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エキスパートレビューアー2023

女性藻とカレーさん

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しっとりじめっと

絵、キャラ、ストーリーどれも暗…や、しっとり雰囲気ある世界観ですね。
圭吾が片思いしている隆司の代わりに弟とそういう関係を持つのが、個人的に好きじゃなくて全く感情移入できませんでした。それでもストーリー的におもしろければ全然いいんですが、それもあまり感じられず…すみません。
なぜかと考えるに、朔が隆司と似ていればまだしも全然似てないし、圭吾が隆司の名前を呼びながらの1Pを朔が見てしまうのありがちだし、朔が離れてからようやく圭吾が朔への気持ちを自覚するのもバリバリありがちで予想できたし。
圭吾のスピーチが平凡だったのに「文才」と自ら言っていたのが…自分の文章を拙いと言ってたし、じょ、ジョークかな、や、小説を書いて応募してたし本気かな、と戸惑ってしまいました。

隆司の顔がずっと脳天気で最初から圭吾のことを全く意識していない描き方がおもしろかったです。

王道だけど中身がいい

永条先生作品初読みです。
絵がすごくきれいですね。
クールイケメン×きれい系イケメンのリーマン組み合わせ好きです。
営業エースのライバル、マッチングアプリで偶然会う、体の相性抜群…の導入は王道ですが。
アプリへの参加がサクラでノンケというのは珍しいかも。
それが後半バレて効いてくるのがいいと思いました。
あと、千堂が描いた猫ちゃんの絵の使い方がよかったし笑えたしほっこりしました。

和泉視点で進み、心の声のセルフツッコミがおもしろかったです。
相手のコンプレックスを自然に認められ、また認めてもらえてうれしい、他の人とは違う…となるきっかけもよかったですし。
体の相性だけでなく仕事の相性も抜群でさくさく進む気持ちよさが爽快。
和泉が千堂には子どもっぽくライバル心むき出しになるのがおもしろイベントと呼ばれているのも笑いました。

和泉が表情豊かで、心の声が素直なのに対し、千堂が無表情で天然ぽいコントラストがいい。
和泉がサクラだったことがバレた時、素直に謝るところ、それに千堂がぐちぐち言わなかったところも好きでした。

何より、ボーナストラックの和泉がめちゃくちゃかわいいし、それを黙っている千堂がいい。
おまけマンガのしゅんとした千堂が表情には出さないけど、犬の耳が垂れているところ、それが見える和泉…この2人がめちゃくちゃかわいかったです。

ヒロムのデレがかわゆすぎる

期待通り素直になったヒロムがかわゆすぎました。
同居終了前にさみしくて慶太を煽って誘うところ。この時は表面上はまだ素直じゃないけどそれもいい。
慶太と離れてからなかなか指名がこないとすねちゃうのもかわいい。
いちばん好きだったのは、慶太とやっと会えて言葉はツンなのに慶太にベターっとくっつくところ!!めちゃくちゃかわいい。激萌えです。
慶太が「態度と台詞がだいぶ違うなー」と真顔なのもおもしろい。
慶太が大きい手でヒロムの頭を抱いたり背中をポンポンするのも好きです。
ヒロムのかわゆさと慶太の無愛想ながら愛情深いコントラストが気まジャガの新と椎名を思い出しました。あの2人大好きで、椎名の新大好きすぎる甘え方と無表情ながら椎名に愛情深い新がすごくよかったんですよね。

ボーナストラックの
ヒロム「慶太さんのこと好きすぎて死んでもいいと思ってる」がこれまたかわゆすぎました。
こんなん言われたら慶太でなくてもたまらんたまらんですね。
ゾンビみたいになって自分のことを空っぽで帰るところがないと思っていたヒロムがここまで変わったこと、慶太がヒロムにハマることを覚悟した甲斐があったってものですね。
出会って好きになって救われて変わることができる…好きなBLです。

慶太の仕事がストーリーに活かされていたし、歌舞伎町という場所で生きる2人というのもよかったです。

ただ沢木のことはよくわからなかったです。
ストーリー上の役割としてはいいんですが、ヒロムを監禁しておいてあっさり解放したのは、初めからそう長く監禁するつもりはなかったってことですかね。一時的にウサを晴らしたかった? 慶太が助けに来たらヒロムを渡すつもりたった? この辺が私にはよくわからなかったですが。まあ、深刻なことになるほどではなくてよかったです。

好きなカップリング

上巻のみの感想です。
長身短髪無愛想男前×きれい系影あるイケメン←好きなカップリングでうれしい。しかもウノハナ先生なのでよりバッチグーです。

BLでひょんなことから偶然同居するパターンはいろいろ見てきましたが、雑誌とWebの企画で…というのは初めて見ました。いまどきですね。

九谷視点でヒロムにハマっていくのがわかりやすく、最初は抵抗するものの無理だとあきらめてハマってやると覚悟するのが潔い。さくさく進むのがストレスなく心地いいです。

ヒロムが営業の顔と普段の無愛想な顔の二面性があるのがおもしろい。
そして実は最初から九谷に気がある様子なのがめっちゃ萌え〜です。
生配信の時、ヒロムが九谷にくっついて「俺の〜」と言うのが演技に見せかけて本当にやりたいことなんだろうなと思えてかわいいやら萌えるやら。
でも素直にそれを伝えられない事情があるんですよね。沢木が関係するのか。

この2人がラブラブになったらめちゃくちゃかわいいと思うので下巻も楽しみにすぐ読んできます。

雷々来世 コミック

野白ぐり 

時空を越えるほどの思い

前世でお互い相手のしあわせを願い、ものすごく思い合っているのに叶わなかった恋…というのが切ないです。
主従関係の見たい部分、七星が殿下に過保護なところが萌えだし。
レオが泣き虫だけど殿下の誇りはあって甘ったれではないところがいいんですよね。七星が守りたくなる気持ちわかる〜となりました。

生まれ変わってもずっと夢に見るくらい好きだったのも、会うと前世での苦しみを思い出すから会いたくないというのもわかる。
でも会ってしまったらもう本能のように抱きしめちゃう。

現世と前世の描写が交互にあり、2人の気持ちや記憶の違いが徐々にわかってきて。
終盤の
レオ「俺のこときらわない?」
七星「愛してます」「たとえどれだけ拒まれようとも〜」でめっっっちゃ好きやん!知ってたけどー!!と萌えました。
その後のレオのセリフもすっごくいいし←ここの記憶が七星は抜け落ちていたというのが、重要な記憶を忘れていたのがレオだけでなくお互いさまでよかったなと思いました。

アフターストーリーで、前世の記憶と混ざるのヤバいですね。あの時の気持ちと今が重なって萌えが倍の倍の倍。何百年も焦がれ続けた思いが実って感無量な今作の醍醐味をお裾分けして頂いた気分です。

きれいな世界観

絵が麗しい〜隅々まで見惚れてしまいます。ファンタジーの世界にぴったりですね。
美形な2人のバランスもいい。
アロイの甘えたがかわいい。
子どもの頃の仲良くなるくだりもいい。
隠れて重ねる逢瀬…キスや絡みの絵も美しい。
ただ密会はキスとミカドがアロイのを触れるところまでだったんですね。
最初、ミカドも反応していたことをアロイも知っていたのに自分だけしてもらって終わったってことよね。
それ以降もずっとアロイだけしてもらって、ミカドは生殺しだったのかと思うとなんて忍耐強いんだと思ってしまいました。
それだけアロイへの愛が強いということですね。

2人のことがバレてアロイ母に認められるのはよかったけど、アロイ母がミカド母とそういう仲だったというのは予想できたしありがちだな〜と思っちゃいました。
欲を言えば、2人の仕事の内容がストーリーに絡んでくれるともっと読み応えあったかなとは感じました。
でもきれいなハピエンでよかったです。

朝田先生ワールドやっぱり好き

朝田先生のオメガバ、しかも総攻め学園もの…ってどんなの?と想像つきませんでしたが(毎作そうですが)先生らしいひねりがあっておもしろかったです。

鷹虎が一見クズ攻めのように描かれていますが、彼の価値観は支配者教育によるもので洗脳に近いですよね。
圧倒的α優位主義者。
でも自分がΩだとわかり立場が覆る。
そこでザマァと一瞬なりますが、なんと子宮を摘出して生殖する者ではない存在になる。
Ωでありながらαに依存しない、搾取されない立場になる。
Ωたちにとって安全?な攻め誕生。
私的にはルックス、性格の一部は理想的な攻め様。
朝田先生らしい荒療治と言いますか、子宮を摘出しちゃうΩなんて初めて見ました(私がオメガバ読んでいる数が少ないだけかもしれませんが)

鷹虎は支配者教育により傲岸不遜で偏った思想の持ち主だけど、根っから性格が悪いわけではないと思うんですよね。Ωでも野心家は好きだとΩだからと見下すことはしないし。
どSでありながらど天然ぽく描かれているのが朝田先生らしいユーモアだなぁと。そこが好きです。

Ωの置かれている状況、それぞれの考え方、鷹虎を交えた議論が現実の問題とリンクしまくっているのもおもしろい。
出生率上昇を最優先と考える鷹虎は政府側だし、Ωたちは現実の女性差別や性的マイノリティ差別とシンクロする。
おもしろい設定とストーリーの中に、社会的な視点、それぞれの人生、尊厳などがしっかり描かれている。ここも朝田先生らしくて好きなところです。

Ωたちが悲壮感を漂わせず、それぞれ逞しく生きていこうとする姿もいい。

BL的要素が薄いのは1巻だからというだけではなく「総攻めハーレムハッピーエンド」との先生のお言葉から、やっぱり一般的なBL萌えはそれほど期待できないだろうな〜と思います。
それも朝田先生らしいし、それでもおもしろいのがすごいです。

ここで終わりー?!となりましたが、続きものでしたね。2巻がもう楽しみです。

すばらしい!

上巻の感想でシリアスかと思ったらそうでもなくよかったと書きましたが、下巻できました。
起承転結の転…ゲイだからというだけでなく、物語/人生において壁はつきものですもんね。

上巻で共感の嵐でしたが、下巻は更にすごかったです。読んでいると普段考えていることがそうそう!と怒涛のように浮かび 物語に集中できないほどでした。
根津と西片、どちらの気持ちもわかる。
性格、価値観、考え方の違い。
どちらが悪いわけではない。
どちらも傷つき、傷つけたと反省し、自分を見つめ直し、相手を尊重したい…と変化していく流れがいい。

空橋さんの件も、空橋さんが彼氏を理解したい、根気よく向き合いたいとなったのも誠実で聡明だわ〜。
「彼の気持ちを勝手に推測する それ自体が暴力的かもしれません」にハッとさせられました。そういうことは往々にしてありますもんね。

孤独の描き方も好きでした。
大切な人や家族がいても孤独を感じることがある。
孤独は悪いように言われがちだけどそうじゃない。そういうものだと思うのでとても共感できました(孤独と孤立は別ですもんね)

カミングアウトについても
「言いたいと思う気持ち、そうじゃない気持ちも 全て尊重されるべきです」
がその通りだと思います。
LGBTQ運動などでカミングアウトを推奨することがありますが、ゲイの方の「そういうのはいいからそっとしといてくれ」との言葉を聞いたことがあります。
性的マイノリティは個人的かつ社会的なことでもあり、それぞれ事情が異なるので一括りにするのは難しいですね。
なので根津のこのセリフがぐっときました。
勉強不足な私にも刺さる描き方がすばらしい。
根津がカミングアウトすると話す姿が喜びと誇りに満ちていて感動しました。

仕事についても2人の内面とリンクした描き方がよかったです。お仕事BL大好きなのでそういう面でも読み応えありました。

正直なところ、クローゼットゲイについての話…今までBLで散々見た隠れゲイが悩むやつか、と最初は興味を持てなかったのですが、好きなBL漫画家先生がXでRPされていたので読む気になりました。
や〜読んでよかったです。
これまでと時代は違うのだし、その辺を盛り込んだ新しいBLで発見がたくさんあったし、BL好きとして勉強になりました。BLとしてもめちゃくちゃおもしろかったです。

淡々としながらも共感できる描写がいい

絵がきれいで話の流れが自然でとても読みやすいです(大事)。特に絡みの絵、コマ割り、背景が好みです。

上巻のみの感想です。
主人公がクローゼットゲイなのでシリアスかと思いましたが、暗さはさほど感じず、淡々と自己を見つめながら前向きに進むところがよかったです。
時代的に多様なセクシャリティへの認知が広がりつつあるとは言え、人の心はさまざまで、ゲイだと知られると周囲に気を遣わせてしまうのではないかと思うキャラたちに共感できました。

セクシャリティだけでなく、価値観や性格の違いによるトラブルやすれ違いなど、どれもわかる!となる描き方がお上手だわ〜と思いました。
例えば、西片と根津の恋人との付き合い方/別れた後の違い、孤独や人との付き合い方に対する考え方、しっかり引越してから会いたい西片に対し、待つしかないけど本当は早く会いたいといじけ気味な根津…どちらもわかる〜タイプの違いよな〜となりました。
そこで根津が西片に怒らず根気強く待って、西片のごめんで許せるのが、相性の良さというか、付き合える相手なんだと思えるところがいい描写だな〜と。

冒頭の酔ってのキスが唐突に感じましたが(BLではよくある)後に回想があり惹かれ合う過程がよくわかったし、わかりやすいきゅんや好きな気持ちで魅せるより自然にそうなっていったという描き方がすばらしいと思いました。私は素人ですが難易度高いですよねきっと。

空橋さんの婚約者のエピソードも理不尽ではあるけど、ありがちよな〜となりました。それを西片が根本的に解決しようとする姿勢が今作のテーマと通じるのがとてもいい。

各話のサブタイトルが洋楽の曲名がおしゃれですね。私でもいくつか知っている曲がありうれしくなりました。

2人の世界が交差する時

1巻が素晴らしく感動してから1年弱で2巻を読めるのうれしい。先生ありがとうございます!

1巻のクオリティそのままに表現力のすばらしさに唸りました。
聞こえないケイトの世界と、ケイトと接し思いが高まる藤永の心の世界。
2人の世界が、手話や言葉、ジェスチャー、態度、スキンシップなどで交差しながら進む展開がたまりません。
「言葉はうすっべらくて信用してない」←レムいいこと言う!!
コミュニケーションは言葉だけじゃないし、言葉で説明しきれないし、ウソもあるし。
だから言葉だけに頼らず、全身で伝えよう、わかりたい…とひたむきな2人の姿に感動します。

誰よりもケイトがわかっていた藤永の才能が開花しつつある。その過程もよかったです。
お芝居、舞台の表現が迫力あってお見事。
藤永の才能が今後どこまで発揮されるのか楽しみです。

BL的にも萌えの描写がめちゃくちゃいい。
1巻からそうでしたが、ケイトの素直な愛情表現が特に好きです。
気持ちのままに藤永に触れちゃうところ。その手や口元がやさしく色っぽい。その描き方〜。
2巻では藤永のストレートな言葉にケイトが
「そういうところが好き」と赤い顔を隠しちゃうところがかわいすぎました。

お互いまだ知らないことが多いし、環境も変わるだろうし、その度に葛藤などあるかもしれませんが、2人なら前向きに進んでいきそうでワクワクします。

聴覚にハンデがある人、聴者…と言っても人によって聴こえ方、伝え方、理解の仕方はさまざまですもんね。聴者でも病気や加齢により聴力が下がることもあるし。
その辺りについてとても考えて丁寧に描かれていることがわかるので、より感動するのだと思います。

あと、レムがナイスキャラで好きです。
キレながら藤永を褒め倒すところは笑いました。
役者としての藤永の良き理解者、またはライバルになっていくんでしょうか。
BLあるあるの新キャラ当て馬ではなく(今のところ)そこも個人的にとてもよかったです。