むつこさんのレビュー一覧

非BL作品

風と木の詩(10) コミック

竹宮恵子 

最終巻

ついに最終巻です。

手に手を取って駆け落ちしたセルジュとジルベール。
パリの下町の狭くて汚い部屋で暮らしはじめたものの、『生活』するにはお金が必要で、お金のためには働かねばならず、働くといってもまだ15歳そこそこにしかならない二人にはマトモな仕事などなく。
二人の関係は少しずつ少しずつ歪んでくる。
真面目に働くセルジュをジルベールは理解できないのだ。
知らない人はいないと思いますが、悲劇的結末で…

6

異母兄のいる庭 小説

水原とほる  あじみね朔生 

私好み!

異母兄弟の近親相姦モノですが、意外なほどハマりました。
相変わらず痛いシーンが何ヵ所かありますし、そのうちの何ヵ所かは削ってもいいんじゃないかなと思ったりもしたんですが、まあこれは水原とほるさん作品の個性なのでw

政治家の愛人であった母が死に、本宅にひきとられた志乃(受)。
本宅には一歳年上の義理の兄、慎一郎(攻)がいた。
慎一郎はある日、志乃をレイプします。その関係がしばらく続く。志乃はいつし…

11

言ノ葉ノ花 小説

砂原糖子  三池ろむこ 

ガラス細工

とっってもいいお話でした。
ある日周囲の人間の心が読めるようになった主人公の苦悩が、繊細なガラス細工のような文体で綴られてます。
そんななか、一途に自分を思ってくれる、心は真っ直ぐだけど見た目は無愛想な同僚に惹かれてゆく。
切なかったー。
人間の本音は醜いのに優しいのは何故だろう。砂原さんが上手いからでファイナルアンサー(古)。
あと、エッチが超能力言葉攻め羞恥プレイで、あまり言葉攻めには萌えな…

11

秘密 小説

木原音瀬  茶屋町勝呂 

木原作品は別格で好き

50歳のすすけたオッサンとかイヤミなデブとかを萌え対象に変えてしまう偉大な木原音瀬さん。
今回もパッとしない男が主人公の相手役です。でもやっぱり萌えた。
この作品はネタバレしたくないです。
あらすじにサクッと触れると、人を殺して冷凍庫に詰め込んでアパートに帰りたくない主人公の啓太が、セックスを条件にバーで知り合った杉浦の家に泊まることになる。愚鈍な杉浦に、少しずつ惹かれていく啓太。
一人の人間のな…

10

キミログ 小説

高将にぐん  室木チカ 

悶絶

声出して笑いながら本を読んだのって何年ぶりだろう。
こっそりつけてるブログを好きな人に見られてるという設定に恥ずかしくて悶絶しつつ、最後のページまで、レモンサイダー味の恋を楽しませてもらいました。
そのあと自分のブログに日記を書いてたんですが、ソファラ節に影響されて、へんてこな文体の日記になってしまった。
いいなぁこの二人。
笑ってキュンとなって癒されて、残りページが少なくなったとき、読み終えるの…

10

素直じゃねぇな 小説

英田サキ  桜城やや 

すれ違いの妙

いやー、面白かったです。
受けの真路が、バーで知り合ってエッチしたゆきずりの男が、実は隣人だった、というところから話は始まります。
受けと攻めで視点が切り替わっていき、二人のすれ違う心理の妙をたっぷり味わうことができました。
切ない部分にキュンとなりつつも、これもラストでの甘々ラブラブへのスパイスだろうなと思えるから、安心して読める。
幸せな気分でページを閉じることができる、そんな一冊です。

6

太陽の下で笑え。 コミック

山田ユギ 

ザ・ユギワールド

幼馴染みモノの名作だと思います。
「友人という地位にいて、長い長い片思いをしている」っていう設定は、ほんとにツボです。
人物みんなが魅力的で、あたたかくて、優しくて、ホロリ。
美味しく読ませてもらいました。
「小さなガラスの空」の直樹も名脇役として登場します。矢田との過去話を語るシーンもツボにきてキュンとしました。

2

同棲愛(11) コミック

水城せとな 

ついに完結

長かったけど、長さを感じなかった。
何回泣いたか分からない。
ページを閉じて、しばらく放心してた。ものすごい喪失感が襲ってきて、やりきれない気分になった。
一週間ぐらい、この漫画を思い出しては、胸がギューってなってた。
たかが漫画だ。
されど漫画だ。
一連のレビューを書きながら、ストーリーに触れたくなかった。
水城せとなさんは、怖い漫画家だ。もうもう大ファンです。けど水城さん、こんなふうに心をかき…

5

同棲愛(10) コミック

水城せとな 

再読がキツイ

薫と椿と馬堀、この三者のストーリーは、再読がキツイです。
とくに薫と椿の関係。
薫が自分の気持ちをはっきりと自覚したとき、椿は…椿は…ああもう、椿のバカバカバカ!
水城せとな作品は、切なくて苦しいストーリーが大好物なマゾ人間に向いてると思う。ウン。

1

同棲愛(9) コミック

水城せとな 

すれ違い

水城せとなさんは、すれ違いを描くのがなんでこんなに上手いんだろうと思う。
ありがちな悪人やら恋のライバルやらを一人も存在させてないのに、歯車はずれ、軋み、亀裂を広げてゆく。
どの登場人物にも共感してしまって、心が引きちぎられそうな気分になった。
ヤバイです。

2
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