葡萄瓜さんのレビュー一覧

二次創作

山田・D・米蔵 米屋編 コミック

山田・D・米蔵 

隙間に愛を埋めている

二次創作と言うのは原典の些細な隙間を
妄想で拡げる作業です。
ですから原典をどう読み込んで解釈するかも
一つの見せ場である訳でして。

にしても揺れ加減の魅せ方が上手い。

1

俺の探偵物語 コミック

七瀬かい 

相変わらず

相変わらずオヤジもショタも美味しい加減で
描いておられますね。
余裕綽々なオヤジも余裕の無いオヤジも
描ける人は稀少でありましょう。
増してや15歳を疾うに超えていてもあどけない
艶っぽさを漂わせた受を描けるとなれば、
尚更の事。

表題作は探偵見習いと内偵される作家の恋物語。
どちらが探られているのやら。

0
二次創作

山田・D・米蔵 同人作家コレクション21 コミック

山田・D・米蔵 

通奏低音

二次創作とは複雑なもので、原典を無視しても
不出来だし二次創作者の妄想だけが暴走しても
不出来になってしまう。二者の調和が大事なの
ですね。割合は問いませんが。

性描写がさりげなく控えめな分、妄想の余韻が
濃い目かと思われますので喰い足りなさを感じる
事はありますまい。

2

背広のハウスキーパー(2) コミック

こだか和麻 

続きを呼ぶ力

表題作を始め同時収録作も続きものであるこの一冊、
こだか和麻と言う作家さんが連載と言う形式を得意と
する事を無言の内に示した礎の様な感があります。
「NOT~」に至っては後年単行本二冊に跨るシリーズと
なりましたしね。

こだかさんの可愛いオヤジ路線を定着させた作品かと
評者は愚考します。

2

あなたが欲しい。 コミック

内田一菜 

お馬鹿も男、健気も男

競走馬が縁のふとした誤解から本気になって
両思いに至る表題作を始め、健気故の試行錯誤が
展開の重要な部分を占める作品集です。

……苦い恋でも美人を生み出す場合があります
けどね。

0

さみしい夜のひみつ コミック

水野透子 

ミミだけじゃ、無いんです

この作者さんの名前を聞いて反射的に
ミミ付ショタを連想する方もまだ多いかと
思われます。
しかし、この一冊ではそれ以外のショタの
味わいをしっかりと醸し出しておいでです。

一人寝の寂しさから歳の離れたイトコ同士の
関係が発展する表題作を始め、「淋しい」を
キーワードにした優しい関係が描かれてゆき
ます。
肌の密着率が多いのは、言葉よりも体温の
方が気持ちを伝え易いのだろうと…

1

流星エコー コミック

日本海荒波 

潔い王道

どストレートにエロを描いてきた人が
どストレートに王道を目指すとどうなるか。
力量が無ければあっさりコケます。
でも、この作者さんはコケなかった。
どころか青春小説の様な綺麗な青臭さも
きちんと醸し出している。

SFの空気の中でお楽しみ下さい。

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薔薇がなくては生きてゆけない コミック

篠田夏姫 

色褪せない愛しさ

「竹田やよい」名義で活動されていた頃の
作品群+αで構成された一冊です。
表題作は「じっとできない きっとしない」の
描き下ろし後日譚となっております。

ほぼ10年を経て単行本に収録された作品群
である訳ですが、作品に篭められた空気は
色褪せておりませんね。
JUNEからBL初期への過渡期の中で生まれた
作品群の味わいは、不思議とあっさりして
おります。
もう少し再評価され…

1

うまくとどかない コミック

村上麻樹 

軽やかに重く

柔らかい絵柄にさりげなく含まされている重い
主題。
その重さと暗さに酔ってしまえればこの登場
人物達は楽に生きられるのでしょう。
でも彼等はその中から別の何処かへ通じる道を
見出そうとするのです。静かに前を見据えた瞳で。

幼馴染同士の感情の変化を描いた表題作を始め、
閉じた世界に渦巻き降り積もる闇への対峙、士と
して生きる事の切なさ、血縁と愛欲の天秤…と言う
主題がどう消化さ…

1
二次創作

こだか和麻 コミック

こだか和麻 

余裕の産物

プロ作家による二次創作同人誌選集
シリーズの一冊として世に出たもの。
「ヒカルの碁」から一篇収録されている
以外は全て「テニスの王子様」です。
表題作のカップリングは任意に選択しました。
後は氷帝から1カップル、青学から
3カップルとなっております。

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