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神様なんか信じない僕らのエデン 上

kamisamananka shinjinai bokua no Eden

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表題作神様なんか信じない僕らのエデン 上

喬織人
17歳,高校生
西央凛々斗
17歳,高校生

その他の収録作品

  • カバー下漫画
  • 初期設定(カバー下)

あらすじ

普通の世界。世界最小の衛星ロケットが打ち上げられ、 天才中学生棋士が最年少で六段に昇格した、そんな世界――。
勉強が好きなこと以外は平凡な喬 織人はある日、 密かに憧れていたクラスメイトの西央 凛々斗から 異常なほどの良い匂いを感じる。
体育の授業終わり、 火照った顔で呼吸も浅い西央を心配し保健室に連れて行こうと する喬だったが、半ば強引に体育倉庫へと誘い込まれ――…?

作品情報

作品名
神様なんか信じない僕らのエデン 上
著者
一ノ瀬ゆま 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスデラックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784799751947
4.6

(620)

(484)

萌々

(82)

(28)

中立

(13)

趣味じゃない

(13)

レビュー数
37
得点
2845
評価数
620
平均
4.6 / 5
神率
78.1%

レビュー投稿数37

これは斬新。

商業誌ではお久しぶりな気がする一ノ瀬さんの新刊。楽しみ過ぎて、あらすじも確認せずに早々に予約していました。

一ノ瀬さん作品てちょっと独特っていうのかな。不思議な世界観を放つ作品を描かれるイメージが強いのですが今作品も斬新な設定のお話でした。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。




主人公はDKの喬くん。
開業医の父親に、ちょっぴり怖いけれどしっかり者の母親、お調子者の弟を持つごく「普通」の青年。頭がよく、勉強が好きで、でも、父親のあとを継いで医師になるのではなく、なるのなら獣医師の方が良いと思っている。彼は動物がとても好きなのだ。

そんな彼は目立たないようひっそりと高校生活を送っているが、気になる同級生がいる。明るく人当たりがよく、友人が多い西央くん。

ところがある日、西央くんからめっちゃ良い匂いがしてくる。
少し熱っぽく体調が悪いという彼を保健室に連れて行こうとする喬くんだが、途中で西央くんに倉庫に引きずり込まれ、そのまま体を重ねてしまうが―。

というお話。

んー。

良い匂い、とか。
熱っぽい、とか。
いきなり欲情してしまう、とか。

あれ?オメガバースもの?

と、読者は当たり前のように思うのですが。

以下、壮大なネタバレ表現がありますのでちょっと下げます。


***********************************************







彼らは、人類初のα×Ω、なのです。

初、ということで、当然のように彼らにはオメガバの情報がない。オメガバースという概念が、そもそもない。
なぜ、急に欲情してしまったのか。
なぜ、相手の匂いを好ましく感じるのか。
なぜ、喬くんのtnkに亀頭球があるのか―。

読者には、当たり前のように理解しているそれらについて、彼らは何もわからず困惑する。このあたりの感情の機微が素晴らしく緻密に、繊細に描かれています。

そして、そんな彼らの身体の謎にさらに輪をかけるのが、彼らの家庭環境。
複雑な家庭環境に育った西央くんは、母親に心配を掛けたくないと願う。そこをサポートする形で喬くんが関わってきますが、ストーリー展開がお上手で話に無理がない。喬くんの「動物好き」という設定も、上手に生きているっていうのかな。彼の動物に対する知識が、オメガバースという未知の領域を上手にカバーしていく。

オメガバものは数多くあれど、「人類初」というのがなんとも斬新な設定。

『神様なんか信じない僕らのエデン』は、上下2巻が同日発売になりました。

1巻は、ヒートを起こした西央くんと、そのヒートに中てられた喬くん、がメインになっていて、とにかく濡れ場が多い。西央くんと喬くんは、いわば体の関係から入ってしまった関係ではあるのですが、その言動の端々にお互いに対する好意だったり、彼らの内面がきちんと見え隠れするためにエロに特化した内容では決してなく、甘々な雰囲気も多い。

が、一ノ瀬作品なのでねえ…。
下巻で彼らがどうなるのか気になる―!

というところで上巻は終わり。下巻へと続きます。

25

新しい世界の始まり

『gift』に続いて読んだ一ノ瀬ゆま先生の作品です。

高校生 喬 織人と同級生 西央 凛々斗のお話。

2018年の2月
世界最小の衛星ロケットの打ち上げが成功し、冬季平昌オリンピックが開幕し、約580億円の仮想通貨が流出する――そんな普通の世界。
実家が病院の織人は宇宙物理学や動物学に興味のある秀才だけど地味な高校生。
「香水?つけてるのかな」
ある日、クラスメイトの凛々斗と会話した時に「すごいイイ匂い」を感じます。
カッコよくて素敵な凛々斗は織人の憧れでした。
体育の授業中、もともと熱があった凛々斗の体調が悪化し、そばに居た織人が保健室に連れて行くことに。
しかし、凛々斗から香る匂いに意識が朦朧とする織人。
「そこはいって…」
凛々斗に促されて入ったのは保健室ではなく、体育倉庫で…。

「人類史上初のαとΩ」とコミックスの帯にあるように、オメガバース設定になります。
ところが、今まで手にしたオメガバースとは全く異なる視点とストーリー展開になっていました。
独創的でいて繊細なオメガバースの設定に、きっと冒頭から惹き込まれるでしょう。
個人的には、一ノ瀬ゆま先生の綺麗な絵柄がさらに洗練されていたことに驚きました。
いつもの丁寧なタッチに可愛らしさが加わり、作品に甘さが溶け込んでいて良かったです。

突然 身体が変異した凛々斗と織人。
それは、人類が歩みだす新たな進化への幕開けでした。
2人の過ごした濃密な7日間。
上巻では、その変異の始まりと2人の3日間の様子が描かれています。
体育倉庫で3時間にも及ぶセックスをした織人と凛々斗。
ところが、凛々斗の発情は一向に収まらず自宅に帰ることが出来ません。
結局、そのまま体育倉庫に身を隠すことになりました。

この物語の軸になっているオメガバース。
しかし、2人は本能に逆らえず幾度も身体を重ねあうだけではありません。
織人と凛々斗が変異した心と身体にそれぞれ戸惑う姿や家庭環境などのバックボーンも絡めているので、思春期の高校生の葛藤や悩みを痛いほど感じながら読み進められます。

人類初と言う未知の変異に戸惑いながらも、博学多識の織人により、オメガバースの定義を紐解く流れはミステリアスな要素もあってドキドキしました。
ただ、序盤ですぐに2人が発情してしまったため、やや性急に感じたのが残念だったかな。
まだ何もない織人と凛々斗の日常が読めたら、より物語に入り込めたように思います。
…とは言え、凛々斗の感覚や脳内ビジョンが織人に伝達される特殊設定もあり、あらゆる角度から楽しませてくれる構成になっています。
あっという間に読み終えてしまい、上下巻同時発売に感謝しかありません(泣)

2人に湧き上がる感情は本能なのか?
それとも、別の何かなのか?
もう間もなく人類が直面する新しい世界と2人の行く末を案じながら下巻を読みたいと思います。

11

世界の始まり

下巻まで読み終えて一息。

……すっっっっっごい良かった…!!

オメガバースの前夜譚というのを初めて読みました。
日常から始まる人類初めてのヒート、オメガもアルファもいない世界での運命の出会い。
ある日突然クラスメイトから感じた異変、発情に巻き込まれアルファとしての才能を開花させていく攻めと、本能にどんどんと抗えなくなっていく受け。
怒涛です。
読み進めていく内にどんどんと惹き込まれました。天才か。
ストーリーも然ることながら、オメガの匂いの描写やヒート時の受けの表情だったり、絵の繊細さも素敵でした。
リピート間違いなしです。

9

何だ、これ、すごすぎる。

タイトルが思いつかなくて、とりあえず1番に思ったことにしました。
衝撃でした。
すごい。いやもうほんとに、すごい。

進学校の中でもトップクラスの成績を誇る喬織人(たかいしきと)。
家では生意気な弟に背中を蹴られ、父は開業医、母はズバズバサバサバ系。
クラスの中でおとなしくて控えめな方の喬とは正反対に、明るくて華のある西央(にしお)凛々人。
ある日、具合の悪そうな西央を保健室に連れて行く途中、抗えない異変が起きて…。

想像していたのと全然違ってました。
まずわりとコミカルなタッチ。
喬目線の上巻は、脳内の自虐ノリツッコミ満載です。
もっと悲壮感に溢れた感じだと思っていたので、これは嬉しい誤算。
一番好きなのは「先祖はイカの家系?あ イカすってそういう」ってところ。
そして作画に清潔感があるので、発情中のえろすなシーンが綺麗。
ヒート中ってわりとどっろどろのでっろでろで描かれることが多い気がしますが、汁感なのか、作画のおかげさまなのか、そういうどっろどろのでっろでろじゃなく。
なのでえろすに抵抗がある方でも、わりと嫌悪感なく読めるんじゃないかなと。

深刻な状況ながら、ぐいぐい引き込まれます。
オメガバース作品は作家さんそれぞれにちょっとした設定の違いを加えたりはあるけれど、その枠組みが出来る前の話ゆえに、当事者たちの戸惑いと衝動がはっきりくっきり描かれていて、「どうなるんだ!?」と手に汗握りつつも、喬の脳内で笑い、それが具現化された表現に笑い、でも先が気になりすぎるという展開。

奇想天外な話ながら、説得力がすごい。
医者より獣医の方に興味があるという喬の設定が、後半になって生きてくる流れに「なるほど」と思う。
αの覚醒のせいか、西央の思考が聞こえてくるようになったとき、西央が親や自分に感じている遠慮に気付いても、うまく立ち回れない辺り。
すっごくもどかしいんだけど、もともとがおとなしくて目立たない立ち位置。
うまく立ち回れるわけがないんですね。
しかも「穏便」をモットーとする彼にとって、今の西央は寄らぬが吉。
体育倉庫に行かなければ、自分だけは難を逃れられるわけで。
なのにそこに向かわざるを得ないのが衝動のせいだけじゃなくて、喬が元来持っている優しさや生真面目さに起因している部分も感じられるし、拙い言葉で一生懸命西央の不安を取り去ろうとするのも好感が持てるところ。

ともすると少年漫画の主人公的な感じではあります。
体も心も弱い主人公が「うわァー、ボクには無理だよォ」と言いながら、「逃げたい、でもボクしかいないんだッ!」っていう使命感から強くなって、潜在能力が覚醒していくような。
でもそういう主人公に比べてテンパリつつも、冷静に分析できる部分があるのも良いんです。

1日目は西央から出る匂いと止まらない性的欲求と、西央限定で思考が読めるように。
2日目は西央を守りたいという気持ちが芽生えると同時に、噛みたい衝動。さらに相手を圧倒するオーラまで身に付いて、ムスコさん的存在にも変化が。
3日目は視力が改善されるという身体的変化が。
この状況からどうエンディングに持っていくのか、気になりすぎます。
鼻息荒く、下巻へ行ってまいります!

8

本格的世界系BL

ファンタジー作品になるとは思うんですがよくあるBLのファンタジーではなく、結構ガチのファンタジーです。
わりと早めの展開から匂いの描写があります。勘のいい読者はここでオメガバースを紐付けることができそう。もちろん本の世界ではバース性なんて存在しないのでとりあえず求めるままヒートと知らずヤリまくる。普通の男子高校生がそんな簡単にヤったりできるの?なんて考えてしまったが、オメガバースだからとそこはすんなり受け入れられた。
この一線を超えてからの二人の変化がとても面白かった
自分の意思に反して本能的な行動を取ろうとしたり、この辺の変化の見せ方上手かったです。
もしかしたらα体質になっているのではと勘づく攻めは勘がよすぎるな、と思いました

この作品がすごいな、こだわり抜いた設定ですね
ブレずに最後まで貫いてくれた
心理描写が細かすぎて時々理解がむずかしいシーンもありましたがそこは繰り返し読んで理解できるようにしようと思ってます
いままでなかったバースの起源作品なので同じ作品がなくとても新鮮だった。
へぇ、こうしてバースが誕生したのか、なんて思いましたね〜。実際誰も知りませんしもしかしたらこの世にはすでにバース性が誕生してるかも…
なーんて妄想も膨らみ、これこそ創作の醍醐味ですよね!

世界系に属されるとは思いますが自分は好きですね

8

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