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ARUKU
hepo
ネタバレ
貧しいけれど美しい青年が、どん底からさらに落ちて行く。 しあわせというものは大小の違いはあっても、誰しも手にできるものであってほしいと願う読者に、容赦なく「現実」を突き付けるARUKUさん節の最骨頂が、この作品ではないでしょうか。 病気の母を抱えて、必死で生きてきた奏。 そんな彼美しさに目をつけたのが、東京からやって来た所長の凍月。 奏を追い込み、自分に縋るしかない状況に嵌めていく凍月…
ぽて19
読み終えた後、あーついに終わってしまった、と思うほどこの世界に入り込んでしまいました。 本作は、ARUKU先生お得意の童話のような異世界ファンタジー。雰囲気としては、明日屋、昨日君が死んだ、に似ています。あの世界観が好きな方なら、BL要素少ないですが楽しめると思います。 虹色村で暮らすチロリが、本当に良い子で良い子で、チロリを想うアキラも小学生みたいな態度がまたいじらしくて前えます。2人の…
【画家と音楽家】 怖 若い頃に才能を見出されて持て囃されたものの、才能が枯渇したように曲を生み出せなくなった音楽家のギラン。 描きたいものはいくらでもあるのに絵の具を買うお金どころか、パンを買うことさえままならない生活を送る画家志望のゾゾ。 両極にいる2人が偶然出会って、親交を深めていくストーリーです。 この話、すごく怖いなと思いました。 世の中にはお金に限らず、才能や運も含めて「持つ者…
BLという分類に収めてしまうのはもったいない。 推薦児童文学に推したいくらい素晴らしい。 道徳の授業って、今も小学校でやってるのかな。 あるなら、サブテキストにも推したい。 人が住む4つの惑星のうちのひとつ。 そこにある虹色村に住むマッシュルーム農家の”チロリ”の話です。 相棒の小豚・ボブと慎ましく暮らすチロリは、1日のほとんどを人のために使います。 一人暮らしのおばあさんを…
泣きました。この感動は一言では言い表せないです。ARUKU先生はどうしてこんなお話を書けるんだろう。 先を読ませるストーリー展開は、文字数もコマも多いですが決して無駄がなく、時折挟みこまれる童話や御伽噺のような台詞の効果で、シリアスなのにどこか暖かく、そして寂しい気持ちになります。登場人物達の独特な台詞口調も可愛くて好きです。先生お得意の中盤に入る短い書き下ろし、小休憩のようでいて物語の核心だっ…
レビュータイトルが全く思いつかず、読み終わったときに最初に頭に浮かんだ言葉にしてみました。 この気持ち、既に読んだ方はきっと分かってくれると思います。 山奥にある寄宿制のカトリック系名門私立男子高校。 16歳だった北条は、モデルで大学生の彼女がいて、母親は下着ブランド会社の社長、寮の自治会補佐を任され、クラスの中心的存在として、何不自由ない生活を送っていた。 そんな北条の視線の先にいつ…
そこに添えられる「普通の男子高校生」。 この「普通の男子高校生」目線で物語を追っていくので、奇妙怪々な出来事ばかりのミステリーっぽく思えるこちら。 初読のときに何かが物足りなく思えた記憶があって、長いこと読み返していなかったのですが、何が物足りなかったんだろう、当時の自分。 全く物足りないところはありませんでした。 むしろ足りすぎるくらい。 離島にある全寮制の日本軍事予備練高校。…
わたしは思い違いをしていたのでしょうか。 ARUKUさんの作品は結構読んだつもりでいました。 作画にやや気になるところがあるものの、活字中毒の文学少女だった昔の自分を思い起こさせるような独特の言い回しや、元文学少女が好む時代設定、登場人物への容赦ない仕打ちが妙に気になって、買い集めたつもりでした。 でも全然だったよ、自分。 本棚整理と言いつつ、家族に秘密のクローゼットを掘り起こして、レ…
みなさーーーん、これはやばいですよーーーー! って、富士山の山頂から日本中にお知らせしたい。 ああ、この期に及んで、出てくる言葉が「やばい」しかない。 そもそも「やばい」って何だ。 ARUKUさんの作品を読んで、こんなに晴れやかな気持ちになれるとは。 わたしの中でARUKUさんは、心を抉られるのは分かってるから、読む前に必ず心の準備が必要という分類の作家さんですが、抉られなかった…。…
ARUKUさんの作品はいつも、読むのがつらいのに先が気になって仕方なくなります。 この作品も本当につらい。 それぞれが置かれた状況が息苦し過ぎて、何度も「読むのをやめたい」と思ってしまう。 読み続けたらもっとつらいことがあるんだろうなと思いつつも、結末を知って早く解放されたくて、ページをめくる手がもどかしい。 でも急いで読むことを許してくれないんですよね。 みっちりと書き込まれた台詞やモ…