Mさんのレビュー一覧

龍を飼う男 小説

ふゆの仁子  奈良千春 

大人の淡い淡い恋の成就

 高柳は今、一世一代の決心を胸に香港の超高級マンションの前に立っていた。
 訪問の相手は、大学時代の同級生・ティエン・ライ。
 香港での仕事をマフィアに邪魔をされ、失敗しそうになり、最後の手段でティエンに交渉を持ちかけることにしたのだ。
 交渉するための金のない高柳が彼に売るものは自分の身体。
 自分の身体をティエンに売るから、力を貸してほしい、と頼んだのだ。

 実は、香港でも有名な…

2

溺愛中毒 小説

大徳寺キサラ(大徳寺きさら)  友江ふみ 

素直でピュアな受け

 父親が勤めていた文具メーカーで社長第二秘書をしている秋月利也。
 実は利也は、前社長の愛人との間にできた息子の子供だった。
 前社長は、会社の業績の悪化から、銀行から送られてきた会社を建て直すための社長と交代させられた形になっていて、今も会社に残る伯父から、何とかして会社の実験を取り戻そうと社長の弱みを握るようにスパイを命じられていたのだった。
 それを知ってか知らずか、現社長の甥であり、…

2

TOKYOジャンクシリーズ番外編(3) スイート・ホーム 小説

ひちわゆか  如月弘鷹 

大きく育った受け

 ユトレヒトでのプロポーズで離れ離れになったように思えた二人の話から四年後の話と。
 その十年後の二人の話が読める話。
 そして、二人の結婚秘話。
 の合計三つの話が入っています。

 まずは、四年後の話は柾が貴之に嫉妬をする話。
 今まで貴之の完璧なる努力のおかげで嫉妬などとは無縁でいられたのにも関わらず、ちょっとしたことから、貴之と美少年の浮気現場――ととってしまっても致し方ない場…

1

サイバー・ラヴァーズ 小説

水月真兎  十條かずみ 

SF設定!

 十六歳の瑞希は、突然父を亡くした。
 母は随分前に亡くなっていたため、遂に肉親は瑞希だけになってしまったのだ。
 そんな瑞希に父が残してくれたのは、人間の快楽に奉仕するための人工生命体である二体のセクサロイド。
 ところが、そのうちの「重要な欠陥がある」とされるほうの一体が、別の男の下に出荷されていることが判明する。
 父の形見であるそのセクサロイドを、何とか無傷で回収したいと考えた瑞希…

0

好き色センチメンタリズム 小説

坂井朱生  鳴海ゆき 

不器用×不器用

 狩野睦月は、二人の兄にいいように扱われる騒がしい家庭環境で育ったせいか、一人を好んでいた。
 ところが、周囲にはそんな睦月が不思議に見えるようで、あれこれ気にかけてくる。
 それを睦月は失礼にならない程度に相手をしながら、かわしていたのだが、そこに容姿よし、育ちよし、派手な噂に事欠かない楠木徹司が入ってきたことで、睦月の周囲が騒がしいことになってしまう。

 元々、睦月に時折話しかけてい…

2
非BL作品

龍は暁を求む 四龍島シリーズ 小説

真堂樹  浅見侑 

頑張る二人。

 飛が冬眠に組み敷かれている間に、マクシミリアンは何やら花路にけんかを売りに行く様子で。
 まさかのマクシミリアン対花路のがちんこ勝負が展開される。
 一対一とはいえども、正直、マクシミリアンがこんなに強いとは思わなかった。
 怪我をしているのにも関わらず、花路の下のほうから順番にばったばたとなぎ倒して、挙句、羅漢とも五部の勝負をしてしまうのだから、相当強い。
 まぁ、飛と互角にやり合って…

1

涙の中を歩いてる 小説

水原とほる  梨とりこ 

不一致?

 大学生の有也は、自身の性癖に気づき、田舎から出て、ゲイバーに通っていた。
 けれど、通うだけで特に誰かと店を出て行くわけでもなく、ただひたすらに理想の男性を待ち続けていた。

 有也の憧れる相手はただ一人、自分がまだ身体が弱かった時に入院していた病院の研修医の高林だった。
 彼は、幼い有也の相手をしてくれ、ずっと励まし続けていた。
 恋人ができるならあんな人がいい――そう思い続けていた…

7

傷痕に囚われて 小説

義月粧子  周防佑未 

見返りを求めない恋

 医療雑誌の編集をしている司は、執筆依頼をするために訪れた大学の医学部で、偶然かつての恋人・繁晴と再会する。
 繁晴との関係は、司が浮気をしたように見せかけたことで終了し、繁晴は司に恨みを抱いていて当然だった。
 けれど、司には彼には言えない事情があって、そうせざるをえなかったのだ。

 数年が過ぎても、未だに繁晴のことを引きずり続ける司は、彼が自分のことを憎く思うならできれば目の前に現れ…

3

御曹司の口説き方 小説

鳩村衣杏  高階佑 

根は正直な受け!

 由緒正しい家柄の御曹司・鷹藪千里は、幼い頃からたった一人、想い続けている人がいた。
 彼の名は、兎本勇美。
 勇美は、心優しく、まっすぐな青年だった。

 そして、そんな勇美を挟んで、ライバルといえる男がいた。
 彼の名は、宝生虎之介。
 彼は千里と同じ学校に通っていたが、まったく正反対の性格で、家も世界的企業の跡取りで大の資産家であった。

 そんな二人が同時に、勇美から呼び出…

1

年下の彼氏 小説

菱沢九月  穂波ゆきね 

優しい話

 塾講師の石田楓は、幼い頃に両親を亡くし、育ててくれた祖父母は他界し、唯一の肉親である妹は外国へ嫁いでしまっていて、広い自宅に一人暮らしをしていた。
 そんな楓が唯一楽しみにしているものは、七つ年下の大学生、同じ塾にバイトで入っていて、今はカナダに留学している鴻島涼平からのメール。
 カナダから送られてくる写真付きのメールは、楓の心を和ませてくれていた。

 そんな涼平が留学してから一年。…

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