茶鬼さんのレビュー一覧

猫から始まる恋もある 小説

樹生かなめ  藤井咲耶 

いつ猫に戻ってしまうかわからないのでハラハラドキドキのエッチです。

コミカル・コメディな路線といえば樹生かなめさんも、いつも面白いキャラクターを出して愉快な気持ちにさせてくれますが、これは<化猫族>!?
ある日突然猫になってしまった青年の、四苦八苦の試練(?)の恋愛物語です。笑った~!

舞台となる会社"アルトモーツ"はかなり愉快な会社。コンパでもお見合いでも、営業マンは試供品を持ち込んで自社製品をセールスを。
冒頭、主人公"…

1

緋色の海賊 下 小説

佐倉朱里  櫻井しゅしゅしゅ 

ロイヤルネイビーと海賊の運命の巡りあわせ

上巻に続いて下巻ですが、相も変わらない運命的な再会(若干"山猫"が演出している感じもある)と冒険で、一体どうやってこの二人はくっつくの?とやきもきさせられる進展です。あ、でもちゃんとやってることはやってますので安心を。
下巻に入って少しずつ"山猫"の秘密が明かされてきます。

「虹の記憶」
海賊トマス・スコットに賞金が掛けられ、コリンズとインヴィンシ…

4

緋色の海賊 上 小説

佐倉朱里  櫻井しゅしゅしゅ 

BL版・パイレーツオブカリビアン?

BLで海洋冒険を含む作品で有名なのは「Fresh&blood」とか「コルセーア」とかあると思うのですが、これは本当に海と船が中心のある意味実験的な小説かも知れません。
お話は「パイレーツオブカリビアン」と「ホーンブロア」(海洋冒険小説の神・セシルスコット原作で、ドラマはヨアングリフィス主演でBBCが制作)を足して2で割ったお話です。

時代は、エリザベスⅠ世のドレイクが活躍(フレブレの時代)…

7

夜の乱入者 小説

椹野道流  琥狗ハヤテ 

まいど、猫です。猫の恩返しやで~

「センチメンタルガーデンラバー」ではまった猫変化もの、その中でこれはちょっとウルっときたりしてお気に入りの一冊です。
大阪弁の猫、しかも猫神様。
主人公と一緒に癒されてください。

過去のトラウマでひきこもり生活をしている、他者とのコミュニケーションを全くの苦手としている小説家の和。
弱っている黒猫の面倒を見たことから、頻繁に家に通ってくるようになります。
そしてある晩、変質者のように…

1

二重螺旋 2 愛情鎖縛 小説

吉原理恵子  円陣闇丸 

さらにドロドロが拡大し、執着は激しく

父の不倫・家出に母の自殺、兄と母の関係に兄と弟の関係と、泥沼の篠宮家に執着し続ける兄弟達にさらに試練の事件が!

兄雅紀をつなぎとめておきたい尚人の気持ちを利用して、関係を続ける雅紀。
また強要されているような関係でありながら、自分のものだという安心感をえる尚人。
二人のSEXは禁忌なだけに、より一層の淫猥さと深さを増しています。
一見人当たりのよさそうな尚人ですが、父の不倫相手の妹がや…

8

調香師の香る罠 小説

花川戸菖蒲  高城たくみ 

言葉巧みな誘導にうならされました

さほど期待もせずに積んであった本作ですが、読み始めたら面白くて一気にいってしまいました!
話術が巧みというか、Mっ気をうまくSが誘導してという心の引き出し方がうまくて、また主人公の成長という部分もきちんと周到されていて、最後まで飽きさせないストーリーでした。

外見も頭もそこそこだと自負さえある春生は、もう6年目になるのに、ちっとも責任のある仕事を任されないことに不満をもつゲイの男子でした。…

0

淫花 小説

七宮エリカ  小菅久実 

耐えて忍んで報われる

大正~昭和初期の匂いが漂う、あのけだるげな雰囲気を背負って耽美に進む、日本が舞台のメロドラマ。
これではかなげさや、健気さがなければBL版"花登こばこ"の根性ものになるところだな、、とかすかに思う。

その美貌と、ふたなりといわれる両性を併せ持った体の為見世物小屋で太夫をしている類は、その体を売り物にするのではなく、誰もしたことのない技を得得して認められようと、努力してい…

3

花喰いの獣 小説

火崎勇  亜樹良のりかず 

外見に似合わず、不器用でビビリな元ヤクザ。

「ただ一人の男」のスピンオフ作品で、主人公は「ただ一人~」の尾崎の元舎弟・篠塚と、尾崎の恋人如月の主治医・多和田です。
”俺なんか"という分不相応を感じて積極的になれない攻め様を、受け様が積極的に誘うという、外見とは正反対のS受け様が印象的な作品です。

冒頭はいきなり多和田を犯している篠塚の夢から始まります。
組の解散でカタギになり、そこそこ繁盛しているラーメン店の店主になった…

3

優しい罠 小説

剛しいら  緒田涼歌 

教授の密やかな楽しみ

男性機能を失った男が、自分の代わりを相手にあてがう。
あれ?谷崎潤一郎(?)小説にもそんな話があったよな・・・と、シチュは似ております。
主人公は若者・美乃理なのでしょうが、彼を手のひらで転がす叔父の葛城が影の主役です。

5年前恋人との修羅場で男性機能を失った大学教授の葛城は、一人優雅に自分の生活を満喫している。
そこへ再婚した妹の連れ相の連れ子(ややこしい!)の美乃理が、いきなり家を…

3

青の疑惑 小説

水原とほる   

ここまでくると清々しいスポーツのようなSM

普通SMというと、淫靡なエロエロを想像しますが、この作品はMもSも真正の半端じゃない人達なので、スポーツでいうと世界最高峰登山のような、F1の様な、死と隣あわせながら極めた時の達成感さえ感じるプレイです。
なんちゃってSMは、変に恥じらったり嫌がったりするからエロくなっちゃうんですよね。
そういう意味でこれは清々しいSMです。

医師を目指しながらも片目を傷つけたことで断念し、現在は叔父の…

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