北ミチノさんのレビュー一覧

星のない世界でも 小説

北ミチノ  高久尚子 

苦しいほどにリアル

美大予備校が舞台の青春もの。
とは言っても、青春=爽やかさ全開というわけではなく、特定の専門的分野を学ぶ若者達だからこその悩みや葛藤が丁寧に描かれた作品だと思います。

なんと言ってもこちらの作品、心理描写が非常にリアル。
個人的な話となりますが、美術関係を少しかじった事がありまして、今作を読みながら「なんだこのリアルさは?」と驚いてしまったんですね。
本編読了後にあとがきを読んで、なる…

3

星のない世界でも 小説

北ミチノ  高久尚子 

青春群像劇

前回はフランスの全寮制男子校での耽美なミステリーを新人ながら文庫本の厚さ2センチ位のボリュームで書かれていた北ミチノさんの作品。2作目が読めて嬉しいです。

今回は以前の投稿作を大幅に改稿した作品だそうで美大予備校生達の青春ライフ。作者もこのような美大予備校へ通っていた事があるとの事で、あまり知らない世界がリアルに描かれていて面白かったです。青春と言っても予備校なので浪人生と現役生が入り混じり…

4

星のない世界でも 小説

北ミチノ  高久尚子 

美大受験生たちの葛藤

高久先生の挿絵目当てに購入。なんでもデビュー前の投稿作をがりがり書き直したお話とのこと。大学受験を控えた子たちの想いがちょうどシンクロして、面白かった!絵描きの心境のお話として覚えてそうだなと思ったので萌にしました。本編350ページ程、読み応えたっぷり。

おもちゃのデザイナーになりたくて上京、受験したものの、見事に全敗、美大受験のための予備校に通う陽斗(はると)。「ぱっと見、インパクトにかけ…

4

星のない世界でも 小説

北ミチノ  高久尚子 

辛口すみません;

才能の差・劣等感・ほろ苦い恋心

あらすじのキーワードに惹かれ購入しました。
……うん。……うん。……うん。
あらすじ通りなんですが、心にくるものがなかったです;

なんだろうな。攻めの描いた絵に絡む劣等感の描写が非常に非常に多いので絵の存在感ばかりが際立ち、肝心の攻め本人の印象がイマイチ薄い気がします。恋愛感情が湧くのも唐突感が否めませんでした。これ憧れや友情で良かったんじゃ…?と思…

9

好奇心は蝶を殺す 小説

北ミチノ  円陣闇丸 

膨大なボリュームのデビュー作でしたが、楽しめました!

長らく腐女子をやっており、BLの全寮制学園ものは、漫画や小説、ゲームなど身近なものとして嗜んできました。全寮制学園ものという事で、この本を読み始めた時もデビュー作でこの膨大なボリュームに慄きつつも、「書かれ尽くしたこのジャンルをエブリスタの大賞作ではどう料理されているのか?」という、まさにタイトルと同じく好奇心から手に取りました。

この作品は、他の人もおっしゃる通り、過去の偉大な作家…

5

好奇心は蝶を殺す 小説

北ミチノ  円陣闇丸 

寄宿制男子校好きの女子の夢がつまってる

本屋でまずその分厚さに驚きました。お馴染みキャラ文庫で約2冊分のボリューム。ちょっとあとがきを立ち読みしたらなんと新人作家さん。新人でこの量を書けるって骨のある方だと思います。内容も大好きな欧風男子寄宿学校ものだったので購入しました。

学園のある生徒の自殺事件から話が始まるっていうのは萩尾望都先生の名作「トーマの心臓」を思い起こします。あれはドイツのギムナジウムでしたがこれはフランスのミッシ…

2

好奇心は蝶を殺す 小説

北ミチノ  円陣闇丸 

ラストがっ!

『寄宿舎学校で不慮の死を遂げた従兄弟の死因に疑惑を抱いたアルベールが、以前からその学園にいた幼馴染み(ジェレミーも含めた3人で大変仲の良い関係を築いていた)レイヴィスと一緒に、その真相を探る』というミステリです。

5つのカップル(1つは『カップル』と言って良いのかどうか解りませんが)と、それに絡んでくる2人の愛憎が書かれていますが、それらの関係性が『1対1が6つ出てくる』という感じなので『複…

12

好奇心は蝶を殺す 小説

北ミチノ  円陣闇丸 

繊細に綴られる、少年達の恋と成長の物語

こちら、名門寄宿学校を舞台に語られる、少年達の恋や成長を描いた物語で群像劇になります。
群像劇は群像劇でも、同じ場所、同じ時間軸を舞台に、少年一人一人の視点でそれぞれの物語が語られるー。
で、最終的に一つの真実に繋がると言う形なんですけど。

視点がコロコロ変わるので読み辛く感じる方もおられるかも知れませんが、個人的にはこの手法に、大いに楽しませてもらえました。
最終的に一つに繋がり、見…

11
PAGE TOP