Mさんのレビュー一覧

お婿さんにしてあげる 小説

黒崎あつし  高星麻子 

受けの性格の明るさが救い

 大貫幸哉は、資産家の家に生まれた。
 大貫家は代々、資産のある家の娘と結婚して家を維持してきた家系で、幸哉の母親もまた、資産のある家の娘だった。
 ところが、実家が保証人になったことで資産を失ってしまうと、あっさりと放り出されてしまう。

 跡継ぎであった幸哉は、家に残ったけれど、その父もまもなく、資産家の令嬢と再婚する前に亡くなってしまう。
 そこで、幸哉の伯父が出張ってきた。

1

中華飯店に潜入せよ 小説

中原一也  相葉キョウコ 

優しい街の人

 西沖廉は、ヤクザの下っ端であった。
 幼い頃に父が捕まり、母に捨てられた廉は、コンビニの前にたむろしたり、悪い仲間とつるんだりして大きくなった。
 性別不明の容貌が周囲の男たちの目を引き、男に無理やり抱かれたこともあったが、それを当然のこととして受け止めていた。

 そんな廉に、再開発予定の土地を立ち退かない住民の中に紛れ込み、敵の弱みを探してこいと組の若頭に言われる。

 廉は、仕…

2

Kiss me,生徒会長さま 小説

沖田翼  葉山カイト 

初期のBL!

 純斗は、遅刻癖のある高校生。
 そんな彼はある日、友人たちの悪乗りから自分たちの通う学校の生徒会長に告白することになる。
 生徒会長・相良葉月は、優秀な生徒会長で、歴代の生徒会長が面倒がってやらなかった文化祭の改革を推し進めるなど、とても優秀な人物。
 けれど、恋愛に関してはフリーの時なら来るもの拒まずという噂。
 しかし、今まで男と付き合ったという噂はないから、おそらく告白しても断られ…

0

ずっと、愛してた嘘 小説

花川戸菖蒲  皇ソラ 

一冊で二度おいしい……?

 嵯峨悠人は、小さい頃に少しぽっちゃりしていたため、「ブタ」と呼ばれ言いように扱われ、不登校になってしまった過去がある。
 それから数年、大学に入り、見違えるような王子様のような美形に成長した悠人は、モテモテで、自分の過去とはまるっきり違う状況になっていた。
 けれど、悠人は自分の不登校が原因で離婚した母を少しでも助けるために、バイトをすることに一生懸命で、あまり他の人間と真剣に付き合うつもり…

4

ももいろ倶楽部にようこそ 2 コミック

二宮悦巳 

これってあり!?

 元々は、宗明が買って来たゲームの中の人間が実体化してしまって、恋愛ゲームなので、「宗明が誰を選ぶか」という話だったように思うのだけれど。
 どういう訳だか、アーヴィンと宗明の兄である有真が急接近。

 そもそもは、宗明に兄以上の気持ちを抱いてしまった有真が、宗明と距離を置くために、一人暮らしを始めたのだけれど、家事能力皆無の有真の部屋はとんでもないことになってるは、有真自身はぶっ倒れるは―…

1

空を抱きしめる 小説

李丘那岐  ヨネダコウ 

劣等感を含んだ優しい話

 ゼネコンに勤める阿万崎郁己。
 彼の幼い時の夢は、父と同じように鳶になること。
 けれど、どうしても高所恐怖症が克服できず、郁己は自分に他にできることはないか、と考えた末に、今の会社に就職することを決める。
 そんな彼の実家は、鳶・土木業の傍らに非行少年の更生を引き受けていた。

 郁己が小さい時から、郁己以外にも「不良少年」という少年たちが一緒に暮らし、尚且つ同列に扱われるという環境…

2
非BL作品

龍は希う 四龍島シリーズ 小説

真堂樹  浅見侑 

ひねくれてる!

 散々迷って、散々フラフラした飛が辿り着いたのは、「もう一度マクシミリアンに会いたい」という思いだけで。
 その想いだけで、マクシミリアンに会いに行く。
 けれど、再会も束の間、マクシミリアンと共にある未来のために、事態の収束を目指して再びマクシミリアンの下を去る。

 一方のマクシミリアンは、飛が現れたことにより正気を取り戻し、事実を確認するために大龍の正妻・尊夫人と面会をする。
 ま…

0

殉愛 小説

綺月陣  周防佑未 

読む人を選ぶ話

 阿久津敬吾は、営業のみを専門に行う会社で部長を勤める営業のプロ。
 元々、親会社から営業だけを専門に行う会社を作りたい、と言い、阿久津が中心となって立ち上げた会社だった。
 仕事は順調で、私生活では子供がいないながらも、洋裁や着付けを教える妻の智恵と順調な夫婦生活を送っていた。
 部下の辻沢朋之も、繊細な見た目から「営業」という仕事には向いてないのではないか、と危惧されたものの順調に営業成…

6

スペイン貴族は甘いのがお好き 小説

妃川螢  実相寺紫子 

押しの一手

 ホストクラブを経営する小櫃玲也は、親友である三田村の結婚式に列席するため、スペインへと訪れた。
 そこで、結婚する友への想いが、実は友情以上のものであると結婚式に参列しながら気がついた玲也は、バーで深酒してしまう。
 そこに現れたのは、金髪の美男・オスカー。
 彼に自分が男とも関係を持てる人間なのか、三田村以外でも大丈夫なのか、「試してみる?」と誘われ、そのまま関係を持ってしまう。

0

眠る兎 小説

木原音瀬  車折まゆ 

ミイラ取りがミイラ

 里見浩一は、友人が持ってきたゲイ向けの雑誌を、他の友人と共にふざけて眺めていた。
 そのうちに誰かが文通コーナーに書いてある相手に「手紙を出そう」と言いだし、相手が好みそうな内容をみんなで並べ立てる。
 その手紙を「里見の名前で出していいか?」と聞かれ、「いいよ」と答えてしまう。

 数日後、里見の下に届いたのは、「一度会いたい」と書いた手紙の返事であった。

「人の真剣な気持ちを笑…

2
PAGE TOP