杉原理生さんのレビュー一覧

夜の寓話 小説

杉原理生  木下けい子 

静かに身を焦がすような…

上質なメロドラマを見ているような作品でした。
杉原先生らしい端正で美しい表現、描写、静かに流れる乱れのない旋律を丹念に紡ぐような文章に、夏の暑さを忘れて高原で星空見てる気分になりました…( *´艸`) ”恋愛小説”が好きという方におすすめです。そこはかとなく匂い立つ大人の色気が感じられます。(こういうのを求めてます…)

プロローグは受の視点から夜空に関わる思い出、それは攻との出会いのイメー…

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赤ずきんとオオカミの事情 小説

杉原理生  竹美家らら 

めんどくさい受BL

現在、杉原先生ローラー中で”羊とオオカミの理由”のスピンオフあるんかい!というところからここへ辿り着きました。まだ新本が入手できる状況は、紙派にとってはありがたい状況ですが…。リーマンとか学生とか、市井の人々の恋愛沙汰が好きなもので、最近は旧作?平成の名作をメインに読書する日々です。

私が今まで読んだ主軸のCPが薄く膜を張ったような透明な世界の中で、独時の時間の流れでもだもだ恋をしているよう…

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37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

R37

作家買いです。有難いことに紙の新本がまだ入手可能だったので、名作の呼び声高い本作品、お取り寄せしてしまいました。”神”or”しゅみじゃない”の二択系統です。いつもより読み進むのに時間がかかってしまいましたが、読了して”神”一択でした。”翳りゆく部屋”という昭和の名曲があるのですが、音楽にするとそんなイメージでした…。

大人のベリービターな恋愛小説ですね。”恋愛”の本質小説です。楽しい内容では…

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恋を綴るひと 小説

杉原理生  葛西リカコ 

怖い話

読んで痛い。と思う作品は大好物でよく読むんですが、こちらは痛い。より怖い。がより鮮明に描かれていました。
得ることより、得たものを失うのが怖い。


咳をしても一人。
それが安寧だと思ってしまったらどんな幸福も恐怖でしかない

1

「錬金術師と不肖の弟子」電子限定SS「錬金術師と休日」 特典

2人のやり取りがとても良いです

本編その後の2人のお話です。

リクトのある疑問からアビーがリクトをとても気の毒に思うのですが、リクトの反応がやはりちょっと面白いです。

それは店の定休日からリクトの誕生日にまで話が広がるのですが、アダルバートの店は常に暇だしリクトは錬成術で作られているので誕生日も無いのです。

その事を帰宅後に話すのですが、改めて気が付いたアダルバートがリクトに対して申し訳なく思うんです。
そし…

1

錬金術師と不肖の弟子 小説

杉原理生  yoco 

再読です

キャラ文庫アンソロジーの翡翠を読むに辺り再読しました。

実は読んだ時も神評価にしていたのですが、レビューはしていませんでした。
でも素晴らしい事に再読してみても神評価作品でした。

2016年の発売当時に読んだきりでしたが、読むに従って段々と思い出したりこんな内容だったかと再確認して驚いたりして新鮮な気持ちになりました。

初めはリクトの世馴れない感じが微笑ましくて、錬金術師のアダ…

5

スローリズム 小説

杉原理生  木下けい子 

もどかしくてえずきそうになりました

はぁ…余韻が凄いことになってます。
恋愛って、こんなにも不穏で不確かなものなんだなと、じわっと実感させてくれる作品でした。不器用な2人の長い長いもだもだに、ドキドキしてしまいました。

水森(受)という人は、言ってしまえば綺麗な顔以外はいいところがないんじゃ…というか、人の心の機微や空気を読むということができないタイプで、そもそも恋愛向きじゃない人なんですよね。ゆえに、そんな人を好きになって…

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恋を綴るひと 小説

杉原理生  葛西リカコ 

仄暗い雰囲気がとてもいい

読み込み型の不思議な話。

攻の蓮見は面倒見の良い、しっかりした男。
大学時代に出会った和久井の不摂生な生活を気にして、時折家に伺い食事を作って泊まっていくという友人関係。
一方和久井は、食事は冷凍食品で一週間人と話さないで篭って執筆している作家。家の近くに竜神が住むと言われる池があり、怖さを感じながらも惹かれている。

最初は蓮見目線。サクサク読めます。
次に、和久井目線。こちらが…

2

37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

大人の恋は重い

KindleUnlimitedで読みました。挿絵、あとがきなし。
表紙のイラストが素敵なので、中の挿絵も見たかった。ちなみに、杉原先生の作品はこれが初読み。

序盤から、くっついたり離れたりのモダモダがもどかしい。受けが攻めを簡単には受け入れられない理由として、信心深い親に育てられて自分の性癖を責められてるように感じて育った、との記述はある。が、それ以上の具体的なエピソードが語られるわけでも…

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37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

そういう終わり方か~と言う感じ

学生時代に出会う攻めと受け。そのときの二人の関係性が何とも形容しがたい繋がりで、読んでいる方は攻めが受けに夢中なのはわかるのに…受けは関係性が曖昧なのに乗じて受け入れない感じが焦れったかったのですが、背景には受けの育ってきた環境、大人になって再開した頃にはまた違う要因があって、どうしても幸せを受け入れられないのが切なかったです。総じて攻めがかわいそうだな、という印象で読み進めたのですが、ラストが思…

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