鷺沼やすなさんのレビュー一覧

夢の卵 小説

鷺沼やすな  今市子 

人の心理の掘り下げ方が深い

教えてねえさんで推薦していただいた中の1冊。
売れっ子作家の恋人はとてもミステリアスな詩草。母の死因の記憶がない。
詩草が、叔父の葬式に行った帰り、何故か11才に退行して帰ってきた。13年分の記憶を失っていた。
でも恋人のタカシのことはおぼろに覚えていて、メモを見つけて℡している。

11才の詩草=母が死ぬ前の年齢の詩草に、怯えさせないよう理解しやすいように接して、記憶を辿って調べていく…

3

夢の卵 小説

鷺沼やすな  今市子 

名作だと思います

ちるちるのBLソムリエでおすすめされたことをきっかけに、この作品と出会いました。本当に本当に感謝しています。この作品と出会えて良かった。

1998年に新書版で発売され、2005年に文庫化されたこちら。
最近の出版ではないせいか、あまり知名度の高くない作品に思います。
ですが、間違いなく素晴らしい作品です。個人的にはBLに関係なく名作だと思います。

主人公は小説家をしている太夏志。彼…

5

温室育ちの恋 小説

鷺沼やすな  蓮川愛 

「温室育ち」だったのは

表題作「温室育ちの恋」と続編「ダイヤモンド・フィッシュ」の中編2つが収録されています。

どちらも広夢(受)の視点で、軽く書かれているので読みやすいですが、ひっかかる人にはひっかかる展開が結構入っています。それが王道展開に飽いているときは新鮮で面白いですが、王道パターンに安心を感じたいときには消化不良になったりします。

「温室育ちの恋」では、広夢の作家の相棒である大住(33歳・妻子持ち)…

1

専制君主のロマンス 小説

鷺沼やすな  佐々木久美子 

甘いんだけど微妙な隙間もある二人

表題作カップルの短編5作品です。
いずれも似たような長さのショートで、二人の仲が進展していくという感じでした。

ジンクス
ジンクス2「サクラサク。」
ジンクス3「クラム ザ レインボウ」
は、雛崎(受け)視点です。抱かれるという自分に戸惑いながら受け入れます。
血が苦手な雛崎が克服しようと、風森(攻め)の傷口に口づけるという思考がちょっと突飛かなと思いましたが、それ以外は特に違和感…

1

専制君主のロマンス 小説

鷺沼やすな 

同タイトル商業作品の続き

リンクスロマンス「専制君主のロマンス」の続きです。
そちらにはジンクス3.75まで収録されており、こちらはジンクス3.8、3.9、3.95、3.96と限りなく続編の4に近いながら辿り着いていない状態です(笑)

ジンクス3.8 
ペーパーの再録。雛崎視点で風森から苺をもらう話です。苺の吐息とか妙にエロく感じました。

ジンクス3.9「甘美な高速のフラグメント」
ペーパー用のもの。雛崎…

1

カナリア・エキセントリック 小説

鷺沼やすな  やまかみ梨由 

従兄弟同士の恋を描いた短編集

雰囲気が良かったのですが、お話がどうも説明ぽい…。それが勿体なく感じた作品でした。

主人公の優基は俳優で多忙な日々を送っていますが、ある日従兄弟で体が弱く、軽井沢で療養中の聖に呼び出されます。
二人は過去キスしたことのある仲で、聖が優基を好きで好きで追っているのですが、優基は一歩踏み出せずに彼を避けて続けている…というような事が文章でつらつらと説明されていて、なんだかお話としては動きがない…

0

夢の卵 小説

鷺沼やすな  今市子 

優しいおはなし

同居している恋人関係の太夏志と詩草。
そんなある日、詩草の育ての親である叔父がなくなり葬式に出向いた詩草でしたが、帰ってくると13年分の記憶がなく(後退してしまい)11歳の詩草になっています。

突然、恋人が自分が出会う前の11歳の記憶で現れたことに戸惑いながらもカウンセリングに連れていったり、病気になった原因を探したりと詩草のために力を尽くす太夏志が頼もしかったです。

「11歳の詩草…

1

夢の卵 小説

鷺沼やすな  今市子 

文章がすごい好きです。

作品と作者を混合させてはいけないのだと思いますが、攻めの受けに対する労りを見る限り作者さんは本当に優しい人なんだと思います。根が思いやりの人ではないとああいうのはかけないでしょう。攻めの心情を追っていくだけでも温かい気持ちになれますね。

ただ私が悪いんですが、文章とセットで最初の受けに一目ぼれしてしまったので、あらすじで既に分かっていた事ですが、記憶喪失して人格が変わってしまいちょっと残念で…

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アンチロマンティストの憂鬱 2 コミック

鷺沼やすな  やまかみ梨由 

過去を乗り越えて

過去を持つ男と、家族のために必死で働く男の、不器用なラブストーリーの2巻です。
2巻では、城山の過去が明らかになるんだけど、シリアス過ぎて、ラブ面の甘さとか吹き飛ぶ感じです。

だけど、城山の過去の男から脅迫された時の、稔の凛とした態度はカッコ良くて惚れ直しました。おまけに、城山に過去があろうとなかろうと、城山が大切なことには変わらないと気付いたのもキュンとなります。
城山の過去を知ると、…

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アンチロマンティストの憂鬱 コミック

鷺沼やすな  やまかみ梨由 

愛した人は謎が多くて…

シリアス+サスペンス調なストーリーで、続きが気になる展開になってます。お話は、女装バーで働く稔が、客としてやって来た城山と知り合って惹かれていくんだけど、城山には人に言えない過去があって…という感じです。

稔は、健気で一生懸命な好青年です。両親亡くした後、妹や弟に不自由させないようにと一人で頑張っています。
城山も家族を亡くしてるんだけど、一家心中という良い亡くなり方じゃなくて…。おまけに…

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