水原とほるさんのレビュー一覧

愛の奴隷 小説

水原とほる  水名瀬雅良 

気持ちを確認し合えない純愛

2009年発刊当時の昔風描写の挿絵は、無い方が良いと思った。

「愛の奴隷」とは、宏樹が、自分は彰信をつなぎとめたい愛の奴隷だと悔やむ場面に出る言葉。
相愛なのに、二人とも気持ちを言葉にして確認できないためすれ違う。

水川宏樹:設計事務所勤務
右足の小児麻痺の後遺症を持つ無自覚美貌。
小学生の頃から虐めの対象。唯一虐めから守ってくれたのが、彰信。
一旦疎遠になるが、大学時代に再会…

0

ヘプタゴンは微笑む 小説

水原とほる  幸村佳苗 

ヘプタグラムでは?

あらすじ読んで面白そうだと思い読みました。

タイトルが「ヘプタゴン〜」なので七角形にちなんだ何かが出てくるのかな、と思っていると「ヘプタゴン」という組織は正式には「七芒星の会」のことだと。
え、七芒星なら「ヘプタグラム」では?とモヤモヤ。
しかも作中で正七芒星は存在しないと書かれていますが、コンパスと定規で描けないだけで存在します。
この他にもリアリティに欠ける表現が散見され、内容に説…

2

太陽をなくした街 小説

水原とほる  奈良千春 

復讐を諦めさせた人

電子版は挿絵無し。表紙のみ。

太陽をなくした街とは、あいりん地区のこと

冤罪を着せられた狙撃の名選手、吾妻を探す七生
七生は、粛正された父親の復讐を果たしたい。
吾妻は、あいりん地区のまとめ役的な存在になっていた。
日雇いで暮らす人達は、色々な過去と事情を持っている。

計画実行の土壇場で、七生の依頼を反故する吾妻。
吾妻の愛で、心に太陽を取り戻す七生

水原先生の作品…

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夏陰 -cain- 小説

水原とほる  高緒拾 

理不尽だけと惹きつけられる

小説の冒頭って結構重要だと思うんですよね。この小説は受けが理不尽な目にあうところからはじまります。理不尽なことをするのがヤクザの攻めです。結構衝撃的で、そこから物語に引き込まれます。

理不尽な目に合わせられた受けは攻めを嫌がっています。ですが、最終的には結ばれます。あんな酷いことされて、しかも攻めが無理矢理受けを攻めの世界に連れてこなければ、しなくてもいい辛い経験をしたのにも関わらず。
で…

2

夜へと急ぐ二人 小説

水原とほる  葛西リカコ 

「純愛」 この続きを読みたい

理不尽な暴力場面が無い恋愛小説。
内容は、過去と決別する再生。夜の次に訪れるのは夜明け。
以前の作品テーマは「執着」 この作品からテーマは「純愛」に変わる。


北原憲介:34歳,弁護士 ゲイ
昔、恋人を二輪事故で失う。
ポルシェのバッテリーアガリを翠が治したことで、知り合う。

遠野翠:20歳、華奢な美貌。元暴走族の姫。事故で族を辞め、高校中退。 
昼間は自動車整備工、夜は夜…

1

ラ・テンペスタ 小説

水原とほる  葛西リカコ 

題名でほぼネタバレ・・美への執着愛

水原先生のややソフトな狂気溢れる執着愛。
題名と内容を象徴する美術品が二つ登場。

一つは、タイトルのラ・テンペスタ 原題 “La Tempesta” 「嵐」
母乳を与える座る女性の右の地面に、乳児が座る
背後の雷雲、周囲の大地、水、大気、火
・・謎の多い「聖なる会話」と言われる作品。

もう一つは、作品中に登場する美術品、”Vergine delle Rocce” 「岸壁の生母」…

1

フォルモサの夜 小説

水原とほる  周防佑未 

--

文庫本で読了。


周防佑未 のイラストだと、
美人受の設定だけど、汚れ顔で綺麗に見えないのが残念だった。
京劇や、中華街が好きな人向け。

1

蛇喰い 小説

水原とほる  和鐵屋匠 

独特な民話アレンジ 薄暗くて面白かった 

電子版には挿絵無し。

主人公がすき焼きの材料を買って帰宅すると、
押し入ってきた反社なメンバーに、ある日突然拉致される
金目のものをもって逃走した、恋人の借金のカタになってしまった

でも、主人公は今までにない好待遇で、拉致先で大事にされだす。

主人公は、傍に居る間は金運が上がり、離れると相手の運が尽きる、
相手の運気を食いつくす黒蛇の性の持ち主だった。

白蛇の性を宿す…

1

愛と贖罪 小説

水原とほる  葛西リカコ 

電子版には挿絵がなかった

両親を事故で失った歩は、母の弟・美貌の叔父・直人と暮らす事になる。
叔父は、母と似ている。40才近いのに直人の見かけは若い。
歩は、両親の良いとこどりで、どちらかというと母に似ている。

両親が出会った馴れ初めは、父が叔父の家庭教師だったことから。
家庭教師を、大学卒業と同時に辞めて、伯父と父が再会したのは、
母と結婚する挨拶に来た時だった。
そして、両親が結婚して歩が生まれて、叔父…

2

君を忘れない 小説

水原とほる  さおとめあげは 

起承転結が短い中できっちり構成されている純愛もの

水原先生の初期短編。
表紙絵のみ、挿絵無し。電子版で読了。
失礼ながら・・表紙絵で随分損をしている。

堀内正延:
高校で成績上位、外観良し、陸上部のスター選手 
大卒後、エリート商社勤務。家族にはゲイを告白 
姉が婿養子を取り、独り暮らし。

小林佐紀:
母の再婚相手から性虐待されていた、美少年。
高校を自主退学後、行方知れず。

大下:
佐紀の母方の従弟。大下は佐紀…

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