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女性ぷれぱーるさん

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特殊設定も無理なく読ませてくれる!

完全なる作家買いです。
今作もめっちゃ良かった。

「リワインド症候群」 ……体だけが過去に巻き戻る奇病。
トンデモ設定かと思ったら、切ないじゃないかぁー。
発症する原因は定かではないのですが、そのトリガーは恐らく〝未練〟。
主人公たちが「リワインド症候群」に罹患した理由となる未練や、過去に囚われている姿が切なくて泣けました。
過去を取り戻すもの、未来へ歩き出すもの、背中を押すもの……救済と昇華のお話です。(違う?)

【リワインドラバー】
大学生の幸彦は、体が高校時代に巻き戻る「リワインド症候群」の罹患者。
月に1週間だけ小柄な体に戻る幸彦は、その間は体格のいい男を漁っては抱かれる日々。
そんなある日SNSで出会ったのは、高校時代の後輩・凪で……

大きな体にコンプレックスを持つ幸彦の未練は、高校時代の小さな体。高校時代に植え付けられたトラウマが幸彦のトリガーなんですよね。
この相手がクソなんですよ!
小柄で可愛い幸彦を女の代わりにしてただけ‼︎
そんな男に夢中になって傷付けられて、2人の関係を守るために後輩をレイプまでして……。

そう、このレイプした相手が凪。
卑劣な行為だし、これによって性癖を捻じ曲げられた凪は不幸としか言いようが無い。憎んでもいいと思う。

これは凪の復讐……?

いや違う。酷いことされても好きなんだよ。
私には、凪はただの執着男には思えなかった。むしろ、恋を拗らせた一途な青年に見えました。

大きな男を抱きたくないんだろ?
自分より小さな男に抱かれたくないんだろ?

この気持ちのズレが生むすれ違いが切ないのですが、幸彦を思う凪の言動が幸彦の呪いを解いていきます。
「大きい」「小さい」じゃなく、「好き」だから抱きたい、抱かれたいに変わっていく過程に胸キュンでした。

エロはたっぷり。痛い場面もあって辛いのですが、凪×幸彦のセックスはめっちゃエロいです。
挿れてる途中で小さくなったり大きくなったりするので、凪的には楽しいかも……と思ったら、『愛しい』だったよ〜♡
描き下ろしヤバい。キュンキュンした♡

【リワインドラバーregain】
研究者・満×会社社長・晴喜。
2人が青春を取り戻す素敵なお話でした。
すごく好き。感動しました。

高校生に戻ってしまう2人が、親友のように笑い合う姿が眩しくてときめく。
立場とか羨望とか、そんなもの全て取っ払って残った素直な気持ちにグッときました。

それぞれ違った理由で残した未練。置いてきた青春にそれぞれの姿を重ね、それが人生の重なりになっていく。
話したり一緒にご飯を食べたり、そんな些細な事で感じる幸せが素敵だなと思いました。

大人になったってやり直せるんですよ。
2人で取り戻す青春を謳歌してほしい。
大人には大人なりの楽しみ方があると思うよ。

大人同士・子ども同士でのHは、一粒で二度美味しい♡
大人×子ども、子ども×大人の組み合わせも見たかった〜


どちらの話もキュンとできて素敵でした。
絵も綺麗、エロにも萌えるって最高でしょ!

Luck コミック

暮田マキネ 

占いに従うことで人は幸せになれるのか?

とても面白かったです。
裏がありそうな先輩と、日々を占いに頼って生きている後輩。
そんな大学生2人の不器用な恋に萌えたりホロリとしたり。表情豊かな物語で、最後まで飽きさせません。

一日の行動を占い通りに過ごす大学生・天は、大学の有名人・寿里に突然話しかけられ、なぜか付きまとわれてしまいます。
この出会いは、偶然かそれとも……と、いうお話。

心理学科の寿里は人身掌握術に優れていて、天を意のままにコントロールしているのでは……と、不安を覚えるほど笑顔が怖い時がある。
そして、ニコニコ顔からの真顔にドキッとさせられます。

一方、辛い恋の経験をもつ天。
天を弄んだ先輩が本物のクズで、腹が立って仕方がありませんでした。
傷付けられた天が可哀想で可哀想で涙が出ます。
この男がキッカケで天は占いに依存するようになったのですが、そんなこと知る由もないんだろうなと思うと余計腹立つ!
物語中盤のこいつのザマァは見ものですよ。スカッとした‼︎

占い通りに行動することで、縮まって行く2人の距離と温度差。
警戒心丸出しの天が寿里に心許していく過程が丁寧に描かれていてキュンとします。

しかし、寿里には天に打ち明けられない秘密があり……

結果的に、一番占いに振り回されていたのは寿里だったのかもしれない。
人生を他人に左右されたがる人間がいるなんて理解できないと言いながら、天に近付くために自らその〝他人〟になり切る。
寿里の行動が天を傷付け、その罪悪感が天を追いかける足を鈍らせる。もー、ここが切なくて……

器用そうに見えた寿里は、とっても不器用だったんですね。
だけど、そこに人間味を感じて安心してしまう自分がいました。
なかなか見えてこなかった天に執着した理由も、寿里の回想で明らかに。天、めっちゃいい子じゃん。
おばさんの占いに従ったかに思える寿里だけど、これは普通の一目惚れですよね。
キラキラで取り繕ったかっこよさよりも、ボロボロだけど必死な寿里の方に断然魅力を感じました。

人生の岐路に立った時、選択肢に迷って不安な時、誰かに背中を押してもらいたい時がありますよね。
そこを逆手に取った展開が面白かったです。

エロは少なめですが、寿里がSっぽいところが良かったし、天の精液を掬って舐めるところがエロかった♡
天の潮吹きは、是非本編で見たかったなあ。

前作を軽く超えてくるねー

名言続出の下巻です。めっちゃ読み応えありました!
『チェンジワールド』ではあんなにムカついた穂積を、まさか郁央×要祐CPより好きになる日が来ようとは……
南月先生、すごいです!

下巻では、旭のトラウマがよりクローズアップされます。
「欠陥品」という言葉……これが旭のトリガー。
旭のトラウマが増幅したのは、穂積への罪悪感からでした。
だけど、欠陥がない人間なんていないですよ。
人間の欠陥と欠陥品の木材をリンクさせているところが凄く良くて、旭の父親の言葉が刺さりました。

〝虫食いだって芯さえ強ければ大事なものを守れる〟

お父さんのこの言葉が全てだと思う。
欠陥品だって柱になるし、それが味になることもあるでしょう。
お父さんから旭と恒生へのメッセージ……これには涙腺崩壊しましたよ。不器用だねえ。

そして、旭の吐露に対して穂積が言った言葉がストレートでガツンときました。
それ言うんだ……でも、そうだよね。
正直な言葉って人の心を動かすんだよなあ。
穂積が旭の荷物を一緒に持つことはできないけど、きっと軽くしてあげることはできたと思う。

「他の誰も匤人の代わりにはなれねぇ」
穂積母に旭が言ったこのセリフをなぜ本人に言わんのじゃ!とヤキモキしていましたが、最後の最後にどストレートな告白きました♡胸熱です。

旭の過去に意味を持たせてくれた穂積と、穂積に母親と向き合う勇気をくれた旭。
心から出会えて良かったと思える2人に感動でした。
依存じゃなくて、辛い時に寄りかかって心を預けられる存在になれたところが素敵。

そして、楽しみにしていた結腸責めですが遂に描き下ろしで実現します!
めっちゃエロいけど幸せそうでした〜♡

何度でも読み返したくなる素晴らしい作品でした。
出る続編出る続編が、次々前作を超えて行くの凄くないですか?
今回は、ナルの恋人たちが見れたのも良かった(笑)
今シリーズの2CPにはまだ続きがあるそう。
先生の考える2組のエンディングを見るのが、今から楽しみで仕方ありません!

甘いだけじゃないよ

『ラブネスト』の続編で、穂積と旭の同棲編になります。
甘々を期待したのですが、やっぱりそれだけじゃない。
自分の親や周りの人たちがいる現実の中では、「好き」という気持ちだけでは成り立たないこともあるんですよ。
悩んだり迷ったりすることもあって当たり前ですよね。
でも、その悩みがすごくリアルでセンシティブだなって思いました。

ナルの紹介でビルを買い取った旭。
テナントと事務所と居住区を設けていて、しかも旭がリフォームを手がけていて洒落た雰囲気になっています。
(カバー下に詳細が書かれているので、ご参照下さい!)

新しい愛の巣でラブラブな2人。
一緒に寝て起きてご飯を食べてHして、すごく幸せそうです。
穂積が旭にめろんめろんなのが伝わってきて、キュンキュンします。めっちゃ可愛い♡
旭も穂積を大切にしていて、エロスイッチ入りまくりの穂積の期待にも応えてますよ!
結腸責めを許されて、実行する前に想像だけで暴発するとか……まだまだ若いよw(いや、年なのか?)

順調そうな2人ですが旭は穂積に隠し事をしているうえ、自分が穂積を選んだ理由を考えては自己嫌悪。

「都合のいい相手」──子供が出来ない自分にとって気が楽だから?

いやいや、そうじゃないよね?
好きだからだよね?
そこがハッキリしない旭に苛つきましたが、好きじゃなければビシッとスーツで決めて、わざわざゲイバーまで穂積を迎えに来たりしないでしょ。
旭は、自分が思っている以上に穂積のことが好きだと思う。

そして、両方の親の問題ね。
親の介護とかカミングアウトとか、これは現実問題ですよ。

穂積の実家を訪れた2人……
お母さんは薄々感づいてるかな?
さて、下巻はどうなるーー…!?

エロ的にはラブラブでした♡
旭の嫉妬からの穂積の愛の告白にキューン。
結腸責めは下巻に持ち越しかな?ワクワク(゚∀゚)

萌えの補充はこちらで♡

ぎゃっ♡
なんじゃこれ!めちゃめちゃ萌えた。
糖分ゼロの本編でしたが、こ、こんなところに飴ちゃんが……

【傷】
顔が傷だらけの百目鬼に対し、「枝にでもひっかけたのか?」って;
七原の妄想が笑えますw
そして、「俺もつけるかな」という八代の言葉に被せ気味の百目鬼のセリフ……♡
「…あっそ」って、照れ照れじゃないですか〜
短いストーリーなのにニヤニヤが止まらん。

【面会】
竜崎との面会シーンは、本編でも最高でしたよね。
竜崎が八代を好き過ぎるでしょw
そして、不憫(笑)
ついでに七原も不憫ね(笑)

4Pとはいえ内容は2P分。
でも、萌えは無限大でしたよ〜
特典付き買って良かったと心底思いました。

甘さを削ぎ落とした先に萌えはあるのか…

装丁が好きすぎる。黒マット仕様に黒百目鬼ですよ。
素敵過ぎてナデナデしてます(笑)

さて、平田との抗争に終止符を打った6巻からの続きです。
囀る鳥の「鳥」って、鷲かな?鷹かな?と思っていたのですが、たぶん鷹ですよね。(違うかもだけど)
鷲と違って鷹は滅多に羽ばたかず、気流に乗って飛ぶんですよ。
33話で手負の鳥を引き摺る八代の描写の扉絵。そして、35話で羽ばたく鳥を見上げる2人。
きっと、「鳥」は八代であり百目鬼であったのだと思う。
滅多に羽ばたかない鷹が羽ばたいて飛んでゆく姿……ここに八代の元を離れる百目鬼が、そして、百目鬼から離れて行く八代の姿が重なりました。
あの時、八代が右目を隠した理由も明らかになります。

そして物語は新章へ──

あれから4年後、闇カジノ経営の傍ら金主とてしても金策にあたる八代。一方、三和会系桜一家に身を置く百目鬼。
袂を分かった2人は、金を借りたまま逃走した城戸の捜索中に再会するのです。

黒を白にし、記憶喪失だと嘘までついて堅気に戻そうとした八代の気持ちに反し、まだヤクザの世界に留まっていた百目鬼。
八代との繋がりを求めたんだと思うけど、そうまでしておいて4年も会わなかったという百目鬼の精神力に驚きです。「待て」が出来る(出来すぎる)犬ですね。
対して、八代にしてみれば青天の霹靂ですよ。
百目鬼のためだと思って手放したのに、まだこんな世界にいたんだから。
それにしても、八代は年を重ねてより色っぽくなってますね。
なんて罪な人だ;

再会のシーンは、静かですが見開きで圧巻です。
あのクレバーで飄々とした八代の心を、一瞬で揺さぶるのは百目鬼しかいないでしょう。
言葉はないけど、八代に会えて嬉しそうな顔の百目鬼の表情が印象的でした。

百目鬼が身を置く桜一家の組長・綱川も魅力的。
本人も天羽も語らない百目鬼の過去を探る男ですが、頭は切れるし回転もいい。
百目鬼をこき下ろす八代の言葉の裏も分かっているのは、天羽に言った「部下思い」の一言から読み取れます。
ヨネダ先生の作品は、キャラがストーリーを進めるためだけに言わされているセリフがひとつもないのが凄いと思う。
セリフや表情全てに意味がある。とにかく凄い。

甘さは一切ありませんが、6巻までのように殺伐とした雰囲気もない。
だけど、その淡々とした雰囲気に焦らされるんです。
2人の絡みも表面的なもので、いちからの出発というより、マイナスからの再出発です。

男とセックスするのは、八代にとってはタバコを吸うのと同じだと言ったのは七原でしたね。
セックスは八代のアイデンティティであり武器だ。
今まで散々淫乱な姿を曝け出していた八代ですが、今回そういった場面はなし。八代は変わったのか?
一方、井波からの着信を目にした百目鬼は、「──変わらないんですね」「変わらないなら 俺ともできますか」と、迫り……と、ここで本作は終了です。

多分、八代は百目鬼とはできないんだろうな。
だって、百目鬼だけが八代の特別だから。
〝ひとは変わるもの〟〝変われるもの〟〝どうせ変わらないもの〟……八代と百目鬼はどれなんでしょうね。

裏社会という環境、複雑な人間関係、過去と今そして未来……切ないこの状況の先に最大級の萌えが待っているのでしょうか?
物語の行く末が気になりすぎます……。

金蘭の意味に納得の秀作!

ふわふわ可愛いお話かと思ったら、意外とセンシティブ。
人間不信の伊織が『金蘭寮』の仲間たちと関わる事で成長していく姿を描いており、切なくなったりキュンとしたり胸が苦しくなったり……と、とにかく心揺さぶられました。

主人公の伊織は、幼少期から母親に虐待されたことで愛着障害を抱えた青年です。(多分そう)
そんな伊織の唯一の友だちは「きなこ」で、部屋はぬいぐるみでいっぱい。
伊織はそんな自分を恥ずかしく思っているのですが、寮生達はそのままの伊織を受け入れ、温かく迎え入れます。

料理担当ママ、ジェンダーレスのんのん、スウェーデンから来たラッセ、太っちょマルティン……そして、帰国子女のアキ。
この個性的な寮生達が、とにかく温かくて優しい。
寮生達とのわちゃわちゃには、ほっこりさせられました。

この素晴らしい仲間達が愛着障害を抱えているであろう伊織のサポート役になってくれるのですが、特に人タラシのアキ。
アキが伊織にとっての「安全基地」。

アキがストレスから伊織に意地悪してしまった時は正直ムカつきましたが、アキも完璧じゃない普通の人間なんだなと思いました。
全部捨ててきたアキにとって、伊織が一番大切なものになっていく姿が胸熱。

伊織の母親は病気だと思う。
寂しさからの執着かもしれないけど、子どもは都合のいい時に親の寂しさを埋める道具じゃないよ。
アキが母親に現実を突きつけた事は良かったと思うし、これが治療のきっかけになってくれればと思います。

アキと一緒に眠り、泣き、それがカタルシス効果を生む。
そして、自然に恋に落ちていく……その過程が丁寧な心理描写と共に静かに描かれています。

お互いが負担を与えないように〝受け〟を考えていたところは可愛くてキュンとしました。
なんて優しい子たちなんだろう。愛しい。

温かい体温、心臓の鼓動、帰りたい場所。
たくさんの大切なものを見つけた伊織の心の成長が泣ける。
もがきながら懸命に生きることも、青春を謳歌していることに繋がりますよね。
あぁー、若いっていいなあ。(しみじみ)


構成とキャラとストーリー、全てが胸にくる

あー、じゃのめ先生の描く美少年って可憐で最高♡
最初の数ページで心掴まれました。
絵を志す少年たちが登場し、甘酸っぱい青春の日々を繰り広げます。

漫画家になりたい武田×絵描きになりたい長内。
進路に悩む長内に寄り添いたくて、その素直な気持ちに突き動かされるように告白した武田。
そして、恋は成就し……と、胸キュンしまくり。

からの……陰湿ないじめシーン。
えっ!?と、なりました。

それから数年後──

とにかく、構成が素晴らしいとしか言いようがないです。
胸キュンからの絶望。
ジェットコースター?いや、フリーフォールでしょ。
胸がギュギュっと苦しくなりました。

あんなにキラキラ眩しく輝いた日々はどこへ?
あれから数年後、長内を憎む武田……2人に一体何があったのか?

長内の裏切りは、ハッキリ言って酷すぎた。
ガツンと頭を殴られた気分になりました。
長内を本気で好きだったからこそ、武田の心の傷は深いのです。

そして、長内視点で見えてくる真実。
見えてきたのは、武田への愛と嫉妬と不安と……
愛に嫉妬と裏切りはつきものかもしれませんが、読んでいくほど切なくてやりきれなくなってしまいます。

好きな事を続けるのは楽しいばかりじゃないし、諦める時は身を削がれるように辛いと思う。
どうせ諦めただろうと思っていたのに、夢を叶えた武田が目の前に現れたら心中穏やかじゃいられないですよね。
だからといって、それを武田にぶつけるのは違うと思う。

キャラが最初から最後まで生き生きしています。
一筋縄ではいかない関係も、複雑な心理描写も、そこに続くストーリーも、全てが丁寧で響きました。
所々に切ない気持ちが織り込まれていて、現実や夢に振り回されながらも懸命に生きようとする2人の姿に心打たれた。

恩師の死をきっかけに、お互いの道が、過去が重なり合うラストにグッときます。
許すことさえできれば、人生は何度でもやり直せるんですね。
人生は、許して許されることの積み重ねなんだ……そんな風に思わせてくれる、素晴らしい作品でした。

描き下ろしは少しコミカル。
武田の上で乱れる長内がめっちゃエロい♡
焦らずゆっくり築き上げる関係も良いですよね。
さりげない長内からの告白、武田は気付いてないよね(笑)

ちょっと懐かしい雰囲気も好き

大大大好きな作品で、読むたびに泣いてしまう。
もはや、泣くために読んでるのかも。
文句なしの神作品なのですが、神すぎてこれを基準にしちゃうと神の基準がおかしくなっちゃうので、自分の中では殿堂入りという立ち位置にしてます。
それくらい素晴らしい!

実は旧版も既読なのですが、掲載順序が入れ替わっている本作の方が読みやすい。
そして、小冊子だった『春に降る雪』、描き下ろしの『青嵐』がいい!
旧作のみ既読の方にも是非読んでもらいたい一冊です。

加持と湊の不器用な恋に胸キュンとし、武井と鈴原の切ない恋に涙。
何度読んでも泣ける。分かっているのに泣ける。思い出すだけで泣ける。もうどうしようもないですよ。
BLというカテゴリーには収まらない人間ドラマですよ。

いつも思うんですけど、武井が麻子と鈴原という大切な人を2人も失ったのは、殺人という業を犯したからなんだろうか……と。
でも、そうじゃないといいなと。
だって、人は必ず死ぬものでしょ。
宿命からは逃れられないし、病と戦うのは勝負じゃない。
大切な人のために生きたい、生きてほしいと思うのは欲じゃなくて、愛でしょ?

いつか武井に死が訪れたとしても、きっと怖くないし悲しくないよね。
だって、麻子と鈴原が必ず迎えに来てくれるから。
そう思うと、少し救われる気持ちになるんです。

加持と湊には後悔しないように、今を精一杯生きてほしい。
遠回りした分、たくさん愛して欲しい。

そして、志郎が本作唯一の明るさであり清涼。癒されました。
志郎にも愛する人、愛してくれる人が見つかりますように。
最後に武井が志郎に言った言葉も、重みと深みがありますよね。

あー、もう何回読むんだろう。でも、まだまだ読むぞ!
出会えて良かったと思わせてくれる作品の一つです。
今更ですが、素敵な作品をありがとうございます。

何だかんだあっても単純なんじゃない?

すんごいシリアスで壮大な感じに仕立ててますけど、ただ単に、内海が「赤嶺好き」「俺だけを見て」って拗ねてただけのお話ですよね。

赤嶺にしてみれば、一度の親切&レイプがここまでの恨みを買うとは……と、いう感じでしょうね。
逆レイプされた挙句、陥れられて殺されかけるって……代償が大き過ぎる;

それでも、お互いに誰かに必要とされたかった、大切にされたかったという気持ちが伝わってきたから、そこまで嫌な感じはしなかったです。
そんな2人が傷を舐め合うように、隙間を埋め合うように寄り添うのはおかしい事じゃないでしょ。

何でここまで?と思うし、会社がヤクザ過ぎるし、男が襲われすぎるし、冴木はずるいと思う。
だけど、赤嶺と内海の心理描写に違和感は感じませんでした。
手を繋いで倒れているところなんてドラマチックだったし、死なないでー!って思っちゃったもん。

ちょっと話を大きくし過ぎた感はありますが、ラストもとーっても素敵でした。
内海の顔面が美しすぎて眩しかった。

エロは濃厚で、大きな男2人が絡み合うセックスは大好きです♡
レイプはいかんけどね。