ボタンを押すと即立ち読みできます!
俺たちは愛に囚われた獣…
口下手な攻め(ヤクザの息子)×健気で鈍感な、だけど肝の座った受け
ラストの展開は、うーんそれで良いのかい?と個人的に首を捻ってしまうものだったのですが、それまでの過程が面白かったので神評価で。
受けの鈍感具合とそれに対する攻めの苛つきは王道ですが読んでてやっぱりニヤニヤしてしまいます。とっくに両思いなのに先に身体の関係が出来てしまったせいで色々拗れてまして、さっさと腹を割って話せば解決するのですが、攻めは口下手だし、受けは自分に自信がないしで、ラストまでズルズル拗れ続けます(受けの境遇を考えると卑屈になってしまうのは仕方がないことかなぁと笑)
このモダモダ感が私は好きでしたね。
受けが敵対勢力に拐われて酷い目にあいます。他の水原作品に比べたら手緩い感じはするんですが、受けが痛い目(物理的に)にあうのが苦手な方はご注意を。
水原先生はヤクザ絡みが多いので好きな作家さまですが、萌えにハマるようなハマらないような…で、なかなか決定打に遭遇できず。このお話はキュンキュンしました。
やはり、こういうジレジレが好きで。言ってみたら(両)片思いの状態とジェラシーが萌えだからかな。なので、いつまでたってもハッキリしない曖昧な関係(この場合は遠慮が過ぎて卑屈にも感じる受け?)が苦手な方は御用心。
中学からの同級生モノです。宏樹は小児麻痺を患い右脚に障がいがあって、思春期の頃からいじめにあうようになります。その彼を中学時代から庇ってくれていたのがヤクザの息子、彰信。二人の関係は社会人になってからも続いていて…
右脚を引け目に感じている宏樹は、気遣いながら自分を抱く彰信を手放したくありません。しかし、愛の奴隷になっているのは、実は彰信の方。結局彼は、宏樹を守るためにずっと背いていた宿命を受け入れるのですから。
初めは不憫な生徒に同情しただけだったのに、その思いはいつしか執着に変わっていき…。表向きは友人を装いながら、互いに相手のことをどう思っているのかを伝え合うことなく、身体の関係だけはある。なんか、とんでもないエロスを感じるんだよなぁ。
2009年発刊当時の昔風描写の挿絵は、無い方が良いと思った。
「愛の奴隷」とは、宏樹が、自分は彰信をつなぎとめたい愛の奴隷だと悔やむ場面に出る言葉。
相愛なのに、二人とも気持ちを言葉にして確認できないためすれ違う。
水川宏樹:設計事務所勤務
右足の小児麻痺の後遺症を持つ無自覚美貌。
小学生の頃から虐めの対象。唯一虐めから守ってくれたのが、彰信。
一旦疎遠になるが、大学時代に再会、彰信と月二回逢瀬が生きる支え。
久坂の跡目争いで拉致暴力を受ける。
久坂彰信:外資企業勤務
弱い者虐めを見過ごせない義侠心篤い、組長以上の傑物。寡黙で口下手。
大事なものを手放したくないので、後継を拒否。
小中学生時代に足の後遺症を理由にいじめられていたからか…宏樹の自己卑下っぷり&助けてくれた彰信への好きっぷりは大きいです。
でもちゃんと自立してるし仕事のスキルアップをはかる努力家さん♪
そこ凄い好感度高い(*´艸`*)♪*゚
「もう少し自分に自信を持って良いんだよー!」と言ってあげたい(ノд<。)゜。
彰信はヤクザの組長のひとり息子ながら組を継ぐことを断固拒否!
それは宏樹をヤクザの世界に巻き込まないためなんだけど、宏樹はそれに気付かないー。
隣人への嫉妬とかからも「同情」が理由でそばにいるわけじゃないって読んでる側からしたら察せられるんですけどね(;´Д`A ```
因みに個人的ドツボ(`・ω・´)ゞビシッ!!
・宏樹からのお誘い を密かに喜ぶ彰信
・後遺症を持つ受けの右足を「俺以外の誰にも見せるな」って言って大事~に触れる
・宏樹の心のこもった手料理(食べてみたいっ!!)
・最後にお互いの思いを打ち明け合うシーン
。:+* ゜イイ!!Σd(・ω・`)゜ *+:。
久坂彰信(ヤクザの息子 外資系企業に務めている)× 水川宏樹(右足に障害がある 設計事務所勤務)
中学の時、宏樹のイジメを久坂がかばったことで話をするようになった二人は、別々の高校に通うようになってもその交流は続き、いずれ体を繋げるようになります。社会人になっても久坂は宏樹のアパートに立ち寄ったり、リハビリの送り迎えをしたりと定期的に会い体の関係も続けているのですが、恋人でもない自分のために久坂に負担をかけているのではと宏樹は思い悩みます。そんな中、ヤクザの組長である久坂の父親が病気で倒れたことで、跡目候補の久坂は他のヤクザから狙われることになってしまいます。
中学時代からの腐れ縁の二人が主人公です。久坂に対して好意を抱いている宏樹視点で話が進んでいくのですが、仕事が忙しい中で恋人でもない自分のために時間を作ってくれることに疑問を感じ、負担になっているのではと思い悩んだりと結構ネガティブな思考が続きます。また足が不自由なことを引け目に感じていることもあり、自分から何かをするということはなく宏樹が受け身のやり取りが続きます。でも久坂は宏樹の隣人に嫉妬したりと意外と分かりやすい態度を取っているので、ただの親切でやっている訳ではなく結構な執着心を持って宏樹の傍にいるんだなという事は分かるんですけどね。
そんな中、久坂がヤクザの跡目問題に巻き込まれて行くのですが、恋人だと思われた宏樹も否応なく巻き込まれ拉致(凌辱←未挿入ですが)されてしまいます。その件をきっかけに二人はそれぞれ自分の気持ちに向き合う訳ですが、自分の立場のせいで宏樹を危険にさらした事で弱気になり、離れる事を選択しようとする久坂に対し、今まで受け身一方だった宏樹がはじめて自分の強い気持ちを久坂にぶつけるシーンは、凛々しくてとてもカッコ良かったです。一方久坂はラストになってヘタレ度がUPしてました。土壇場になってみて明らかになった本来の性格は宏樹の方が男前だったといった感じでしょうか。
二人の関係性もストーリー展開も、決して健全・穏やかなものではありませんでしたが、痛いシーンなどもそれ程なく(多少はあります)、比較的読みやすい話だったと思います。