なんだこのツンデレ攻めは!!
ツンデレって言っても「べ、べつにお前のことなんか好きじゃないんだからなっ///」
なーんて可愛いやつじゃなくて、ほぼツンドラ。
無愛想、寡黙、口悪い。
なのに「俺は常にデレっぱなしだ」だと...?
おいこらどの口が言ってんだもっと受けに優しくしろと、ヤキモキしながら読んでいましたが、その分
「百年に一度のデレ期」(by晃大) の破壊力が凄まじかった。。。
先生お得意の "包容力のあるわかりやすい溺愛攻" もたまらんですが、こんな攻め様もキュンとする。
いやもうギュンギュンする。
全体を通して、片思いだけど切なさはほどほどで、ラブコメという印象。
「眠り王子にキスを」みたいに泣ける場面は無し。
キュンキュンするけど、心に響くものがないというかなんというか。
これといった捻りもないし、内容がちょっと薄いのかな。
うーん、評価に迷います。
内容の面白さを考えると萌くらいが妥当かなと思いつつ...
とにかく文章が読みやすくて。
台詞じゃなくて文章そのものがやわらかくて、優しい感じがするところも好き。
何故かは分からないけど、他の人気作家さまと比べても個人的には断トツで読みやすいので、この評価で。
ストーリーテラーとして定評のある先生。
わたしも発売を楽しみにしていましたし、言うまでもなく期待値は高いわけですが、そんなものなんか遥かに上回る応えが返ってきたなと感じています。
特に、受け・円の心情描写がとても丁寧です。
複雑さがリアルで、本当にひとりの人間の心の中を覗いているような感覚でした。
多くを語らない彼だから、心の中で綴られるモノローグがより一層切ない。
切実な円の本音に、ぐらぐらと心を揺さぶられます。
攻め・吐木の人物像も深い。
αであり、学生時代から体格も成績も優秀、羨望のまなざしで見られてきた吐木。
でも、彼にも本当は傷がある。
" 見えない欠落 " が明らかになった時、ゾクッとしてしまいました。
人の全てを計り知ることなど、そう簡単にできるものじゃないんだな、と。
終盤、散りばめられた伏線が綺麗に回収されていく展開も圧巻です。
再読に耐えるミステリー、というより一度では味わいきれない濃さ。
ふたりが学生だった頃。
下校中、こんな何気ないシーンがあります。
「いい匂いがする...」
「沈丁花だな。この辺り群生してるし」
円は香水を作るとき、この日のこの会話を思い出したかな?
正解は分からないけど、想像を掻き立ててくれる仕掛けが楽しい。
このコミックはなんかもう5段階評価とかしたくない。
他のコミックと比べたりもしたくない。
別次元の一冊だと思います。
ちなみに電子限定の描き下ろしは、本編とはガラリと変わってほわわーんとした二人のやりとりが見れますよ。
原さんと別れるため、荷造りしようと開いたクローゼット。
ふと目について手に取った原さんのジャケット(コート?)には、小さな箱が入っていました。
「...時計かな...」
薫がそれを開けてみると...
もう、ここで涙がすーっと出てきちゃいました。
「その箱はどうせ結婚指輪でしょ?ふっ(鼻で笑う)」
と思ってたので、普通とは一味違う、あまりに気持ちのこもったその中身に泣いてしまいました。
箱を見つけたタイミングの良さに、
「え、きみたちって運命の相手じゃないんだよね?」
と聞きたくなるけど...違うんですよね。
薫はきっと、原さんが愛しくて、恋しくて、ジャケットを抱きしめずにはいられなかったのだと思います。
原さんを強く想う薫の行動が、箱の発見に繋がりました。
たとえ赤い糸で結ばれてなくても、お互いを大切に想う気持ちがふたりを繋いでいるんだなぁと感じました。
本当に、温かい気持ちになれる物語です。
受けの可愛さにフリーズする攻めの煩悩モノローグとか、くすっと笑えるところあり、エロもあり、バランスが◎
という最初のモノローグがいい。
設定に両片思いのタグついてるけど、松真はどうしても兄弟でいたいって感じで(※その理由は後で分かるのですが)、恭一の方が気持ちの比重が大きく見えるんですよ。
だからずっと松真このやろうって気持ちで読んでたので、最終話のラスト、あの松真の台詞には胸があつくなった。
「あー、ふたりの気持ちはちゃんと対等だったんだな」と。
松真はほんと、ばかー!って叫びたくなることもするけど、その過ちさえ若者っぽくていい。
あとは、キスとか、手の繋ぎ方(←そこじゃ背中痛いよね?の次のコマ)とかそういうところにも10代らしい荒っぽさや不器用さがあって最高。
波音、セミの鳴き声など自然に囲まれた情景描写も素晴らしい。
告白シーンや、初めてのえっちシーンも、植物が共に描かれていて美しいです。
いい意味でいやらしさがないというか。
美しくて、みずみずしい。
分冊版の時からものすごく気になってたけど、期待を裏切られることなく本当にお気に入りの一冊になりました。
義兄弟ものだけど、背徳感はないです。ダークがお好みだとはまらないかも。
主人公は高校教師・桐野裕介。
ルックスが良いのは自覚済で女子生徒からの数々の視線もさらっと受け流す桐野ですが、ひときわ熱い視線に気がつきます。
それはまさかの、男子生徒・早乙女隼人でした。
早乙女くんは、視線だけじゃなくて性格も真っ直ぐ。大人しそうな顔してますが、あんまり優しくないところも、DKらしくて好きだなぁ。
第2話まで読み切った時点では、無自覚タラシに振り回される不憫な先生〜...と思っていたので、最終話の展開が良かった。
本編の続きの成長した早乙女くんがさらに眼福です♡
すっかり長身イケメンになっちゃったけど、言ってることは純粋で、年下彼氏みにきゅんとする。
先生が女々しいから、バランスいいカップルですね。
お幸せに。
同時収録の『水曜のクロノスタシス』は、社会人同士の糖度控えめなお話です。
前編と後編で視点が変わり、受け攻め両方の心境を味わえる作品です。
(エロなしなので受け攻め不明)
クロノスタシスとは、ほんの一瞬が、止まったように、長く続いてるみたいに錯覚すること。
片思いする側と、片思いされる側、それぞれにクロノスタシスがあるのが面白かった。
特徴として、モノローグが長め。
「好き」、「恋した」とか「どきっ」とか、露骨な表現は出てこないのですが、モノローグの一言一言が味わい深くて、すごく好きなんだなっていうのがしっかり伝わってきました。
モノローグ好きにはたまらんのではないかな。
わたしももともと小説派なので、言葉選びにかなりぐっと来ました。
あと個人的に、財前くんの猫背かげんが好き(笑)
もしもわたしに拡散能力があったら、真っ先にバズらせたいお話のひとつです。
おすすめ。
神評価は『水曜のクロノスタシス』の分です。
お恥ずかしながら地雷多めなので、普段は必ずネタバレしてから購入するようにしていますが、これは絶っっっ対にネタバレ無しで読んだ方がいい!!
わたしもネタバレなしで読んでみたら、ものすごくよかったので。
早寝電灯先生のお話だと、「半壊の花」収録の「稲穂に帰る道」が好きで、なんて優しいお話を描く方なんだろうと思っていました。
今回のコミックも本当によかった〜(涙)
このお話のキーワードのひとつである「言葉」。
最終話で語られる一士の「言葉」に対する考え方が素晴らしかった。
ありがちだけど、深くて。
綺麗事のようでいて、一士が言うから説得力がある。
あのシーンめちゃくちゃ心に滲みた……
特殊能力をもっているのは辰実ですが、ああいう解釈をできる一士の方が稀有なんじゃないかなぁと思いました。
指輪や音楽プレイヤー、小物の使い方もさすがでした。
しばらくはうちにある音楽プレイヤー見ただけで余韻に浸れそうです(笑)
必ず二度読みたくなるっていう釣り文句が、わたしにとっては不安要素だったんですよね。
「え、一度じゃ理解できないってこと?」って思えちゃって...
過去にミステリー要素のあるBL読んで、よく分からなくて何度もページ読み返したり、もやっとしたことがあったものでどうしても...
ミステリアスな雰囲気はいいけど、なんか辻褄あってなくない?とか、一部謎を残したまま終わっちゃうコミックってあるじゃないですか。
でもそういうのはなかった。
伏線回収、きちんとされてました。
そして分かりやすかった。
こじつけ感もなく、納得もできた。
すっきり。そしてじんわり。
わたしの中ではまさに極上のミステリアス・ラブでした。
素敵なお話に出会えてしあわせ!
ありがとうございました!
@shirou_rengepoyo ってらぶらぶかよ...
そろそろバイト先の渡橋先輩と一波乱起きるかなぁと思いきや、まだでした。
今回は渡橋先輩はお休みで、新たなキャラとして
れんげぽよの弟・のえる君が登場します。
のえくん、れんげに顔そっくり!(笑)
めちゃくちゃDNA感じる。かわい〜かわい〜♡
れんげの「のえくん」呼びがまたかわい〜^^♡
思わぬところで史郎くんと繋がりがあったのえる君。
なんと彼女を史郎くんに寝盗られた過去がありました。
史郎、最低だなおい!
最近はれんげを溺愛してるから忘れてたけど、もともとは「チャラ系くずな遊び人」設定でしたね←
しかものえる君はそれがトラウマでいまだチェリーボーイ。
それなのに、夜な夜なれんげと史郎くんのてれせを聞かされるという。
刺激、強すぎでしょ(涙)
またそれがえっろえろのあっまあまだから。
(※ウブとエロを両立させているれんげの脅威を再確認いたしました)
弟くんは渡橋先輩サイドにつきそうですね。
これからの進展が楽しみ。
まず声を大にして言いたいのが、佳門先生の絵柄と王族が相性良すぎでしょ。
気品があって華やかで、王子様が本当に王子様らしいヴィジュアルでした。
衣装のディテールにもうっとり。
さて、ストーリーですが、本編は全5話です。
(各話につけられたフランス語のタイトルが表紙絵の雰囲気とマッチしていて好き♡)
最初の出会いは、まだお互いが婚約者だと知らない時。
会ったこともない決められた相手と結婚するのだと言う礁に、海里は「あなたのような人にはきっと素敵な相手が選ばれる」と元気づけます。
海里の純粋な優しさが胸に沁みる礁。
顔をほころばせた礁の笑顔に、海里も心を掴まれるのでした。
そんなふたりが、今度は結婚相手として再び出会います。
再会を喜ぶ海里。一方、礁は海里のことをお金目当てだと誤解しているため別人のように冷たく...。
もちろん可哀想なのは海里ですが、礁のほうも、あの優しい言葉は誑かすための嘘だったのかとがっかりした様子で痛々しいです。
礁から笑顔が消えてしまったのは自分のせいだと思っている海里。
誰かを不幸にするような愛し方はしたくないのに、どうしても優しくできない礁。
お互いが自分を責め、本当は相手のことを想っているのに…という状況がじれったい!
けど少しづつ心の距離を縮めてゆく様子にきゅんとする!
それも、まだ心がすれ違ってるのに身体は繋げてしまうというスパイス入りです(照)
冷たい攻め様のために尽くそうとする海里は見事な健気受けですが、ハイスペなくせに優しくするのが苦手だったり、独占欲が強かったり、礁にもなでなでしてあげたくなる健気な一面があります。
数々のすれ違いを乗り越え、その木の下で愛を誓えば永遠に幸せになれるという言い伝えがあるぶどうの木の下で、ついに礁が本心を語るシーンはベタだけどロマンチック...♡
俺についてこい、とか、俺が守る、とかじゃないのがよかった。
普段の礁からはイメージできない、弱さとか深い寂しさとか...そういうものが感じられる告白に胸がきゅーっとなった。
おとぎ話と言うには、すこし甘さに欠ける王子様だけど、お姫様はとても幸せそうでした。
いつまでもいつまでも、幸せに暮らしますように。
電子の単話売りでは現在、第9話まで配信されてますね。
次巻が待ち遠しいです。
こちらには第5話までが収録されています。
いきなりエロいところから始まる第1話。
華のDKのえちシーンなのに…
新見はセックスしたいだけと嘘をつき、本心を心の底に隠しての行為なのでなんとも暗〜い雰囲気。
DKらしい爽やかさや、エロ可愛い感じは皆無です。
でもこの独特な雰囲気が他のコミックとは違って良い!
さらに、優等生で真面目な新見のキャラ設定がイケナイことしてる感を上乗せ。
第2話で時間軸を遡り、セフレになるまでの経緯が描かれています。
イケメンでモテる澤根なので、新見は一目惚れのパターンか?と思いきや、むしろ苦手なタイプでした。
…だったはずなのに、うっかり恋をしてしまうわけです。
いいわぁ〜...///
恋に落ちてからは、わりとすぐ誘いを仕掛ける新見。
マイナスから始まったのに、あっという間にヒートしていく真っ直ぐさが若者らしくて◎
んにしても新見、急に積極的になりすぎじゃ?と思ったら、
『ごめん おれの手冷たくて』って...そうか。
本当は指先が冷たくなるほど緊張してたのね(涙)
(細かいところですが、新見からキスした時澤根が目開けてるのがリアルですんごく好きです。)
そして第3話。
第2話はまるまる回想なので、第1話のつづきになります。
最後までシた時の様子が見れます。
新見の片思いのはずなんですが、澤根が優しすぎて...え、君たち付き合ってる?と混乱するレベル(ありがとうございます)。
非BLレーベルなので直接的な描写はないですが、初めての後ろに耐える新見がエロ可愛くて、健気で...はい。
ここまでしてもなお、自分のせいで澤根に負担をかけたくないからと気持ちを隠し通そうとする新見。
ですがノンケの澤根が、新見のためではなく男に恋愛感情が持てるのか知りたいだけだと言うので、付き合うことになります。
...いやいや、なかなか酷い理由ですよ(笑)
あれだけ優しくしといてやっぱり恋愛感情はまだなかったのか。
と、ちょっぴりがっかりする一方で、澤根の意味深な表情描写もあり、澤根の心中にも何かが渦巻いているのか?と高まる期待。
秘密のお付き合いが始まった第4話は、やはり新見視点なのですが、ここで初めて澤根の気持ちが明かされます。
人気のない外階段に連れ込んでキスしたり、合コンの誘いをすっぱり断ったり、恋人に昇格した澤根がいい彼氏すぎる。
あれ、澤根が新見に片思いしてたんだっけ?と混乱するレベル(ほんとありがとうございます)。
それとは対照的に、周りを気にして遠慮しまくる新見に澤根は、「俺に集中して」と言ったり不満げな様子です。
結局断りきれなかった合コンの帰りで、先輩と語らう澤根。
ぽつりぽつりと新見への気持ちをこぼします。
それを聞いていた先輩の、
「好きな人には 自分のことだけ見ててほしいよね」
というウルトラスーパーエクセレントな一言により、
新見に対する恋愛感情を自覚しはじめます。
合コンの一件で新見の心境も変化し、熱を増したふたりの関係。
ラストの第5話は、ポーカーフェイスの澤根から滲み出る新見愛と、澤根が好きすぎる新見の可愛い照れ顔が見どころです。
「新見とできるなら どっちでもいい」
→澤根、新見のことめっちゃ大事にしてるじゃん!
「おれはこっちでいい... こっちがいい」
→新見、澤根に抱かれるのめっちゃ好きじゃん!
どうぞ末永くお幸せに。
クールな寡黙×大人しい優等生ということで、静キャラ同士のカップルですね。
表面下で静かに燃えるふたりの恋がめちゃくちゃよかった。
このコミックの最後まで新見視点が貫かれていたところ、良かったと思います。
おかけでなかなか本心が読めない澤根にやきもきさせられました。
特に後半は、澤根の表情が分かりにくいor描かれていないコマが多かった。(画力の問題や手抜きではなくあえてそうしたんだなと分かる感じで)
それが澤根の食えないキャラ設定とマッチしてるし、読者が想像する面白さがあって、再読しても楽しいです。
ところで、再読すると、だんだん澤根のポーカーフェイスが可愛く見えてくるのわたしだけですか?(笑)
なにをこんなに長々と書いているんだと自分でもドン引いてますが、こんな下手な感想をここまで読んでくださった方ありがとうございました。
かなり光寄り、ギリ夜明けの腐女子にドンピシャかと思います。
番外編も最高なので、ぜひぜひ読んでみてください。
ふたりが話すのは、駅のホームのベンチで。
声をかける内容は決まって音漏れとかイヤホンのこととか、なんでもないこと。
こんな学生生活の一部を切り取ってロマンスを始めてしまう木下先生はやはり最強です。
普通にモテて友達もいる一宮が、一匹狼の小野寺に惹かれるのがすごくリアルだと思いました。
ひとりでいれるタイプに憧れるのも、自分にないものをもってる人にやたら惹かれるのも、若い時にありがちだわ。
社会に出たら、一宮みたいに普通にモテて友達に愛されるキャラのほうが得だし、重宝される場合もあるのになぁと思いながら読んでました。
もっとじっくり読みたかったような、あとはあれこれ勝手に妄想したいような...
でも物足りなさはなかった!
ラストの告白シーン、最高でした。
ちょっとキザな小野寺、推せる。