雀影さんのレビュー一覧

ぼくらの不思議な恋事情 コミック

かつらぎ 

おいていかないで

同人誌や、ツイッターからの再録ということで、
この、唐突に始まって、いきなり終わる感じが、
書きたいところから書いて、描きたいことだけ描いたらおしまいっていう、放置プレイ感が、
良くも悪くも商業出版物にはない味わいだなと、
ちゃんと商業誌で連載されていた作品なら、この本に掲載されているお話が核になるとしても、前後にそれなりのなにがしかが付いて、読み手をもうちょっと心安らかにしてくれるような…

1

犬も喰わない コミック

彩景でりこ 

アダルトって、つまり

ほとんど年寄りの話なんだけど、とっても、これ、よかった。
良かったっていうか、ぐっと来た。
それも、これも、自分自身にひきよせて、死が身近なお年頃だからかな。
若さに任せてまっしぐら!みたいな水気たっぷりのエロより、この薄暗さ、後ろ暗さにぞくぞくする。

ひねくれた相愛関係に何人もの女性を巻き込み、成人病で死にかけたり、
三角関係をこじらせて初老に至り、連絡たったまま孤独死した男の骨壺…

5

累る-kasaneru- 小説

凪良ゆう  笠井あゆみ 

こう来たか

今回の凪良先生の作品は、イラストが笠井先生ってどうなん?って思ってたら、こうきはりましたか。
異母兄弟の禁断の愛。
断ちたい思いを繋げるのは、それは前世の記憶のなせる業。

最初は、普通に現代物で、ある日父親が連れてきた愛人の子と本妻の子が成長するにつれ、お互いの気持ちが恋愛感情であると葛藤し、それを乗り越えるお話かと思わせておいて、そこから始まるオカルティックミステリーというか伝奇ホラー…

3

Tonight,The Night 小説

一穂ミチ  絵津鼓 

じっくり。そしてこじれません。

小学生と大学生が出会って、じっくりと愛を育んで行くお話。
こじれません。

これ、片方が成人済みの大人で、でも大学生でっていう、モラトリアムな時期に、片方は小学生にしては大人びてしっかりしてるけど声変わりすらしていない子どもっていう年齢設定がまず絶妙。
更に、和菓子屋の息子(跡継ぎではない)と贔屓先の社長の一人息子っていう、この年齢差では普通に出会うことはなさそうな二人を引き合わす設定も絶…

8

オマエは羊。 コミック

高崎ぼすこ 

きれいな絵です

主人公の佐原佑也は、顎のほっそりした今風のかわい子ちゃん。
対する準教授の正木司もしゅっとしたイケメン。
そんな見目麗しい二人と司の弟の三人暮らし。
キャラはずっとちゃんときれいだし、背景の過不足も破綻もないし、お話の緩急も、ちょっとしたギャグっぽさもすごく適切。
それでいて、設定の極端さや、司の弟の恵吾扱いがぞんざいだったり、エドの出現も、なんだかこれって、テレビドラマっぽく感じる。

0

隣の彼が痩せまして。 コミック

遊楽夏 

短編集なので

どのお話も、テンポ良くお話が進み、お互いの思いも確認しあって、ちゃんと初めてエチもバッチリ入って、ハッピーなまま終わる。
フィギュアスケートのショートプログラムだったら、要素全て入っての出来栄え点でも加点が付くレベル。
短編でもこれだけおもしろいのなら、この先二人はどうなるのか、続きをもっと読みたいと思うような作品ばかり。
絵も好き。
キャラのお顔が全体にタレ目がちなのがエロくていい。

2

爪と棘 コミック

宮城とおこ 

執着物かな

愛人の子と本妻の子の間での、復讐と贖罪。
カバーと帯が素敵です。
表が困り顔の本妻の子、裏が真っ直ぐ見つめる愛人の子。
白っぽい色調も、タイトルのロゴも素敵。
宮城とおこ先生久々のコミックスって事で期待値はいやが上にも高まりますが、、、、あまり、作者さんのお名前には囚われない方がいい。かな。
確かに、宮城先生の本って、随分前に読んだきりで、その後の年月や、自分の記憶力からすると、宮城先生…

4

花とノスタルジア コミック

小野アンビ 

じっくりがお好きな方に

幼なじみ無自覚こじらせ系。

ずっと側に居続けているのは、
何故側から離れられないのか、その理由から目をそらしてきたのは、
恋と認めてしまったら、恋なんて叶うはずもなく、
恋心を知られてしまったら、もう友人としてでさえ側にいられなくなってしまうから。

コミックス1冊全部たっぷり使った、王道というか、ありがちな自己完結型幼なじみこじらせ物です。
主人公の、翳りのある攻めにオカン体質…

2

ベイビー・メニー・クライ コミック

 

とにかく、好きなの

表題作は高校生同士の初々しい恋のお話。
お互いの気持ちを確認したところで終わりになってしまうので、エロ無し。
「はるのはなやさん」はカフェの店長と花屋の跡取りの話。
こちらは年齢設定がちょっと上になった分、恋心に気づくのが多少早め。
でも、告白したところで終わりになってしまうのでエロ無し。
最後の「僕らは空を~」は昔付き合っていて、一方の結婚で別れたはずなのに、離婚したからと訪ねてきて、…

2

続きはまた夜に コミック

千葉リョウコ 

臆病者の恋

好きすぎをこじらせてすれ違う二人のお話。
男同士だと、変な見栄とか意地とかが邪魔をして恋に臆病になる。
最初から素直に好きだと言って、素直にそれを受け入れていたら、
何年も、何年も、無駄にしなくてすんだのにねって思うけど、そうやって無駄に右往左往してくれないとお話としては盛り上がらない。
逆に言えば、お互いの気持ちを知らないままあれこれ駆け引きするから盛り上がるので、これが最初から相思相愛…

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