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大学時代、親友に告白されて、
うまく返事が出来ず振った事になってしまい、
それからは友人として付き合って、
数年連絡を取り合う事も無くなってしまったけれど
仕事で再会して、告白して、ハッピーエンド。
じゃないんです!!!
そんな簡単なもんじゃ無いんですよ、この物語は!
数年も経てばお互いも変わるし、環境も変わる。
一度振った奴が、どうして今更友達を好きだなんて思える?
それがこの作品ではゆっくり静かに綴られていて、
「なるほどね~…」と納得させられます。
進一の性格も七海の性格も、確固たる一本の筋が通ってて、
無理なく自然に受け止められました。
とにかく進一が出来た男で…。
これじゃ誰だって好きになってしまうんじゃないかな。
好きでもない男と寝る七海を理解出来ない健全さ。
皆に優しくて、普段は滅多に声も荒げないような紳士っぷり。
けど、七海に再会して、七海の元彼に感情を揺さぶられ
往来で相手を殴ってしまう熱血漢な部分もあり…。
当の七海は、強く想われたら受け止めないわけにはいかないという
優しいというか同情の塊みたいな部分がありつつ、
綺麗な顔してキツイ事言ったりするのも、
進一に平気な振りを装うのも、ものすごく健気に見えました。
とっくに諦めていたはずなのに、
結局想いに終わりがない相手に告白され、
「うれしいけど怖い」と力なくこぼす七海がとても愛おしかったです。
進一は想いを告げてから、きっちり躰でも愛を伝えます。
…もー、甘いったらないw
恥ずかしげもなく愛情表現してくれる進一に戸惑う七海が
ものすごく可愛いんです!!
気丈に見せているけど、内心すごく揺れている感が
たまらなく萌えでした♪
あとがきに書いていらっしゃいましたが、
「穂波先生の絵で大人のサラリーマン同士を書きたい」と
イメージして作られたそうです。
もうもう、ドンピシャですよー!!!
穂波ゆきねさんは、絵師買いをしてしまいたくなるくらい好きで、
でも内容が、がっつり満足出来る作品って数少ないんです。
(偉そうでごめんなさい;)
これはもう、何度も読んで、何度でも納得出来て、
イラストにもハイパー萌えなんです!!
可愛らしいような受タイプより俄然好みなので
ものすごく良かったんです!
いいわぁ、大人の恋愛って感じ…。
やたらめったら気持ちをぶつけ合わないのもポイント。
もちろん、決める時はがっちり決めますw
同級生、再会、リーマン、すれ違いのキーワードで
私の中ではピカイチな作品です♪
親友だった塚原進一と一ノ瀬七海。
大学を卒業してから疎遠になっていた二人が仕事で偶然再会したところから物語が始まります。
互いを思う気持ちを自覚するまでの時間差があるとこうなるというお手本のようなお話。
進一にも七海にも遠慮があって互いにぐるぐるしていますが、そのあたり丁寧に書き込まれていて良かったと思います。
逃げまくる七海をつかまえた進一に拍手♪
これで逃げ切られていたらヘタレの称号を与えるところでした(笑)
片思いの時間が辛くて長すぎてなかなか甘えられない七海をちゃんと支えてくださいね。
ダイナミックサスペンスもドラマチックラグジュアリーもコミカルファンタジーもなくて、ひたすらに旧友同士の心の機微が描かれた作品。
リーマンものだけど仕事内容は地味めで可もなく不可もなく、
全体を通して真面目で淡々とした印象。
なのに全然退屈しない。
ちゃんと、引き込まれる。
終始穏やかなのに、底の方から熱量が伝わってくる不思議な作品。
その秘密は、飾りすぎないキャラクター、過不足ない会話、巧みな心理描写、タイミング軸の存在にあると思う。
大学時代のある日、片思い相手だった進一(攻)にぽろっと告白してしまった七海(受)。
それが叶わないことを一瞬で悟り、「忘れてくれ」と自ら幕を引く。その後進一とは疎遠になったが数年の時を経て仕事で再会。昔の気まずさなど無かったかのように友人づきあいを再開するが…
攻視点進行ゆえに途中までは受のキャラがミステリアスに映ります。
しかし読み進めてみれば、実際の七海は上手くいかないことに慣れ過ぎて、全力でバリアを張る臆病で天邪鬼な美人さん。男らしいのに、いじらしい繊細なキャラでした。
一方攻はバリバリノンケの好青年。
歪みや鬱屈の少ない彼の視点で描かれるからこそ、アクが強くなりすぎず丁度良い温度で読むことができます。
物語では進一と七海のチリチリとした距離感の移ろいが描写されていきます。
友人という枠に落とし込もうとして無理をしている七海の痛々しさ
踏み込まない、過去を蒸し返さないことが優しさだと勘違いしている進一
2人の友人関係は一見とても自然。だからこそ超不自然。
このモヤモヤを一つずつほどいていく繊細な過程がこの本の醍醐味です。
そこにはキャラの派手さやご都合主義は必要ありません。
考えては対話をして、相手を観察して、また考えての繰り返し。
丁寧に丁寧に描かれています。
進一がようやく恋愛感情に気づいてからも、トントン拍子に行かないところも二人らしい展開で好印象。
こじらせ体質の七海は簡単には受け入れてくれずに話は中々の平行線。
それを最後の最後に「100%の好き」で覆しにかかるところが、この本のクライマックスです。
10年以上の二人の関係が交わる感慨がぶわっと押し寄せます。
だけどその気持ちはドキドキハッピーではなくて、ほっと胸をなでおろすような安堵。
とてもとても静かな沸点、とてもとても不思議な感覚でした。
読中はさらさらと読めるのに、読後に感じる圧倒的ボリューム感。
時間・タイミング軸を上手に絡めながら着地させたことによって、装飾せずとも自然とストーリーに深みが増したのだと思います。
派手そうに見えて、派手に面白い作品は多々あれど、
こういうさらっとしているけど面白い作品って探すと中々無いんですよね。
あらすじだけだと判別できないし。
というわけで個人的にはアタリ作。
静の作品がお好きな方には特にお勧めします。
杉原先生の作品を読むのは二作目になります。
親友、長年の片想い、リーマン同士・・・と、大好きな萌え要素が満載そうな作品なのに、何故か最近まで読む機会を逸していた作品でした。
そして、今回ようやく読む機会を得たのですが、なんでもっと早く出会っておかなかったんだぁ~(><)と、叫びたくなるぐらいツボにはまる作品でした。
ひたすら、2人の世界です。でも、決して閉鎖的ではなく、サラリーマン達の仕事現場を垣間見つつも、攻め様と受け様の揺れ動く友情、そしてそこから恋、愛情へと変化していく様子がじっくり楽しめます。
2人の学生時代のエピソードも絡みつつ、読み手はひたすらやきもき&ドキドキ(物凄くドキドキします。良い意味で!!!)しながら2人の行方を見守る感じです。
読み始めたら止まらなくなって、夢中で最後まで読んでしまいました。
とても好きな作品で、読み終わるのが残念に感じたほどです。
受け様の不器用な性格が物凄く理解できるだけに、読みながら本当に切なくなったり、はらはらしたりもしました。
攻め様は攻め様で、割と理性的に一歩引きながら冷静に大人の対処・・・みたいのをするタイプなだけに、押しが弱くて、ついつい2人はすれ違い・・・を繰り返すものの、最終的には攻め様が受け様の性格、受け様の本心を理解し始め、決して理性的にならずにぐいぐい押して行ってくれたおかげで無事受け様は本当の幸せを手に入れ、読み手の私も気分すっきりでした。
攻め様の押し具合、萌えます!!!ときまきます!!!!
親友でもあった2人のHはこれまたすごく良いんです!!必見です!!
受け様が、恋人になるという関係の変化に戸惑ってぐるぐるしちゃう姿もかわいくて、恋人関係になってからの2人はとにかく微笑ましいです。
結局の所、これが私の一番好きなパターンなんだと、改めて納得するようなお話。
これこそ、私の好きな杉原さん。
親友だとしか思っていなかった相手に、ふと、告白されて、逃げられて、再会して、
ずっとわだかまっていた思いが、何であるかに徐々に気付いて、
自覚したら、今度こそは逃がさずにちゃんとつかまえる。
片思いだと諦めていた物が、実は両想いで、たまたま恋愛感情に気付くタイミングが合わずに紆余曲折しちゃう。
こういうすれ違いや、右往左往は好きだなぁ。