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萌×2作品

エキスパートレビューアー2022

女性ひみたさん

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今年度117位

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格差と高級スーツをしっかり描くコミカライズ

割引になっていた1巻読後、面白くて直ぐ2巻購入しました!
小説みたいな設定と絵だなと思っていたら小説原作&挿絵タッグのコミカライズだったのですね。木原音瀬さんの「FRAGILE」の挿絵も描かれた方で。
絵がとにかく、どのコマも挿絵に見えるくらい丁寧で綺麗。主人公の黒目が白いのが気になりますが、殆ど表情の変わらない陰険な印南が見ていられるのは高緒さんの絵だからこそ。
それでも息が結構詰まってしまうので、もし続きがあれば甘い雰囲気増しで読みたいです。(そしたら新入社員と社長でおいしい!)

エリートサラリーマンと不憫男子というキャラクターは小説でよくある設定だなと思いました。当て馬の元恋人も。ちょっと古い感じが否めません。
けれども堅物陰険なエリート印南が青依によって人間関係を学んだり、手玉に取られたりするのが面白いし、格差に悩む青依が可愛い。
最後に収録の短編小説も、夕食のカレーから派生した格差についての考え方が描かれていてとても良かったです。格差に目が行き過ぎてそれを理由にしてしまいがちですが、違いなら誰とでもあることで、互いを擦り合わせたり楽しむことが大事ですよね。

印南の元恋人に、「この人以外の男の人なんて知らないし…」と演技でやり返した青依が堪らなく可愛かった〜!演技に乗ってきた印南に「旨かった」と筑前煮が挙がったことに内心驚いてるのも面白い。これから大事にしてあげてほしい…

キスが唐突強引で、そこからの展開も駆け足なんですが、2巻にエロを収めなくてはという気概を感じました(笑)
スーツがとにかく凄くカッコよく描かれているのですが、肉体の描き方もカッコいい!
しかもスーツを少しずつ脱ぎつ脱がせつしていくの(高級スーツだから途中汚れないか心配になるけど)燃えます。
人によって異なるスーツや体型、部屋の生活感がしっかり描かれていて目に嬉しいです。
青依にピンクのネクタイ選ぶ印南は可愛い。

オメガバースいちの神設定

今までどうして無かったのだろうと思うくらい、オメガバースの中でも神設定です。
まだ誰も知らない身体の変化、抗えない欲望と発情、正反対の高校生、体育倉庫。
描かれる体躯や薄暗いトーンが美しく、表情にゾクっときました。
インタビュー記事にもある「もっかい入れて」のコマ破壊力すごいです。
一人で倉庫に隠れるしかなくて、喬の上着を離さず匂い嗅いで待ってる西央くんが切なくてエロ可愛い…西央くんから垂れる体液を舐めるシーンも。仕草や行為ひとつひとつに感情を掻き乱されます。
大人になり始めている主人公たちのエモさは映画を見ているようでした。

序盤の2018年や家族構成語りだったりがちょっとノれなかったのですがどんどん惹きつけられました!
西央くん、元々しっかりした(寂しさを隠した)性格かもしれないけれど、急に変化していく自分の身体に怯えなさ過ぎでは…?2、3日ならこんなものかな。思春期じゃなくても死ぬほど怖いと思うのですが。
エロ設定としては神ですしそんな重箱をつつくようなのは野暮なのかもしれません。最高でした。

「親に心配されたことはあっても
 親の心配なんかしたことなかった
 親に お金に 平和に 恵まれてしまった
 それがほんの少しだけ恥ずかしい
 恥ずかしい分だけ 西央くんが眩しい」

労り甘やかす言葉とハグに癒される

絵柄や強引なお話の運びは余り好みではなかったのですが、理玖が相原を甘やかす言葉の数々とハグとエロに癒されました。

「なんでいじけ顔してんの?」
「今日頑張ってたね お疲れさま」
台詞としては素朴ですが、仕事に揉まれた相原の疲労や過去の厳しい言葉を垣間見た後だと、余計優しくて沁みます。
経営や営業は向いているし上手くいっている、でも本当はデザインがしたかったという相原の、その時々の気持ちを見て言葉にしてくれる理玖。
色んなことを試したいし鍛えたいのに、顔だけでOKと思われる業界にやり切れない理玖に「引き出し多い方が潰しきく!」と経営者らしさもある言葉でかっこよく背中押す相原。
お互いにベッドだけじゃなくて精神面で良い関係を築けてる描写もしっかりあるのが良かったですし、ポジティブで癒されました。

ぼすこさんの作品は初読でしたが、最中の言葉選びや、攻めの理玖が至る所にさりげなくキスしているのが!最高でした…
「おいしいよおって言ってるよココ」
「俺に挿れられちゃうのにあんなに勃っててかわいそーって思ってたんだ」
相原が交戦的だったりも良いスパイスで、行為シーンだけでいえば初めから相性が最高なばかりだったので楽しめました。
一人で身体を持て余して玩具使う相原も良き。続きも読みます。

安定感に安心

加藤ススさんの作品はこちらが初めてだったのですが、誰が主人公になってもおかしくないほどしっかりキャラクターが描かれていて、画の安定感が綺麗で心地よいです。
平和主義者の蟹江とハチが屋上でのんびりしてたり、後書きで硬派臼井が飴をカラコロしているだけで楽しい。蟹江のような線のような目のキャラって、下手すると胡散臭かったり魅力半減してしまうと思うのですが、その時々でしっかり表情を作られていてとても丁寧。

最強兄を持つボンクラの猿渡が、急に蟹江を意識して照れたり戸惑ったりする表情が可愛い!ベッドシーンのセリフの選び方がとてもツボな作家さんでした。彼は女の子の相手は出来なくても、吐きそうになっても跳ね除けない優しさも持ってるところ良いですね。

最強兄(娘の髪を結うのが上手)と幼稚園の先生cpも、普段なら近間BLは嫌いな自分でも本当に楽しめました。
ママ友会にカチコミに行く不良OBの図カッコいい!笑
前半の蟹江と猿渡の現役不良と、伝説OBと保育士。現役と元、というのがピリつきにも温度差というか別の味があり、二つのお話が一冊で楽しめてとても充実感がありました。
表紙デザインはださい。

しつけができない 電子 コミック

日野雄飛 

甘々イチャイチャ日常系が読みたいなら

PixivやTwitterで描かれていたもの+書き下ろしとの事だそうで、タイトルと表紙の可愛さに購入しました。
既にくっついてる二人のあまあまイチャイチャ日常話を楽しみたい方は是非試し読みを。

1ページ完結が9割で、オチも無いようなものが多いです。
フフフと思う頁もあれば引っかからない頁もあるので、薄味のお菓子にどんどん手が伸びるようにあっという間に読み終えました。

私は1つ目のお話と書き下ろしが好きです。
キスマーク付けたのを怒られてシュンとする年下大型ワンコ系男子可愛い!
しっかりした絡み(1ページ完結ではないお話)は書き下ろしだけなのですが、身体つきや構図がとても好みでした。

手軽なサイズ感の作品ですが「可愛いからと言って簡単に許してはいけない」と漫画に対して厳し目な方には物足りないかもしれません。

スパダリホストvs“貢ぐ”君

ダメ男に貢いで尽くしてしまう美鶴&
好きな人をとことん優しく甘やかしたいスパダリ志郎♪
性格の全く違う二人がどう決着を着けるのか楽しみに最後まで楽しく読みました!

志郎が素敵な笑顔で高級寿司に誘ったり高級時計をプレゼントしても全く喜ばない美鶴
同級生の雅より美鶴攻略法を教わり実践する志郎
相性が合わない二人の追い追われが繰り返されるのが面白く、いつまでも読んでいたくなりました!

キャラとしては序盤の貢ぎまくってる美鶴の方が面白いんですよね。彼はきっと自分に自信がなく、だから相手の駄目なところを見て可愛いと思ってしまうのかな。そして好きになって貢ぐようになり相手に去られ、また繰り返す、という悪循環だったのではないかと思います。
ベッドでも尽くそうとジェルをブンブン振る美鶴(笑)
彼らなりの良い折り合いを付けたエンドでした♪

後半のお話は、自殺するはずの男&アパート隣のゲイ&借金
硬派な童貞が気持ち良さにのめり込んで夢中になっちゃうのが最高でした…!
ちゃんと人生を立て直そう!と思いつつただれた生活から抜け出せない隅田。
こちらもコメディタッチですが、死ぬギリギリで3大欲求の性欲が満たされ繋ぎ止められたと思うと、結構重いし深い気がします。

どちらのお話も1冊張れるテーマとキャラクターだと思うのです。中編としてコンパクトに読みやすく纏まっていて、物足りなさを感じるくらいがちょうど良いのかも。
どちらもタイトルがとても好きです。

熱や湿度を感じる情景豊かな絵が魅力的

最近BL漫画の実写化や、LGBTQ映画でも割とライトな作風も見られ、マイノリティと呼ばれる人が少しずつ生きやすい社会になっていたらいいなと思います。
ですが、そういった作品にキャスティングされる俳優さん達の中には、戸惑いや葛藤ある人もいらっしゃるだろうなと心配しています。この普及の流れできっと売れるからと、役を押し付けられる人もいるかもしれません。当事者として演じる人もいれば、異性愛者と偽って生きている人にはチャンスか窮地か。デリケートに接していく必要があると思います。
と考えるのは余計なお世話で、寧ろ意識し過ぎなのでしょうかね。

この作品は俳優でゲイの篤紀が、ドラマのゲイ役で大ブレイクし、写真集撮影で男性カメラマンと3日間二人で過ごすお話です。

撮影当日に仕事内容を聞かされる等ありえない部分もありますが、試し読みから、まず画力が素晴らしくて引き込まれました。二人の会話や身体の描き方や動き、表情や心地良い情景…とにかく魅力的です。
濡れ場も熱や湿度を感じるようなセンシティブな描き方は映画のようで素晴らしかったし、犯罪者顔表現も最高。
攻めカメラマン要はヘタレで俳優の生命線を脅かす失態まで起こしてしまいますが、自然な会話で篤紀が心を打ち解けられた器か、作者の絵の力なのか嫌いではないです。
篤紀は世間にカミングアウトしていない俳優でしたが、若者らしい悩みや戸惑いもありつつハッキリ言葉にする性格だったので、余りモヤモヤせず読めました。マスコミに対応するシーンも男らしかったです。彼はきっと今の時代を上手く乗り切れる俳優さんですね。そしてドスの効いた監督、これは重要な一コマです。

もう一つのお話はかなり好き嫌いが別れそうな、結構クズな受けのお話。もう1話あって独白して欲しいところでしたが、これはこれで。こんな勝手過ぎて魅力過ぎな人もきっとどこかにいるのかもしれません。

表情カバーイラストとても目を引くのですが、デザイナーさんはもうちょい字詰とか気をつけて欲しかったですね。

考え方が変化する出会いって貴重

尽くしたがりの考え方、その変化していく様がすごく巧く描かれていて面白かったです。こういった、自分と違う考え方をする人物のお話がとても好きで、またその人物の考え方が変化するのも感動しながら読みます。

愛されたいから尽くしたい、相手の為と思いつつ承認欲求からくる尽くし癖。悪いことだと思っていない(悪いことではないです)陽太は巽にぐいぐい問い詰め攻める。
そんな彼が好きとは何だと自問し、自覚してからの挙動不審(と豪華な食事!笑)、巽と想いが通じてからの尽くしっぷりの本領発揮と、変化が丁寧でとても楽しく読めました。
巽自体の造形はあまり好きではないのですが、陽太との考えの違いを押し付けず無理に諭さず、良い年長っぷりでした。
二人とも自分の性格を抑えることなくめでたしとなったので、読後感も良いです。

著者あとがきで、陽太のご飯を美味しそうに描くよう注力したと書いてあり、キラキラ盛り盛りな食事風景に納得しました!

運命の相手が天使とは限らない

原作小説とCDは未視聴の感想です。
情けない程相手に執着する様や、歪んだ関係が好きな方にはお勧めです。
純粋なハッピーエンドしか読めない時は、2話まではきっと楽しく読めます。
「電子のみで楽しめるスペシャル修正仕様」だそうです(多めの白棒)

直巳をカフェでひと目見て気に入った河合は、お金の無い彼の大学諸費用を援助すると持ちかけます。途中で心変わりをしない裏付けの為に家族(養子?表記無し。同居)関係に。
やましい気持ちは無かったのに、美しい直巳に誘われて…と始まる、エリートサラリーマン河合譲治を手玉に取る直巳(ナオミ)の依存関係のお話です。

原作のナオミは女性。河合は若い娘を教養育成しあわよくば妻にという変わった結婚願望だった為、顔も悪くなく高給取りなのに童貞という設定だったようです。このコミカライズでは、直巳との出会い以前の河内の人生や思考は描かれていません。真面目に勉強して色恋に興味がなかったという感じでしょうか。
女性設定を青年にしてBLに、とは強引だと思ったのですが、魅了され狂わされるお話は青年の方が逆に面白いと思いました。

直巳は奔放な性格で、嘘をついたり他の男と遊んだり、又それを見せびらかしたりと譲治を翻弄します。
誘い方も上手く、経験浅い譲治にはひとたまりもありません。
直巳が他の男達と陰で嘲笑っていると知った譲治。(内容は大体行為の話なんですが、主人公とのそれを覚めた口調で聞かされるって、あまり無いですよね?そこが新鮮且つ譲治を可愛く感じました。)
傷付き直巳を一度手離すものの、彼のいない生活に耐えられません。言いなりになり求めてしまいます。
「いい子にしていたら直巳は戻ってくる」「宝石が紛い物だったとしても大切にする」と悟り盲目的になる譲治。
直巳に試され、求められる自分を受け止め与える。それに悦びを見出します。「他人にどう見られても気にしない」と自覚しているので、きっと外野がどう言おうと幸せなのでしょう。

譲治が直巳の足に執着する様が好きでした。足蹴されながら片足を舐めたり、足を抱いて寝れば、何が起きていようがそれだけで安心というような、うっとりした顔と危ういフェチズムは素晴らしかったです。

少し物足りなかったのは、直巳の魅力。河合も可愛い系統の顔で若干似通っていたし、魅惑的な佇まいよりあざとさが目立ちます。
身体が筋肉質なの弱めが良かったなぁ。
また、直巳は大学で何を勉強しているのか、夢は何かも触れられず、性的な面でしか描かれてないように思います。それは直巳の後半の台詞に関係しているのでしょうか。

自分の知らない自分を引き出してくれる魅力的な人に出会ってしまったら、誰でも誘惑に負けると思います。
それが天使だったら最高ですが、悪魔であってもきっと抗えないんでしょうね。

愛あるモフモフ感は必見

モフモフ描写、こんなに愛おしいほわほわは初めて見ました。
狼と犬2匹がとにかく可愛くて、作家さんが動物大好きなのが伝わってきます。

狼(というか犬)の習性と、命令に従ってしまうDom/Subユニバースや、発情期や相手の匂いを求めるオメガバースの美味しいところどりでした。エロが強引なのは気になりますが、玄関で待ってる入間くんはグッときます。散歩のリードに見せかけてソレの紐だったり。
入間くんのツンデレな性格や、狼人間の時に元の耳部を誤魔化せる長い髪は、少しレトロで楽しかったです。

ただ他の方も仰るように、彼の人(生き物)としての尊厳を満たすお話なら神でした。ペットや動物を扱う作品として、捨てられる、家族として迎えられるというところまでちゃんと描かれています。でもエロや恋より、もう少し人間的な優しさや受け止められ方が欲しかったです。