Mさんのレビュー一覧

ソネット 小説

ひのもとうみ  金ひかる 

気持ちのすれ違い……

 芸大に通う仁科幸は、作詩をメインとしながらも自分の将来を決めかねていた。
 周りの同級生はどんどん就職先を決めていくけれど、自分はただこのまま漫然と試作を続けていていいのかどうか……悩んでいた。
 けれど、言葉は仁科の心の中に次々と浮かび上がり、「書く」ことには仁科は迷いを持ったことがなかった。
 そんな仁科の前に突然現れた男・広尾柾史は、仁科とはまた別の視点から詩に関わって行こうとする男…

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偽る王子 運命の糸の恋物語 小説

矢城米花  王一 

受けがかわいそうな目に……

 政変によって父王を始め家族を失った王子・莉羽は、逃亡の途中で山賊に襲われる。そこを道士の雷鬼に救われる。
 そのまま雷鬼と共に生活するようになる莉羽だったが、雷鬼は顔面に大きな傷跡があり、それを隠すようにして生活し、時折、夜中に魘されていた。
 また雷鬼は定期的に住まいを変え、誰かを探しているような様子であった。
 そんな雷鬼と二人で庵を結ぶ生活の中で、正体がばれては困ると女の格好をしたま…

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YEBISUセレブリティーズ 小説

岩本薫  不破慎理 

完璧主義クールビューティー受け!

 東京・恵比寿のデザイン・オフィス『Yebidu Graphics』。
 そこに所属するデザイナーたちは、容姿・実力共に超一流ばかりが揃っている。
 そんな彼らを、巷では『セビスのセレブリティ=セビリティ」と呼ぶ。

 今回の主人公は、そんなエビリティの1人である益永和実。
 彼は完璧主義で努力家。おまけに人嫌いで他人と触られるのも苦手、というクールビューティー。
 そんな彼は、同じエ…

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身代わり花嫁のキス 小説

真船るのあ  緒田涼歌 

かわいらしいツンツン

 父親を早くに亡くし、二年前に母親も失った泉爽人は大学に通いながら、夜のバイトをし、学費と生活費を稼ぎ、たった1人で生きてきた。
 そこに、母方祖父母の代理の者であるという人間が訪ねてきた。
 実は、爽人の母親はとある財閥のひとり娘で、爽人の父親との結婚を反対され、駆け落ちをしたのだ、という。
 爽人の祖父母は爽人を引き取りたい、と申し出るがもっと早く連絡をくれていたら、母親は死ななくてもよ…

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若社長の優雅な休日 小説

森本あき  タカツキノボル 

昼と夜のギャップがすてき。

 都心から5時間も離れたところにある、贅沢な旅館「山水館」そこは、セレブだけが知っている場所。
 一泊数十万からするその旅館の従業員は、特殊な制度の元、成り立っていた。
 かつて、ホテルに勤め「癒しのホテルマン」と呼ばれていた天野心はヘッドハンティングをされて、山水館に勤めることになった。
 一流の接客を提供するという山水館では、前職がある心にすらも最低一年間の一年の研修期間を必要とし、よう…

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男子高校生新婚物語―先生と生徒の場合 小説

あすま理彩  水樹カナ 

新婚前の話……?

 化学教師である筑波は、過去のとある出来事から、余り生徒と深く関わり合おうとせず、「冷たく厳しい」と生徒たちからは言われていた。
 そんな筑波に対する唯一の例外が、湯沢。
 湯沢は、かつて高校一年生だった時は、札付きの問題児。
 入学数ヶ月で、警察のお世話になるという前代未聞の状況だった。
 たまたま副担任の筑波が迎えに行くことになったのも、親が迎えに行くことを拒否し、まだ若い副担任の自分…

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家賃 小説

月村奎  松本花 

居場所のない気持ちに共感

 個人的に、この本のことが好きすぎて、もう何回読んだのかわからないんですけど、いい加減にボロボロになってきたので片付ける意味も込めて、区切りとして感想を書いておきます。

 中学教師の遼の車に潜んでいたのは、勤務先の学校を去年卒業したばかりの人気アイドル・望月和哉。
 和哉は、喫煙のスキャンダルを週刊誌に取られ、事務所をクビになってしまい行くところがないのだと言う。
 元々、和哉は母子家庭…

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純情ナース研修中 小説

バーバラ片桐  みなみ遥 

道具には困らない!

 寿規は、新人ナースであるのにも関わらず、VIP病棟に配属される。
 本来は、VIP病棟に配属されるのはよりすぐりの美人&優れたナースたち。
 そんな中にどうして、実習の時から失敗ばかりの寿規がVIP病棟に配属されたのかはわからないけれど、やる気だけは一生懸命な寿規はなんとか患者様のために頑張ろうと努力する日々。
 けれど、泣いているところをクールビューティーな主任看護師に叱られてしまい、誰…

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初恋依存症の彼 小説

天野かづき  陸裕千景子 

IPS第2弾!

 高校時代に片想いをしていた相手・慶吾に偶然再会した教師の明人。
 明人は高校時代、慶吾が「同棲するために家を買った」と聞き、その後会うこともないまま、県外の大学へと進学してしまったのだ。
 偶然の再会とはいえ、もう二度と会いたくないと思っていた明人の気持ちとは裏腹に、断る隙もないままに大学進学と共に変えた電話番号を無理やり交換させられ、その場は一旦、別れたものの、後日、いきなり慶吾から電話が…

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黒帝愛人 小説

あさひ木葉  音子 

えろさは充分!

 実は、先に「凛花は夜に散らされる」を読んでしまったのですが、実はこちらが先。
「凛花は〜」は公安の紀藤が主人公の話でしたが、こちらは利用される側であった桂木祥悟の視点での話。

 祥悟は、自身の幼い頃の経験を生かして、異国の地で言葉も通じず心細い思いをしている外国人の相談に乗っているうちに、多国籍集団UNIONという集団の顔役のように言われるようになっていた。
 祥悟自身には、そのつもり…

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