茶屋町勝呂さんのレビュー一覧

世界の果てで待っていて -天使の傷痕-(新装版) 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

3巻はいつ…!?

今自分の中で最も続きが気になるシリーズです。
茶屋町先生の絵も好きなので、
2巻と一緒に新装版揃えました。
この作品でも高遠先生の文章・表現力が
際立っています。

統一郎(攻)と雪人(受)が
ある双子の片割れの失踪事件を解決していくお話ですが、
その合間合間に雪人の回想っぽいものが入っています。
先を読んで行くうちに事件は解決へと向かっていきますが、
統一郎の悲しい過去と、二…

4

造花の解体 小説

西条公威  茶屋町勝呂 

肉体と精神の物語

実に9年ぶりの西条さんの新刊!
といっても、「スペル・イー・エス」のシリーズの未掲載分とウェブ発表短編、そして書き下ろしが1本のまるまる新作というわけではありませんでしたが、西条ファンとしてはこれが足がかりで電子書籍以外の紙媒体の新作をまた見られるきっかけになるといいな、と密かに期待と応援をしております。

壊れたモノ(身体)を専門に撮るカメラマン・エスと、彼に仕事を依頼してくる人々のお話は…

8

Home A place in the sun 小説

かわいゆみこ  茶屋町勝呂 

生い立ちと性癖、嫌悪と諦めを持つ者同士の出会いでした。

ハードカバーです。
登場人物達は“大人”ばかりで静かな文章なんですが、だからこそ吐露するその思いは、とても現実的で切実でした。

ヤクザの妾腹の自分の生い立ちを卑下していながら、その繋がりで仕事をする弁護士の八神と、自分を壊す程の辛い恋愛をしてしまう桂木。
どちらも仕事に関しては“やり手”だけど、消せない過去がそれぞれを卑屈にさせていて空気感は重かった・・・
とくに、八神の母の死の章は、…

1

刑事と検事のあぶない関係 小説

愁堂れな  茶屋町勝呂 

乞続巻、期待してます!

茶屋町イラストで手に取りましたが、ふんふん(^~^)、愁堂先生のお話もなかなかイケていましたよ~!

2時間刑事ドラマ路線は相変わらずの愁堂先生の。
2時間で決着付くから思った通りの事件解決なんだけど、だからこそ安心して読めます。
それとキャラが良かった~♪
椎名の親の転勤で高3で別れた(付き合ってはいない)主カップルも気に入ったし、再会後のその2人の相棒役に期待持てます!
美形・椎名…

1

鋭利な刃物 Spell e.s.series 小説

西条公威  茶屋町勝呂 

性は生

この評価に普通の「萌え」という言葉通りのモノを思ったらそれは全く違い、どちらかというと共感度かもしれません。
BLと呼ぶにはあまりに猟奇的で節操もなく、いわゆる”ヘンタイ”と呼ぶ特別嗜好の者達の物語ではあるからです。
作者さんがうつ病を発症する前に書かれたものか、その前後を含むものなのかは不明ですが西条作品らしい壊れた人々が満載です。

主人公は通称「スペルE.S」=エスと呼ばれるアンダー…

5

魚住くんシリーズ(5) リムレスの空 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

物語は続いている

読み終わった後、思わずほろっときてしまいしました。
ほんのり切なくて、でも胸があたたかくなるそんなラストでした。

魚住の留学が決まって、おそらく最終章は魚住と久留米のひと悶着ありつつも帰ってくるのを待っている、というよくあるラストを予想していたのですが、予想外に語り手が太一という初登場の少年。

少年から見た魚住と久留米という人間。そしてこの世界。
辛い境遇である太一は、この世界に対…

0

世界の果てで待っていて -嘘とナイフ- 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

切ないッス

現在のの事件を追いつつ、過去の事件をチラ見せしていくという二重構造のストーリーになってます。

一冊かけて分かったのは、静かだけど激しくて揺るぎない探偵の執念でした。
いちばん身近にいた刑事ですら気づいてなかったその執念。
妹を殺された探偵が何を思い、数年かけて何を調べあげてきたのか。
まだ分かりません。
そう、まだ分からないんですよ!
なぜなら続いてるもんで。

刑事はそれを知るなかで、さまざま…

3

世界の果てで待っていて -天使の傷痕-(新装版) 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

大好き作品です

旧版にレビューしてるんですが、新装版も手に入れて読んでしまいました。
思えばこの作品は、私がBL魔境におそるおそる足を踏み入れた初心者時代に読んだ一冊で、どっぷりハマってしまう原因となった作品の一つでした。
このなかで語られる愛のカタチにゾクゾクし、自分が紛れもなく腐ってることを自覚させられました。
それだけに思い入れが強いんですが、思い入れの強さを差し引いてても素晴らしい作品だなと思えます。
そ…

5

魚住くんシリーズ(2) プラスチックとふたつのキス 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

同情が同調に変わる

他人の不幸を聞いているうちに、それに同調してしまう。
私も人の悩みを聞いているうちに自分も落ち込んでいたという経験があるので、すごくこの魚住のかつてのカウンセラーの気持ちがわかりました。

でももともとこのカウンセラーの男の境遇に問題があったため、魚住の過去話を聞いて闇が増長し、勝手に自殺に至ったわけですので、魚住のせいではもちろんありません。
でもカウンセラーの弟から見れば「こいつに会わ…

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魚住くんシリーズ(1) 夏の塩 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

とっくに好きなのに、気付かない

不幸にあいすぎて感情が麻痺してしまった魚住くんは、とっくに久留米を好きになっているのに気付かない。
家族だった犬が亡くなって、それを片づけてもらった後も久留米の家に居続ける。
久留米の住処はクーラーもない、狭いアパート。
魚住は久留米に言われて料理の練習まで始める。
なぜそこまで久留米のそばにいるのか、久留米は理解できない。
当の魚住もわかっていないので、当然久留米にはわかりっこないのだ…

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