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表題作硝子体温症候群

二条・高校生
遠海悠大・高校生

同時収録作品相似形の恋

才木先輩・大学三年生
灰崎佳澄・高校生

その他の収録作品

  • 硝子体温症候群 後日談(描き下ろし)
  • 相似形の恋 後日談(描き下ろし)
  • 電子限定描き下ろし

あらすじ

クラス委員長の二条は人気者の優等生。
けれど心の底では他人からの好意や期待が不快でたまらなかった。
ある日先生に頼まれて不登校のクラスメイト・遠海の家を訪れる。
他人に触られるのは嫌いなのに、不意に触れた遠海の手は冷たくてとても気持ちよかった。
その夜偶然アクセスしたアダルトチャットサイトに出ていた少女が遠海と重なり、欲情してしまい――?

作品情報

作品名
硝子体温症候群
著者
有木映子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
GUSH COMICS
発売日
ISBN
9784796412384
3.3

(16)

(1)

萌々

(5)

(9)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
53
評価数
16
平均
3.3 / 5
神率
6.3%

レビュー投稿数6

好きな雰囲気の作品でした

初読みの作家さまです。電子で試し読みして作画が好きで購入、の流れです。
表題作と「相似形の恋」の2作品に、それぞれの後日談と、表題作の電子おまけ漫画が入ってました。

「硝子体温症候群」
高校生の二条くんは優等生。先生に頼まれて、登校してこない同級生の遠海の家をたずねます。そこから始まる二人の物語になっています。遠海は親に'捨てられ'て生活に困窮していて、二条は一見面倒見がよい良い奴なのですが本人は断れない自分の性格に嫌気がさしていると…それぞれ違う問題ではあるのですが、悩みを抱えた二人がお互いにいる場所を見つけていく…と解釈しました。
絵もテンポも良くて、あともうひとひねり何かあれば…なんというか高校生の瑞々しさとか危うさがもう少し感じられたら神にしたいと思いました。

「相似形の恋」は幼なじみに片想いしていた高校生の佳澄が、自分に好意を寄せつつピアノを教えてくれている大学生才木先輩のほうを好きになる、というお話。これは、難しいのかもしれないですが、才木先輩に心が傾く過程が自分にはまだ納得できなくて…後日談を読むと幸せそうだからいいのかな、と。

とはいえ、作品の雰囲気は好きで、別の作品も読んでみたくなりました。

3

繊細で切ない恋2編

表紙に惹かれて購入したのですが、おもったよりもあっさりと言いますか、扱われている題材にしては軽い読み応えだったかな~と思います。悪い意味ではなく、重くなりすぎないといいますか...
登場人物の心情はとても丁寧に描写されていて、こちらに伝わってくるものがありました。

ーーーーーーー感想とネタバレーーーーーーー

【硝子体温症候群】
2人の世界だけのような...そうでないような...似ていないようで似ている2人の話でした。
自分自身を表に出すことが苦手だった2人。この2人が出会うことにより、徐々に互いに感情を出せるようになってきます。
互いの弱い部分を包み込むような関係性は、どこか脆い硝子のよう。でも感情に温度があって、それが簡単に割れることはないのだろうな~と思わせてくれる最後でした。

【相似形の恋】
個人的には、こちらの話のほうが好きです。
友人←受け←攻めだった関係性が、受け(→)←攻めになるまでの話。友人からの矢印が受けに向くことがなかった展開が好きです。
ずっと好きだった友人に彼女ができて、それまで彼のことを好きだったはずなのに、その時には彼のことではなく攻めのことを好きになっていた受け。
攻めは友人が好きな受けが好きという少し歪んでいる感じ。
言葉少なく進んでいく展開に、引きこまれずにはいられません。

2編とも後日談が描かれていまして、2CPのその後を読むことができました。
萌えの補完ができてよかったです。

1

表紙のイメージそのままの作品

表題作と同時収録どちらに関しても、
『高校生のちょっと幼い感じで初々しい恋が切なくて尊い!』と感じる反面
読後になんかもどかしさが心に残る作品だったかな?
描き下ろし後日談があってよかった!!

表題作は
父親が借金を抱え会社の金を持ち逃げし家を出て行った為「捨てられた」事への恐怖のようなものが遠海の心にあり、偽善で自分と一緒にいてくれる二条が離れていくのがて怖く敢えて自分から手放そうとする姿に切なくなりました!
お互いが「見捨てないで」と想い合うのは尊すぎます!!

1

2作品とも硝子のような物語

初めての作家さん!
2作品とも『硝子』のような心を持った登場人物たちの『恋』だと思いました。

1作目「硝子体温症候群」
周りからの期待に応えなければと自分を追い詰めすぎて息ができない「二条」と
多額の借金を抱え会社の金も持ち逃げしたとされる父親に捨てられ孤独になった「遠海」。2人とも抱えているモノは違うけれど『孤独感』を持っていてソレを埋めることが出来たのが、お互い同士だったのだと思いました。
二条が女の子から貰ったクッキーを食べる遠海のコマ…二つあるけど感情の違いがあって、やっと硝子のような冷たさから温かな恋が芽生えたように感じました。
番外編で、2人が同棲している一緒にいるお互いのことを思っているのが分かり、ほっこりしました!!

2作目「相似形の恋」
幼なじみに叶わない恋をしている「佳澄」と恋をしている佳澄が好きな「才木先輩」の一方通行な恋。
叶わないと思っていても辛くて苦しんでいる佳澄は本当に純粋な恋をしているんだなと伝わってきました。
変化に対して怯えていた佳澄が、幼なじみに恋人が出来たと告げられた瞬間に、いつの間にか才木先輩を好きになってしまったことに気づいだけど…この恋も叶わないと思っている佳澄が切ないかった。
でも番外編で、2人が今もそばにいる。佳澄の誕生日のために帰国するってことは恋人なのかな?と幸せな気持ちになりました♪

私の勝手な考えですが、佳澄の恋に対して『綺麗』だという才木先輩の真意は恐らく『純粋さ透明さ』が自分にはないからなのかな?と思いました。
佳澄を本当に好きだとは思います。ただ大人の狡い部分もあるなぁ〜と…だからいつか佳澄から自分の方へ来てくれることを望んでいたような気がします。
上手く言えないけど…笑

1

このタイトルが繊細で秀逸だからこそ。その次の物語にぴったりだと思う。

このタイトルが繊細で秀逸だからこそ。どちらかというと、その次の物語「相似形の恋」にむしろふさわしいと思うのだ。「相似形の恋」にはシーグラスが出てくる。海で揉まれて、角が取れて丸くなった硝子のかけら。佳澄は、これをくれた千尋に叶わぬ恋をしている。幼馴染の千尋は、佳澄の気持ちを知らずに女の子と付き合ってしまう。そんな叶わぬ恋をしている佳澄を「綺麗」だという先輩。
それは詩のように美しい恋だと思った。先輩がピアノを弾く、というのもいい。
耐えられなくなって、溢れ出した気持ちを。先輩は受け止める…のか。というところで終わっていて。その物足りなさも詩のようだ。描き下ろし後日談で、二人の数年後が少しだけ。ほんの少しだけ語られていて。先輩が著名なピアニストになっているらしい? ということが分かる。

何だか後半の物語からレビューしてしまったけれど。私は後半の物語の方が断然気に入っている。
表題作は圧倒的な説明不足で、読み手側に余白?行間を読む事を強いる。
周囲の人の期待に応えることで、優等生を演じている二条。そんな二条の本当の姿を見破る遠海。
親に突然捨てられたことで、ショックで通学出来なくなった遠海と少しずつ心を近付けていく。
二条は、ネットで女装してエッチな動画を挙げているのが、遠海だと気付く。
女装した遠海に手招きされているような。少し倒錯的な描写が入る。
遠海といる自分だけが本当で。楽に息が出来るような、そんな気持ちになっていく。
ちょっと分かりにくいけれど、現実の自分たちと折り合いをつけて行く。そんな物語。

0

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