吉村正さんのレビュー一覧

匣男 小説

剛しいら  吉村正 

淫靡そのもの

以前から「読まねば」と思っていたんですけれど、この本9年前の作品なんですね。
あらためて剛さんは凄いと思いました。
「スゴイ!」って言うより「……凄い」のよね。

旧財閥の直系で、子どもの頃から家業(と言っても、大財閥なので仕事は様々あるんですけれどもね)を継ぐことを運命づけられている風宮。
なのに覇気がない。自分の意見が言えず、廻りの言いなり。
結果として、破産寸前と言われている造船…

6

匣男 小説

剛しいら  吉村正 

これはヘンタイなのでは

狭いところに入ると興奮してしまうという風宮(ふみや)と、それを守る人、祐一朗。

小さい頃にこもった、蔵。小さな隙間から漏れた陽の光が作った逆象が鮮明に記憶に焼き付いている。一人だけの密室を隠れ家として心地よく感じるとともに、必ず自分を探し出してくれる唯一の存在がいることの安心感。

一方、祐一朗は、幼い頃から風宮に執着し、自分だけが風宮を見つけ出せる存在であることに満足を覚えている。

2

匣男 小説

剛しいら  吉村正 

猟奇なしの江戸川乱歩

まずはじめに。非常に面白かった!
この作品は、これまで読んだことのないような何とも奇妙な不可思議な物語。
江戸川乱歩から猟奇を抜いて甘い愛を振りかけたような…
逃れられないフェティッシュとそれを許可し包み込む愛。貫徹する唯一無二のラブストーリーを描いているのです。

主人公・風宮(ふみや)は、かつての財閥で船舶・商社・金融業に関わる藤島家の跡取り。
しかし、幼い頃からおどおどして、いつ…

6

魂読者(ソウル・リーダー) 小説

椹野道流  吉村正 

続編が出ないことが問題

椹野道流先生の新シリーズ。…なんですが、第1巻である本作が2010年に発売されてもう4年近く2巻目以降が出版されていません。続編を待つのは断念した方がいいのかも…。でもあきらめきれずに毎月新刊チェックしてしまうんですよね。いかんせん伏線が残っているし次巻へ持ち越しの問題もありますし、1冊読みきりでは終わってほしくない作品なんです。
1冊単体としては罪の意識から生きることを絶望していた男が再び希望…

2

匣男 小説

剛しいら  吉村正 

依存

子供の頃のほんのささいな出来事からそれが自分の性癖や性格、倫理観など
簡単に変えてしまうこができる。
どんなにいい子でもその出来事が起きてしまえば悪魔へと変身することがいともたやすい。

これは狭いところでしか安心できない男とその男によって性癖を変えられた男のお話。
風宮の幼いころからかくれんぼが得意で誰もみつけられず従弟がいつも泣くしまつ。
そんな風宮をゆいつ見つけることができたのは…

4

匣男 小説

剛しいら  吉村正 

不思議な感覚

表紙の陰鬱とした雰囲気に惹かれて購入しました。
自分では想像もつかないような、まさに奇想天外なお話でした。面白かったです。
エロでは無いのですが、カラー口絵が最高に格好良かったです。

--(以下ネタバレ含みます)--
小さいころから、納戸などの狭い空間にいることに安心感を覚える風宮(受け)
それを理解し、彼を支える祐一朗(攻め)と書くと、祐一朗がとてもいい人に見えますが、読んでる最中…

3

匣男 小説

剛しいら  吉村正 

狭いところに入りたい受け

率直に言います。すごく面白かった!剛さんの引き出しの多さには感服致します。
剛さんは好きな作家さんで既読本も多数あります。そのため読む前から自分の中でかなりハードルが上がっていたのですが、期待以上の出来の良さでびっくり。
執着攻めスキーの私にはたまらない作品でした。

お気に入りのシーンはたくさんありますが、私のイチ押しは高校時代のエピソードです。カウンセラーに相談しようとする風宮を阻止す…

7

匣男 小説

剛しいら  吉村正 

マニアック?が普通なんです♪

自分にとって、あまり馴染みのない剛先生なのですが、この小説のタイトルとあらすじが気になり続けていたのです。やっと読みました。

閉暗所で落ち着く囲われたがりの受け(風宮・ふみや)と、風宮の匣に為るべく生きてきた攻め(祐一朗)の、幼馴染再会カップル。
執着されてこそ「華」ですね^^

風宮の特殊さのチャームに惹かれた祐一朗の年期の入った執着は、やっぱり普通ではないのかも知れないけど、でも、…

3

匣男 小説

剛しいら  吉村正 

すごい…としか言い様のない

こんな空気を簡単に作り出す作家さんがいるんですよね。
あちこちでおそらく言い尽くされた言葉ですが、「剛しいらって何人居るの?」と本気で思います。

病的なまでに隠れたい風宮と、病的なまでに受けを独占したい祐一郎。
離れていた年月がすべて丸ごと風宮のためだったという祐一郎の執着にはちょっとぞっとするものがあります。

なによりこのお話で怖いのは、これだけ2人だけの世界に浸りながら、そこで…

6

魂読者(ソウル・リーダー) 特別書下ろし番外編 特典

好みを知るのは義務と権利?!

本品は『魂読者』の番外編で
応募者全員サービスの書下ろしペーパーです♪

A4版の二色カラーペーパーに
本編終了後、
ほのぼのとした二人のデート風景が
両面印刷されています。

日曜日の昼下がり。
文房具を買おうと町に出た湖は、
人波の中でも目立つ長身に声を掛けます。

振り向いたのは一ケ月前から
恋人関係になった神崎です。

長身の神崎に話しかける為

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