藤田貴美さんのレビュー一覧

WELL 小説

木原音瀬  藤田貴美 

何とも言えない作品

最初の感想はBLじゃないです、この作品は文学賞を受けた方がいい。深すぎて自分みたいの者が軽々しく評論できない。前編のWELLで亮介を最後まで好きになれなかったが、こんな性格じゃなかったら、自宅のワインセラーでとっくに二人で死んでった、と読みながら納得していた。皆さんがグロいとおっしゃったが、実際この状況になったらあり得る現実に成りかねない。それより次は誰を喰うだろう?って心配する、犬の次は仲間しか...

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木原音瀬  藤田貴美 

糖分補給に向かないどころか、糖分を奪われかねない話

萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
施設行きになるはずの子供を、好きな男の甥だからという理由だけで引き取った主人公。
BLではさほど珍しくないそんな材料も、作り手が変わればこうも腹にもたれる一品となるのだなと妙な感心をしてしまった1冊。
少しずつ食い違った思いが縺れ、やがて歪な愛を編み出してしまう。
ホラーというか一種の悲劇なのですが、この本はBLだと思わずにむしろ一般の小説を読むぞ~とい…

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木原音瀬  藤田貴美 

木原さんは心のホラーのスペシャリストだと思う

やっと、絶版だった作品が新装版で出て嬉しいーー!!
そして、何と旧版になかったラストその後の二人の様子が第三者を主人公にして語られる『others』が入っているのです。
新装版の醍醐味は、こうしたその後が入っていることですよね。
多分、旧版のままのラストでもきっと二人の未来は予想できるものだったかもしれませんが、それを裏付ける、不器用なままだけど、きちんと心が通じ合っている幸せな二人を見るこ…

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WELL 小説

木原音瀬  藤田貴美 

残されたのは空虚感とか喪失感とか

オススメされて、借りて読んだ本ということもあり、ある程度表現や内容がBLというには異質に過激であることは知っていたし、端からBLという概念は捨てて読んでいたので、違和感はありませんでした。
第一印象はやはり「漂流教室」です。
ずーっとあの情景を頭に浮かべて読んでいました。
しかし、BLを期待して読むにはあまりに異質で、カニバリもあるし、愛の無い全く報われないレイプもありで・・・本当に読んでい…

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WELL 小説

木原音瀬  藤田貴美 

難解ですね…

木原さんの作品はどれも好きなのですが、今回はちょっと……苦手でした。

勿論、ガツンと来ることは間違いないんですが。
こちらでグロいと書かれていましたし、私自身グロい系は苦手ではないので、別段平気だと思っていたのですが、さすがに読み終わった後気持ち悪くなってしまいました。
人肉食の食べ方とか、やたらリアルで……

話自体、『漂流教室』のような感じなんですが、やっぱりこういう世界の終わり…

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木原音瀬  藤田貴美 

この作品のハッピーエンド

ぅう~ん。痛い…。


お互いこんなに想い合っているのに、
何故、想いは読者にしか伝わらないのだろうか…。


確かに、皆さんおっしゃる通り、明るい話ではありません。


しかしながら、ラスト十数頁を読み終え
「ここまで読んで良かった…」
と読者である私自身、大変救われた思いが致しました。


今までが真っ暗すぎた為か、本ッッ当にかすかな光りがこの世の救いとばかりにとても眩しく感じました。


昨…

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木原音瀬  藤田貴美 

罪深き、愛のしるし

タイトルに意味はあまりないです。

久しぶり?に木原さんの作品を読んだ気がします。
相変わらず弱者な人たちでした。
どう書けばいいのか分かりませんが、ある意味では直己が事故に合ったのは罪の証なのかもしれません。

甘いだけではない、もの。
簡単に手になど入れさせない、というもの。

一読しただけではなにかを語れるというほどでもないんですが。

木原さんの作品はどれも痛くて胸が…

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WELL 小説

木原音瀬  藤田貴美 

う~ん

購入前にレビューなどを見ていたので「相当グロイのかな?」
と腹をくくって読み始めたのですが、そんなに「グロイ!」
とは思いませんでした。昔読んだ「羊たちの沈黙」シリーズなどのサイコ系小説にくらべたら描写的な恐ろしさ、酷さは印象に残るほどではありませんでした。
SF的な世界観だったからでしょうか、現実味がなさすぎて・・・「グロ」く
感じられなかったのかもしれません。
BL小説を読んだという…

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木原音瀬  藤田貴美 

鬱だ死のう。となりかねない…

最後まで読み終えて、なんじゃこりゃあ、と呆然としました。もう何と言うか怪作ですね。序盤で設定が分かった辺りではこんな展開予想もつきませんよ。ついてたまるかという話ですよ。
いやー、もうホント…何だこれ。

この話はですね、非常に自己愛の強い二人の話だと思います。自分の望む愛を受けて来なかった人間が、自分の最も愛して欲しい人間に対して、とにかく愛して愛してと求めている。ところがその二人ともが態…

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WELL 小説

木原音瀬  藤田貴美 

そこにあるのは絶望だけなのか

読者として我侭を言えば、できればSF的な説明が欲しかったです。
けれどそれが無いことで、この小説は「不条理小説」として成り立っています。
ごくごく私的な印象で言えば、(※ある意味ネタバレです)

「砂の女」「漂流教室」「ひかりごけ」(あるいは蝿の王)これらを足して割って、BL要素(内訳は暴力的性描写9割:萌え1割かな)を少しだけふりかけたような感じでした。
正直萌えはほとんど無いです。し…

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