非!)
愛を得て強くなった音弥は、峻介をも守りますよ。
ところで、2冊とも持っていたのに、なぜ気づかずにスピンオフ作品「堕天使の背骨」の方から読んでしまったのか。それはこの表紙のせいですね。
てっきりヤクザモノかと…いえね、確かに峻介の若気の至りだったわけですけど、ちょっとこの表紙は疑問です。